内縁の夫の交通事故死の損害賠償請求・・・
法律上婚姻している夫婦の場合、妻は、損害賠償の請求をすることができます。
夫が生きていたなら得ていたであろう収入分である逸失利益の賠償を請求できます。
また、夫の自動車の修理費や病院で治療費といった、実際に支出した損害に対する賠償も請求できます。
さらに、死亡した夫本人の慰謝料を請求することができます。
これらはいずれも夫自身に発生した損害賠償請求権を妻が相続して請求するものですが、このほかに、妻独自の損害賠償請求権も発生します。
夫によって扶養されていた場合、生活費をまかなっていた夫の収入を失ったのですから、それに対する損害賠償請求ができます。
また、夫を失ったことによって受ける、妻の精神的損害に対する慰謝料請求権も生じます。
こうした損害賠償について、内縁の妻の場合は、請求できるものと請求できないものがあります。
内縁関係では、相続権がなく、法律上の配偶者でなければ相続権は認められないのです。
内縁の夫の請求権を相続することはできませんが、扶養関係があったのであれば、その分の損害賠償請求はできます。
さらに、精神的な損害についても慰謝料請求できると考えられます。
内縁の夫婦の間に子供があり、夫が認知しているのであれば、その子供には、死亡した内縁の夫を相続する権利が認められます。
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離婚後の姓の選択・・・
離婚後には、結婚していたときに使用していた姓である「婚氏」から、それ以前の姓に戻ります。
婚氏は、結婚の際に夫の姓と妻の姓のどちらかを選び、決定されます。
どちらを選んでもよいとされています。
例えば、山田花子さんが田中太郎さんと結婚して、田中花子さんになっていた場合、離婚すれば、当然に、山田花子さんの戻ります。
しかし、長い間、結婚したときの姓で社会生活を送っているような場合、結婚以前の姓に戻すのは都合が悪いような場合には、離婚してからも婚氏を名乗ることが認められています。
手続きは、「離婚の際に称していた氏を称する届」を市区町村役場の戸籍係に提出するだけです。
婚氏を続けて用いることについて、特別な理由はいりませんし、夫の同意も必要ありません。
ただし、離婚した日から3ヶ月以内に手続きを行なわなければなりません。
例えば、離婚のときに元の姓に戻して3ヶ月以上経過したが、やはり結婚していたときの姓を名乗りたい、又は、結婚していたときの姓をそのまま名乗っていたが、結婚前の姓に戻したい、などの場合には、家庭裁判所の許可を得る必要があります。
この許可を得るためには、姓を変更するための「やむを得ない事由」が必要です。
離婚の際の選択した姓を変更する場合には、通常より許可されやすいとされていますが、それでも家庭裁判所が「やむを得ない事情」と認めない場合には、許可は出ない場合もあります。
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離婚後の戸籍の変更・・・
結婚している間は、夫婦は一つの戸籍に入っています。
結婚した際に夫の戸籍に妻が入った場合に、離婚に至ると、夫はそのままその戸籍に入ったままですが、妻はその戸籍から出ます。
そして、妻は婚姻前の戸籍に戻るか、新しく戸籍を作ります。
法律上は、婚姻前の戸籍がある場合には、原則として婚姻前の戸籍に戻ります。
離婚後も、結婚していたときの姓を使用する手続きをする場合には、必ず新しい戸籍が作られることになります。
また、婚姻前の戸籍が除籍になっている、つまり、戻るべき戸籍がない場合も、新しい戸籍を作って、そこに入籍することになります。
戸籍に記載されている人が、死亡、婚姻などによって戸籍から離れ、最終的にその中に誰も存在しなくなった戸籍を、除籍といいます。
除籍は、戸籍と同じように引き続き市区町村で保存されますが、その保存期間は80年となっています。
除かれた戸籍に記載されていた人や、相続関係を証明する必要がある人などは、「除籍謄本」や「除籍抄本」を請求することができます。
また、このような特別の事情がなくても、婚姻前の戸籍に戻りたくない場合には、申出によって新しい戸籍を作ってもらうことができます。
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