証人尋問と本人尋問とは・・・
証人とは、過去に経験した事実を供述する人をいいます。
ですので、証言の内容は、あくまでその人の経験した過去の事実です。
証人尋問の方法には、種々の制限や異議の制度があります。
嘘の証言には、偽証罪の刑罰を加えられ、偽証しないように強制されています。
また、本人尋問は、あくまでも補充的なもので、証拠だけで判断できないようなときに採用されます。
しかし、これは原則ですので、実際は最後に双方の当事者本人を尋問しますし、また証拠調べの途中でも尋問されます。
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証人尋問申出書と尋問事項ひな形・・・
平成**年(ワ)第***号 貸金請求事件
原告 山田太郎
被告 鈴木一郎
証拠申出書
平成**年**月**日
**地方裁判所民事第*室*係 御中
原告 山田太郎 印
第1 証人尋問の申出
1、人証の表示
〒***-**** 東京都***********
田中次郎
2、証すべき事実
別紙尋問事項記載の通り
第2 本人尋問の申出
1、被告本人の表示
鈴木一郎(主尋問30分)
2、証すべき事実
原告主張事実のうち****の事実
3、尋問事項
別紙の通り
別紙
尋問事項(証人 田中次郎)
1、証人と原告、被告との関係
2、*****の場に立ち会ったことがあるか
3、*****の事実を知っているか
4、その他上記の関連する事項一切
以上
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証人申請の手続とは・・・
証人や当事者の尋問申出は、口頭でもよいのですが、実務では書面で申し出ます。
証人が何人であろうと、証拠申出書に記載して申し立てることができますし、また同じ書面で同時に証人尋問のほかに、本人尋問や鑑定申請や文書提出命令の申立もできます。
申出書は正本と副本と控えが必要です。
事前に書記官に提出しますが、弁論期日に法廷で提出することもできます。
予定の尋問事項を同時に添付して出しますが、これは証人呼び出しの際に同封しますので、申出書よりも1通多く提出します。
尋問事項は各証人ごとに作成し、それぞれ尋問したい事項を箇条書きにして記載します。
当事者の尋問である人証尋問は、これに記載された事項について採用されますから、尋問事項にない事項の尋問は相手方から異議が出る可能性があります。
ですので、箇条書きの最後には、「その他関連事項」と記載します。
これで関連事項なら尋問できますが、訴状や準備書面で主張していない無関係の事実については、尋問を制限されることもあります。
この尋問事項書は証拠申出書に綴じます。
証人などに渡す分だけは、はさんで裁判所に提出します。
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証人の呼出と費用は・・・
証人の申請があると、裁判長は、どの証人を調べるかと日時を決めます。
この決定の際、証人尋問に要する時間を聞かれますから、申請書にあらかじめ記載しておきます。
証人のうち誰を次回に取り調べるかを決定した後で、裁判長又は書記官から「証人は呼び出しますか、同行しますか」と尋ねられることがあります。
同行とは、裁判所から通知せずに申請した側が責任を持ってこれを通知し、出頭させることをいいます。
この場合は宿泊費や日当は直接本人が支払います。
これに対し、呼出は、裁判所からいつ、どういう事件の証人として出頭するように、との呼出状を送付する方法です。
この場合には、郵送料をすぐに納めることになります。
証人と特別な関係がないときや、証人が勤務先を休むために上司の許可が必要というときなどは、呼出により裁判所の呼出状を出してもらうほうが適切です。
国民は誰でも、裁判所の呼び出しがあれば特別の例外を除き、出頭し証言する義務があります。
証人には、ほぼ実費程度に交通費と宿泊費と相当の日当が支払われます。
これらの費用は、証人を申請した側が一時負担しておくことになっており、期日前に概算額を予納しなければなりません。
最終的には、負けた側が訴訟費用は負担します。
証人との打合せとは・・・
期日前に、証人と打ち合わせをすることは大切な事です。
訴訟が有利に円滑に進ませるために、証人と面会して、事実を確かめておく事が認められています。
これによって証人の知っていること、証言の内容がわかります。
証言されるであろう内容を知っていれば、有利な証言だけを引き出す事も可能です。
これを利用して証人を買収して有利な証言を引き出そうとしたり、偽証を頼むこともできます。
ただし、それは偽証の罪や偽証教唆の罪になりますので、結果的には良い結果にならないでしょう。