贈与税の時効はあるのか

贈与税とは

贈与税とは、個人から財産を無償で贈与されたときに、贈与された側に課せられる税金をいいます。

贈与は財産を「あげる」「もらう」というお互いの意思がないと成立しません。

例えば、親が子供名義の預金口座に勝手に預金していた場合には、もらう側の意思がないので贈与契約とはならないのです。

この勝手に預金している場合などを名義預金といいます。

口座の名義人と実際にその預金を所有・管理していた人が違う預金のことをいいます。

預金通帳に名義人の名前が書いてあっても、実際にお金を出して預金をしていた人が亡くなった場合には、贈与税の対象ではなく、その亡くなった人の相続財産として相続税の対象となるのです。

贈与税の課税方法とは

贈与税の課税方法には、暦年課税と相続時精算課税という方法があります。

暦年課税とは、1年間の贈与額の合計が110万円の基礎控除額を超える場合に課税される制度をいいます。

1年間の贈与額から110万円を差し引いた金額に税率をかけて計算します。

税率や控除額は贈与者と受贈者の関係によって異なります。

国税庁 贈与税の計算と税率(暦年課税)

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相続時精算課税とは、60歳以上の父母または祖父母から、18歳以上の子または孫への贈与に利用できる制度で、2500万円の特別控除枠があり、この枠内であれば贈与税はかかりません。

この特別控除枠を超えた部分については一律20%の税率で贈与税が課されます。

この制度を利用した場合、贈与者が亡くなった際には、それまでに贈与を受けた相続時精算課税適用財産の価額と相続や遺贈により取得した財産の価額とを合計した金額を基に計算した相続税額から、既に納めた相続時精算課税に係る贈与税相当額を控除して算出します。

国税庁 相続時精算課税の選択

贈与者が亡くなって相続が発生した場合

相続開始前3年以内に受けた贈与は、相続財産として加算して計算できます。

すでに贈与税を支払っていた場合には、相続税から納付済み贈与税を控除されることになります。

贈与税申告漏れのペナルティ

贈与税の申告漏れがある場合には次のようなペナルティが課されます。

無申告加算税

無申告加算税とは、そもそも申告することを忘れていたという場合に課されるものです。

状況 税率
自主申告した場合 5%
税務署から調査の通知が来て更生があると知らされる前に申告した場合 10%
税務署の指摘で申告した場合で納税額のうち50万円を超える部分 15%

50万円を超えない部分については10%、50万円を超える部分には15%かかります。

過少申告加算税

申告はしていたがその額が少なかった場合に課されるものです。

状況 税率
自主申告した場合
税務署から調査の通知が来て更生があると知らされる前に申告した場合 10%
税務署の指摘で申告した場合で追加の税額が「期限内申告税額」または「50万円」のいずれか多い金額を超える部分 15%

税務署の指摘を受けて申告した場合は10%、一定額以上の部分には15%の税率になります。

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重加算税

税金を払いたくないからと意図的に申告しなかった場合に課されるものです。

状況 税率
無申告の場合 40%
過少申告の場合 35%

重加算税を課されるのが初めてではない場合には、さらに税率が高くなる可能性があります。

延滞税

納税が遅れたことに対して課されるものです。

状況 税率
納付期限が翌日から2か月以内 2.4%(注)
納期限の翌日から2か月を経過した日以後 8.7%(注)

(注)令和4年1月1日から令和7年12月31日までの期間の税率になります。

贈与税の時効とは

年110万円以上の贈与を受けた時には、贈与税の申告の必要があるといいました。

そして、贈与税には時効があります。

時効期間は原則6年で、脱税目的で贈与を隠すなど故意に申告しなかった場合には7年に延長されます。

贈与税の申告期限は贈与のあった翌年の3月15日までですので、贈与税の時効の起算日は贈与のあった翌年の3月16日から始まります。

複数の人から贈与を受けていた場合

複数の人から贈与を受けた場合には贈与額は合算されます。

例えば、父から100万円、母から100万円贈与を受けた場合には、合計200万円ですので、基礎控除額の110万円を引いた金額90万円に対して贈与税がかかります。

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贈与税の無申告が発覚する時とは

①不動産を贈与された場合

不動産の名義変更をするためには、法務局で所有権移転登記の申請を行います。

そして、登記をする理由は「贈与」と明記されます。

贈与を理由に登記されたにもかかわらず、贈与税の申告がされてない場合には税務署から指摘を受けることになります。

②相続税の申告をした場合

相続税の申告があると、税務署は贈与の事実がなかったか、使途不明金はないかなど、確認する場合があります。

これはもちろん無申告などの疑いがある場合などです。

そうなると、税務調査が行われることになり、隠し通すことは難しくなります。

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