告訴・告発の方法とその時効とは

告訴・告発とは

告訴・告発とは、捜査機関に犯罪事実を申告して処罰を求める行為をいいます。

告訴は被害者や告訴権を有する者、告発はそれ以外の第三者が行うことをいいます。

告訴・告発の方法とは

方法は書面でも口頭でも行うことができますが、書面で行うには告訴状・告発状を作成して行います。

告訴・告発に基本的な効力の差はなく、申告を行う者の立場によって呼び名が変わります。

ただ、親告罪を公訴提起(起訴)する場合には、被害者またはその他の告訴権者による告訴がなされていることが、その前提となります。

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告訴・告発の提出先とは

告訴・告発の提出先は、検察官または司法警察員に持っていくか、郵送で行います。

実際には捜査をする警察に提出するのが普通です。

どこの警察署に提出すべきかは特段の決まりはなく、どこでもよいとされています。

ただ、捜査の流れを考えれば、犯罪が発生した所轄の警察署に提出するのが適切とされています。

親告罪とは

親告罪とは、告訴がないと起訴できない犯罪をいい、名誉棄損罪、器物破損罪などがあります。

親告罪は犯人を知った日から6か月を過ぎると告訴ができなくなります。

この期間を過ぎると告訴状を受理してもらえなくなり、もし受理してもらえても告訴自体が無効となります。

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ただ、強制わいせつ罪、強姦罪などの性犯罪については、告訴期間の制限はありません。

事件そのものが時効にかかるまで告訴できます。

これは性犯罪で強い精神的ショックを受けていて告訴のことなどすぐに考えられなかったり、告訴すると被害事実が公になってしまう心配があったり、犯人と特別な関係になるなど、すぐに告訴をするか決定できない場合が多いからです。

ところで「犯人を知った日」とは具体的にはどのような場合をいうんでしょうか。

「犯人を知った日」とは犯人の名前や住所など詳細を知る必要はないとされています。

犯人である人物を特定できる程度に認識した日を指します。

具体的には、犯人の顔をはっきりと記憶している場合、犯罪事実の背景から特定の犯人を把握した場合などです。

被害届とは

被害届とは、犯罪にあった者が捜査機関に対して行う犯罪被害の事実の申告をいい、被害届は事実上受理されない場合もあります。

これは捜査機関が犯罪ありと思料するに至った場合に捜査することになります。

被害届と告訴との違いとは

告訴は犯罪事実を申告するだけでは足らず、犯人の処罰を求める意思表示となります。

そのため告訴状を受理すると、警察は書類または証拠物を検察官に送付する必要が生じます。

検察官が起訴または不起訴の処分をしたときは、速やかにその旨を告訴人に通知しなければならない義務が生じます。

不起訴の場合は、告訴人の請求があれば不起訴の理由を告げなければなりません。

公訴時効とは

刑事上の時効を公訴時効といいます。

これは時効にかかって被疑者を起訴できなくなるタイミングをいいます。

被疑者を罪に問うためには、検察官に送致したうえで起訴する必要があります。

それが時効にかかってしまうと起訴できなくなるということです。

また、時効が停止されることがあります。

被疑者が国外にいるもしくは身を隠しており、有効に起訴状の謄本の送達もしくは略式命令の告知ができなかった場合などです。

親告罪と公訴時効の関係

親告罪(名誉棄損罪、器物破損罪など)は告訴がないと起訴できない犯罪です。

そして、その告訴期間は犯人を知った日から6か月を過ぎると告訴できなくなります。

しかし、親告罪以外の犯罪には告訴期間の制限はありません。

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その犯罪の公訴時効の期間が過ぎていない限り告訴できるのです。

この公訴時効は犯罪が終わってから一定期間が経過すると起訴できなくなる制度です。

つまり、親告罪に関しては告訴期間(犯人を知った日から6か月)を過ぎると告訴できなくなりますが、それ以外の犯罪は告訴ができなくなる期間は、公訴時効の期間がすぎたときとなるのです。

ちなみに「人を死亡させた罪」であって「死刑に当たるもの」(殺人罪、強姦致死罪、強盗強姦致死罪)は法改正により公訴時効が廃止されました。

永久に公訴提起できるのです。

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