ビザ目的の外国人との離婚・・・

ビザ目的の外国人との離婚・・・

日本にいる外国人にとって、ビザは大切で、配偶者ビザがあれば働くことができますので、日本でお金を稼ぎたいと考えている外国人の中には、日本人と結婚しようとする外国人が見受けられます。

日本の高賃金は外国人にとって魅力的だからです。

配偶者ビザとは、日本人を配偶者とする外国人の申請で、入国管理局によって特定査証の形で与えられるビザをいいます。

配偶者ビザがあれば、就労など日本での活動に制限が課されなくなります。

申請があった場合、本人にオーバーステイや資格外活動などの違法行為があると、審査は厳しくなります。

外国人がビザ目的で結婚したのであるか否かは、証明するのは難しい場合もあるでしょうが、例えば、別居などをしているのであれば離婚判決が出る可能性はありそうです。

子供が幼児の場合には、母親が親権者として認められます。

ビザの更新について、身元保証人として日本人配偶者と扶養者を立てます。

婚姻が破綻していれば、当然、身元保証はしていませんから、ビザの更新もできないことになります。

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アメリカ人の夫から離婚と子の引渡し・・・

妻は、日本でアメリカ人の夫と婚姻し、アメリカに渡ったのですが、夫の暴力がひどく3歳の長男を連れて日本に帰ってきました。

夫は、ユタ州の裁判所で、妻に対して子供を引き渡すことを求める訴訟を起こし、アメリカの夫の弁護士から日本の弁護士に依頼し、日本の弁護士から妻に呼出状が送られてきました。

妻はアメリカに行って裁判に出頭すべきか、もしくは、アメリカの裁判所で夫に有利な判決が出た場合日本で効力があるのでしょうか。

アメリカでの判決が確定しても、日本の裁判所で執行判決を得なければ、日本で強制執行はできません。

執行判決とは、外国の裁判所による確定判決に効力を認め、それに基づいて強制執行を行うことを許す旨の判決をいいます。

そのためには、次の条件が必要になります。

①法の適用に関する通則法又は条約でその外国の裁判所に裁判権があること。

②敗訴した被告が、適法な呼び出しの送達を受けたこと。

不適法な送達の場合は、被告が応訴したこと。

③判決の内容が、日本の公序良俗に反していないこと。

④その外国でも同じような日本の判決が認められること。

なお、不適法な管轄や送達の場合は、応訴すると管轄が認められ、送達の欠格について異議を唱えられなくなります。

送達とは、裁判に関する連絡のことをいい、アメリカの裁判所の場合、呼び出しなどの送達は、日本の当局に嘱託する形で行なわれ、嘱託を受けた日本の裁判所から呼出状が送達されてきます。

本件の場合、アメリカの裁判所に出頭しないと、夫に有利な欠席裁判がでるかもしれません。

しかし、それは適法な呼び出しに基づくものではないので、日本の裁判所はその判決による強制執行を認めないと予想されます。

また、応訴して負けたとしても、アメリカの裁判所の幼児引渡しの判決について、日本の裁判所が公序良俗の点から執行判決を認めないことも予想されます。

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内縁の解消と子の戸籍・・・

法律上の手続きにしたがって結婚した夫婦の間に生まれた子は、嫡出子として両親の戸籍に入ることになります。

内権関係の男女の間に生まれた非嫡出子は、そのままでは父親の子として扱われません。

内縁の場合は、父親との間に法律上の親子関係が認められるというわけではありません。

生まれた子は母親の戸籍に入ることになります。

父親と子供との間に法律関係が認められない以上、内縁を解消したとしても、離婚のときのような親権の問題は生じません。

内縁の父親と法律上の親子関係を発生させるためには、認知をする必要があります。

認知は父親の届出によって行なわれますから、内縁解消前には、認知を請求する必要があります。

届出の場所は、母親又は父親の本籍か住民票のある役所や役場で、戸籍謄本を添付して認知届を提出します。

内縁の相手が認知を拒んだ場合は、子の側から認知請求の訴訟を提起することができ、この訴えは、父親の死後でも3年以内なら行うことができます。

父親と子供の間に、法律上の親子関係が発生すると、子供は父親の財産を相続することができますし、養育費も請求できます。

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