訴訟の原告と被告とは・・・
訴状を出して訴訟を起こす者が原告です。
その相手方が被告です。
刑事事件では被告人といわれますが、被告と被告人では全く意味が違います。
そして、原告と被告とを当事者といいます。
裁判官や証人は裁判に関係していても当事者ではないわけです。
ですので、原告も被告も、本人自身が原告・被告として行動しなければなりません。
訴訟を起こそうとして、被告の居所がわからない場合や相手が夜逃げをした場合、訴訟を起こすことができません。
この場合には、住民票又は戸籍の付表をとり、追跡します。
これらを取るには正当な理由が必要です。
それでも居所がわからず送達できない時は、公示送達という方法があります。
しかし、公示送達しなければならないような時は、取り立てるものはない場合が多いです。
住所がわかっていて家財道具もあり、家族も居り、本人がいない場合、この場合には訴状を出します。
この場合には、送達ができますから、その家族が訴状を受け取っていながら被告が出頭しなければ、欠席のまま原告が勝訴します。
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訴訟能力とは・・・
未成年者は自分自身で訴訟をすることはできません。
未成年者の出した訴状は無効です。
ですので、未成年者名義の家屋の訴訟などは、その未成年者を原告としながら、親が法定代理人として訴状に名を連ねて、法定代理人が訴訟行為をしていくことになります。
法定代理人なしに、直接、未成年者を相手に起こした訴訟も無効です。
そのことが明らかになれば、訴えは却下されますし、誤って判決があっても、手続が最初から無効ですから再審で争うことができます。
心神喪失の状態にあり、自分で財産を管理する能力のない後見を受ける者も未成年者と同じで、自分で訴訟行為をすることはできません。
成年後見人が法定代理人として訴訟行為をすることになります。
被保佐人は保佐人の同意があれば自分で訴訟行為をすることができます。
このように自分で訴訟行為ができない者を訴訟能力ないの者といい、自分自身で訴訟行為ができることを訴訟能力があるといいます。
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訴訟要件とは・・・
原告と被告になるには、まず訴訟能力のあることが必要ですが、それだけでどんな訴訟でも起こせるというわけではありません。
自分に関係のないことでは、訴訟を起こせないのです。
例えば、友人が貸したお金を返してもらえず、それに感情移入し、相手方に対し、友人にお金を返せという訴訟を起こしたとしても、無関係な者が起こした訴訟として却下されてしまいます。
そのような場合には、その友人自身が訴訟を起こさなければならないのです。
また、奥さんが権利を持っているとき、旦那が原告となって訴訟を起こすこともできません。
奥さんが権利を持っている場合は、奥さんが原告にならなければならないのです。
このように、ある権利について、当事者となって訴訟をすることのできる権能を訴訟追行権又は当事者適格といいます。
また、自分のことであっても、訴えの利益がない場合も同じです。
遺言に自分のことが書かれていないので、父親の筆跡ではないと、遺言無効の訴訟を起こしても、実は別に遺産があり、遺言があろうが無かろうが自分の相続分も実際の取り分も変わらない場合には、訴えの利益がないことになります。
そのことを被告が主張立証すれば訴えは却下されます。
遺言で権利を侵害された者だけに訴えの利益があるのです。
訴えの利益も訴訟要件なのです。
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法定代理人の訴訟とは・・・
未成年者や成年後見人は、訴訟能力を有せず、自分で訴訟行為をできません。
しかし、未成年者の権利はその未成年者の権利で、親のものではありませんから、親は訴訟追行権を有せず、自分で原告や被告にはなれません。
このような場合、原告は、その未成年者や成年後見人の代理人とされている親権者や後見人が法定代理人として、代わって行うことになります。
訴状を書くときでも、その他の書面を出す時でも両者を並べて記載します。
もし法定代理人がいない場合には、裁判所へ特別代理人の選任を申し立てることができます。
子供でもなければ、成年後見人でもないが、誰かに代理を頼みたい場合、地方裁判所での訴訟は、弁護士でないと代理人になれません。
しかし、簡易裁判所では弁護士や一部の司法書士などの法律で代理権が認められている専門家のほか、法定代理人や委任状を持つ者は、裁判所の許可を得れば訴訟の代理人になることができます。
ただし、むやみな他人の時は、裁判所が許可しません。
許可申請書には、委任状を添付します。
申請が許可されれば、以後その者が代理人として訴訟を進めることができ、本人は出頭しなくてもよくなります。
地方裁判所、簡易裁判所を問わず、裁判所の許可を得て、身内の者などを補佐人にすることもできます。
補佐人は、本人と共に出頭した場合にのみ本人のために陳述できます。