契約書の当事者・・・

契約書の当事者・・・

契約書作成でまず最初にはっきりさせることは、誰を相手に契約をするかです。

契約書とは、契約の相手方に義務を負わせ、それを実行させるために、後日の証拠として使用できるように作成します。

ですので、履行を求める相手が確定しなければ、契約書を作成した意味がなくなります。

当事者を間違える場合とは、代理人と本人、法人と個人、仲介人と本人の混同などです。

契約の相手方を確認するためには、個人の場合には、印鑑証明書と実印などを確認します。

銀行は、預金通帳と届出印の持参者を本人とみなします。

契約書を作成する場合には、原則として、実印を押させ、印鑑証明書を添付させるべきで、心配であるなら実際に住民登録上の住所に行ってみて、確認することも必要です。

法人の場合は、商業登記簿謄本を取寄せることによって、本店、資本金の額、取締役や監査役の氏名、代表取締役の住所、氏名などあがわかります。

財団法人、社団法人などの公益法人、宗教法人、医療法人、協同組合なども登記があります。

ただし、民法上の組合には、登記がありませんからその組織は公示されていないことに注意が必要です。

(組合契約)
民法第667条 組合契約は、各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって、その効力を生ずる。
2 出資は、労務をその目的とすることができる。

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代理人による契約・・・

契約の当事者として権利を取得し、あるいは義務を負担する者を契約の当事者と呼び、本人です。

代理人は、当事者本人に代って契約を締結し、原則として、代理人が自分の住所氏名を表示し、かつ代理人であることを示して署名押印します。

代理人が当事者本人の印鑑をもって契約締結の場に行き、本人のように、本人の名を署名し押印するのは、署名の代理といいます。

これは、既に本人が契約の基本的な点は相手方と合意に達しており、契約書を作成することだけを任せている場合と、最初から代理人が全ての事項にわたって交渉し取り決めながらも、契約書に代理人としての表示をせず、本人の名を書いて本人の印を押す場合があります。

どちらも、本人から代理権を与えられていれば、契約は有効です。

契約の当事者が未成年の場合は、父、母が共同して法定代理人となります。

父母がいない場合は、後見人が法定代理人となります。

成年後見開始の審判があった場合も後見人が就任し、法定代理人になります。

この場合には、本人の住所氏名を記載した後、代理人の住所氏名を記載しますが、代理人の氏名の上に法定代理人であること、その法定代理権がどういう地位から生じてきたのか、父、母、後見人などという資格を記載します。

会社の代表取締役は、会社の行為全般にわたって会社を代表しますが、これは代理とは少し違い、営業部長が会社のためにその通常の営業に属する取引契約書に調印する場合は、会社の代理人であるとか、代表取締役の代理人であるなどと表示する必要はありません。

「株式会社山田工業 営業部長 佐藤太郎 印」と署名押印すれば足りるのです。

「営業部長」という役職の表示の中に、既に代理権があることを意味し、かつ会社を代理して行動していることを意味しています。

会社を代表すべき者が2人以上いる場合、原則としてその1名が契約書に表示され、調印すればよいのですが、会社によっては、2人以上の代表者が共同して行為しなければならない、と定めている場合があります。

この場合には、共同して代表する者を契約書に表示しなければなりません。

共同代表であることは、登記されていますから謄本で確認できます。

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会社と契約を結ぶ場合・・・

契約の当事者が会社である場合、記名押印や署名押印するのは、代表取締役になります。

「株式会社山田工業 代表取締役 山田太郎 印」というように記載します。

取締役が1名しかいない会社の場合、代表取締役を規定しておらず、取締役だけの場合があり、「取締役 山田太郎 印」と表示します。

これは、会社の登記簿謄本を取寄せて確認します。

社員全員が無限責任を負う合名会社があります。

合名会社の場合は、社員の中でも業務執行社員が会社を代表します。

数人いれば各自が代表しますが、代表社員を定めることもできます。

表示は「代表者業務執行社員 山田太郎」あるいは「代表社員 山田太郎」と表示されます。

無限責任社員と有限責任社員が併存する合資会社があります。

無限責任社員は法律上業務執行社員であり、かつ会社を代表します。

業務執行社員が数人ある場合には、代表社員を定めることもできます。

会社を代表すべき者が2人以上いる場合、原則として、その1名が契約書に表示され、調印すればよいのですが、会社によっては、2人以上の代表者が共同で行為しなければならない、という定めをしている場合があります。

これを共同代表の定めといいます。

この場合、共同して代表する者を契約書に全て表示しなければなりません。

共同代表であるかは、会社の謄本で確認することができます。

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