養子縁組をすると戸籍や住民票はどうなる

養子縁組と戸籍と住民票

養子縁組と戸籍

養子縁組をすると、原則として養子は養親の戸籍に入り、氏も養親のものに変わります。

そして、養子縁組の事実は両者の戸籍の「身分事項」欄に記載されます。

養子縁組による戸籍の変動には次のようなパターンがあります。

・養子が養親の戸籍に入る場合

養子は養親の戸籍に入籍し、養子の戸籍上の氏(苗字)は養親と同じになります。

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・結婚していて戸籍の筆頭者である養子が養子縁組する場合

養子と養子の配偶者で、養親の氏を称する新しい戸籍を作ります。

養子は養親の戸籍には入りません。

・結婚していて戸籍の筆頭者の配偶者である養子が養子縁組する場合

養子の戸籍に変動はなく、戸籍の「身分事項」欄に養子縁組した事実が記載されます。

養子と養親の氏は異なったままです。

・養子の「子」がいる場合

養子の「子」は自動的には新戸籍には入らず、「入籍届」の提出が必要になり、「入籍届」を提出しない場合には元の戸籍に残ったままとなり、氏も変更されません。

「入籍届」の提出は市区町村役場で「入籍届」を入手し、必要事項を記入します。

親権者(養子)が、子を新しい戸籍に入れることを希望して提出することになります。

この場合、家庭裁判所の許可は不要です。

養子縁組と住民票

養子縁組届を提出しても、住民票の住所の変更がなければ自動的には住民票の更新はされません。

住所の移動がある場合には、別途「住民異動届」を提出する必要があります。

住民票の続柄は実子か養子かに関わらず、すべて「子」と記載されます。

養子縁組の手続と効果

養子縁組の手続

養子縁組の手続は養親または養子となる者の本籍地・所在地の市区町村に養子縁組届を提出します。

本籍地でない役所に届出をする場合、戸籍謄本が必要になります。

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これには、養子縁組届とともに証人2名の署名、当事者の本人確認書類が必要になります。

養子が未成年者の場合で15歳未満の場合、法定代理人(親権者)の同意書が必要になり、法定代理人(親権者)が本人に代わって届出をすることになります。

養子が未成年者の場合で15歳未満の場合、養子が養親または配偶者の直系卑属(子、孫)でなければ、家庭裁判所の許可が必要になります。

養子または養親に配偶者がいる場合、配偶者の同意書が必要になります。

養子縁組の効果

養子縁組をすると、養親と養子が法律上の親子となり、相互に扶養義務を負います。

養子縁組成立後、養子は養親の嫡出子とみなされ、法律上の親子関係が発生します。

養子が養親の法定相続人になります。

普通養子縁組では、実親との親子関係が継続し、実親の法定相続人であることも変わりません。

養子は養親の氏に代わります。

養子縁組は養親が成年になってからしかできず、また養親より養子が年長であったり、尊属であってはならないとされています。

血縁上の親子という血縁関係は原則として解消できませんが、養子関係は離縁をすることによって解消することができます。

養子縁組の成立

養子縁組は養親と養子の双方が市区町村役場へ「養子縁組届」を提出することによって成立します。

届出が受理された日が成立日となります。

養親は20歳以上であることが要件です。

養子縁組の成立は戸籍謄本に記載されるため、戸籍で確認できます。

養子縁組を解消する

養子縁組を解消することを養子離縁といい、養親と養子が話し合って「協議離縁届」を役所に提出します。

協議離縁届には当事者の署名・押印、証人2名の署名が必要です。

協議がまとまらない場合には、家庭裁判所に「離縁調停」を申し立てます。

調停でも合意に至らない場合には、裁判離縁を申し立てます。

裁判離縁を申し立てるには、民法で定められた離縁理由が必要になります。

次のいずれかの重大な事由が必要になります。

・他の一方から悪意で遺棄されたとき

・他の一方の生死が3年以上明らかでないとき

・その他、縁組を継続しがたい重大な事由があるとき

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相手の同意なしに勝手に離縁届を偽造して提出した場合には、文書偽造などの犯罪になる可能性があります。

養子離縁が成立した場合には、養親と養子の相互の相続権は消滅します。

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