離婚後の親族関係の変化・・・

離婚後の親族関係の変化・・・

結婚すると、配偶者の両親や兄弟姉妹との間には姻族関係が生まれます。

しかし、離婚によってそれも解消されることになります。

民法では、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族を親族と定めています。

出生によって血縁関係にある者同士を「血族」といい、配偶者の血族を「姻族」といいます。

親族関係の遠近を表す単位を「親等」といいます。

(親族の範囲)
民法第725条 次に掲げる者は、親族とする。
1.6親等内の血族
2.配偶者
3.3親等内の姻族

舅や姑は、妻にとって1親等の姻族に当たりますが、離婚によって姻族関係は解消されるので、親族関係も消滅します。

民法では、妻は3親等以内の親族に当たる舅や姑を扶養する義務を負わされることがあります。

(扶養義務者)
民法第877条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
2 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、3親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
3 前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。

離婚によって親族関係がなくなれば、舅や姑を扶養する義務はなくなります。

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女性の再婚の制限・・・

女性の場合は、再婚について法律上の制限があります。

離婚した女性が再び結婚するためには、離婚してから6ヶ月を経過しなければならないことになっています。

(再婚禁止期間)
民法第733条 女は、前婚の解消又は取消しの日から6箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2 女が前婚の解消又は取消しの前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。

離婚してからすぐ結婚すると、その女性が妊娠した場合に、その子が前の夫の子なのか、現在の夫の子なのかがわからなくなるために再婚禁止期間が設けられているとされます。

妊娠中の子供が、どちらの子であるかわかる次の場合には、再婚禁止期間の制限はありません。

①離婚のときに既に妊娠していて、妊娠した子が前の夫の子であることが明らかである場合には、その子が生まれたときから再婚できます。

②女性が離婚した前の夫と再婚するような場合や、夫の生死が3年間以上不明であることを理由に離婚判決を得た場合にも、再婚できます。

再婚禁止期間に婚姻を行なおうとして婚姻届を提出しても、戸籍事務担当者によって受理が拒否されます。

誤って受理された場合は、再婚した当事者、親族、検察官、前の配偶者などが、婚姻の取消を求めることができます。

取消しは、訴訟又は審判によって行ないます。

離婚から6ヶ月が経過した場合や、女性が再婚後に妊娠した場合には取消を求めることができなくなります。

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財産分与の除斥期間2年・・・

財産分与とは、夫婦が婚姻中に協力して得た財産を、離婚の際、又は離婚後に分けることをいいます。

一方の配偶者に対して財産分与を請求することは、権利として認められています。

妻が財産の分与を求めれば、夫がそれを拒否することはできないとされます。

(財産分与)
民法第768条 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2 前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から2年を経過したときは、この限りでない。
3 前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。

財産分与を請求する権利は、2年間の除斥期間が経過することで消滅します。

離婚から2年間経つと、財産分与の請求ができなくなるのです。

一定の期間の経過によって、その権利を消滅させることを「除斥」といい、それまでの期間を「除斥期間」といいます。

時効期間と似ていますが、期間の進行を中断できない点で違います。

また、除斥期間ついては、裁判所が一方的に除斥期間経過の認定ができます。

時効の場合は、時効が成立したことによって利益を受ける者が、その事実を主張しなければなりませんが、除斥の場合は、不要です。

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