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動産売買の先取特権の物上代位
山田工業は田中商会に商品を売っていましたが、田中商会は、未払いのまま倒産してしまいました。
山田工業が販売した商品は、斉藤実業に納入され、その売掛債権を回収していないことがわかりました。
斉藤実業に納入されたということは、倒産した田中商会の指示で、商品を届けているので、明確でした。
山田工業は、田中商会の斉藤実業に対する商品代金債権は、山田工業の有する動産売買の先取特権の対象になること、つまり物上代位という権利の行使が可能であることを理由に、仮差押手続きをしました。
(物上代位)
民法第304条 先取特権は、その目的物の売却、賃貸、滅失又は損傷によって債務者が受けるべき金銭その他の物に対しても、行使することができる。ただし、先取特権者は、その払渡し又は引渡しの前に差押えをしなければならない。
2 債務者が先取特権の目的物につき設定した物権の対価についても、前項と同様とする。
(動産の先取特権)
民法第311条 次に掲げる原因によって生じた債権を有する者は、債務者の特定の動産について先取特権を有する。
1.不動産の賃貸借
2.旅館の宿泊
3.旅客又は荷物の運輸
4.動産の保存
5.動産の売買
6.種苗又は肥料(蚕種又は蚕の飼養に供した桑葉を含む。以下同じ。)の供給
7.農業の労務
8.工業の労務
この仮差押は、通常の一般債権に基づく仮差押ではなく、物上代位権行使のための仮差押なのです。
山田工業は田中商会を相手に、先取特権の確認を求める訴訟を起こしましたが、途中で、田中商会が破産宣告を受けることになりましたので、田中商会の破産管財人を相手として、動産売買の先取特権の存在を認めさせましたので、田中商会の斉藤実業に対する売掛債権によって、優先的に弁済を受けることができました。
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