嫌がらせ電話の相手に慰謝料請求・・・

嫌がらせ電話の相手に慰謝料請求・・・

夜中に電話が何度となくかかってきて不眠症になってしましました。

このような相手を見つけ出して、慰謝料など請求できるのでしょうか?

電話の嫌がらせの内容について、無言や、悪口をいわれる場合、脅迫のようなことを言われる場合、わいせつ目的の場合などがあるようです。

嫌がらせの内容が、被害者やその親族の生命・身体・自由・名誉・財産を害する旨告げるような場合には、実際にはその内容を実行する意思はなかったとしても、脅迫罪が成立しますから、刑事告訴できます。

民事上の損害賠償である慰謝料も請求できます。

被害者が飲食店などである場合に、嘘の注文をするような電話は偽計による業務妨害罪に該当し、これも刑事告訴できます。

嘘の注文によって損害を受けた分を賠償請求することもできます。

歯科医院に対し、4ヶ月の間に6000回、多い日には1日250回の無言電話をかけ続けたことが威力による業務妨害罪に該当するとされた事例があります。

嫌がらせの内容自体が直ちに犯罪に該当するとはいえない場合で、無言やわいせつなことをいうような電話の場合でも、それが度重なることにより、被害者が病気になったりしますと傷害罪が成立する可能性もあります。

加害者が約半年間ほぼ連日にわたり無言の嫌がらせ電話をかけ続け、そのため被害者が加療約3週間を要する精神衰弱に陥った事例では、傷害罪の成立を認めました。

知人の女性に500回以上も無言電話をかけ、被害者に心的外傷後ストレス障害であるPTSDを負わせたとして傷害罪により加害者を有罪とした事例もあります。

傷害罪は、身体を損傷する場合の他に、病気にならせるなど生理的機能を害する場合にも成立します。

しかし、医者の治療を要しないような、軽微な一時的な害は該当しないとされています。

不眠症でも医者の治療を要するほどの症状であれば傷害罪が成立します。

被害者としては、加害者にその旨を警告し、実際に警察署に相談することもできます。

民事上の損害賠償請求は、刑事上の犯罪にあたるかどうかにかかわらず、請求できます。

治療費、薬代、通院交通費などの実費の他に、症状の程度及び治るまでの期間に応じた慰謝料も請求できます。

パソコン通信で他人に対する侮辱的書き込みをした者に不法行為責任を認めた事例があります。

嫌がらせ電話の加害者を見つけ出す方法ですが、犯罪が成立しうるほど悪質な事案は、犯人不詳のまま告訴でき、警察に捜査してもらえます。

ただし、告訴できるほど悪質でない場合には、実は犯人を見つけ出すことはできないのが現状です。

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異性間の金銭の貸し借り・・・

友人、特に愛情関係のからむ異性間の友人の金銭の貸し借りは、返還日等の合意もなく契約書なども作成しない場合がおおくあります。

その愛情関係が冷めてくると、借りたほうがなかなか返さない場合には、証拠となるものがほとんどないため、返還請求できないことがあります。

返還日の合意のない金銭の貸し借りは、貸主が相当な期間を定めて催促すれば、その期間の満了したときが返還すべき時期になります。

利息について合意がなければ利息の請求をすることはできませんが、返還すべき時期を過ぎた後は利息相当の遅延損害金の請求をすることができます。

遅延損害金の利息は民事では年5%、商事では年6%です。

借りた方が、借りたことは認めるが、弁済を待って欲しいなどという場合には、お金の貸し借りがあったことを証明する書面を作ったり、できれば公正証書にします。

相手方がお金を借りたことを認めない場合は、貸した方がそれを証明しなければなりません。

証拠としては、相手方との会話を録音したり、メールに内容、相手の銀行口座に振り込んだ振込用紙、自分の貯金を解約したときの種類など、とにかく関連するものを集める必要があります。

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酔った者同士のケンカの損害賠償・・・

友人と居酒屋でお酒を飲んでいた時、隣の客との間で口論となり、押し問答の末、相手が倒れてケガをしていましました。

後日、相手から損害賠償の請求をされたのですが?

ケンカになる事情について主な原因のある一方が先に手を出しその後も攻撃的なため、相手がそれを防衛するために応戦したような場合には、正当防衛とされることもあります。

電車の席の取り合いが原因で、一方の行為が不法行為となるとして損害賠償である慰謝料5万円と眼鏡の修理代を命じ、かつ防戦に応じた他方の行為については正当防衛とした事例があります。

一方的な攻撃とその防衛行為であるとされないような場合には、双方の行為が不法行為となります。

不法行為となる場合には、相手の治療費、休業補償、慰謝料などを賠償しなければなりません。

ただし、ケンカですから相手にも非があり、相手の請求額について過失相殺を主張できます。

ケンカの過失割合は、ケンカになった事情、双方の行為の態様、損害の程度に判断されます。

会社の同僚同士のケンカで、酔った相手から悪口を言われ殴られたことに、熱くなって殴り返したところ、相手がアスファルト道路に転倒して頭を打ち、救急病院に運ばれたが担当医の誤診もあって植物状態になってしまった事実について、約1億円の損害の発生を認めた上で、3割の過失相殺とした事例があります。

相手の酩酊がひどく、もし押したりすれば体の平衡を保てないことが明らかであるような場合には、他方には押したりしてはいけないという注意義務が課されますからあえて押した当事者の過失相殺は高いとされます。

また、相手が素手であるのに、道具を持ち出しても過失相殺は高くなります。

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放された犬に噛まれた損害賠償・・・

隣の家の犬が放されており、道路に飛び出してきて足をかまれケガをしました。

病院へ通院しているのですが、損害賠償請求できますか?

他人が飼育する動物によって被害を受けた者は、その飼い主に対して損害賠償請求をすることができます。

ただし、飼い主は、その動物の種類、性質に従って通常の注意義務を尽くしていたにもかかわらずその動物が他人に害を与えたものであることを証明できたときには責任を負いません。

大型犬を飼う者は、通常道路に飛び出さない長さのしっかりしたリードでつなぎ、散歩などさせて犬の精神状態に気を配るなどの注意を必要とします。

その犬が以前にも他人を噛んだことがある場合には、飼い主にはより強い注意義務が課されます。

散歩中の犬が人の背後から吠えただけであるが、被害者が先天的股関節脱臼のため、歩行困難で転倒しやすくさらに転倒すればけがをしやすい老婦人であった事件で、犬の飼い主は犬が公道でみだりに吠えないように調教する注意義務があるとして、加害者に慰謝料、治療費などの支払を命じた事例があります。

道路を歩いていて、いきなり犬に噛みつかれた場合には、何の落ち度もありません。

この場合には、治療費、通院交通費、慰謝料などを請求できます。

この他に休業補償も考えられ、通院するのに勤務先を休み、給料の支払を受けられなかった場合には、その金額が損害となります。

主婦の場合で家事労働をできなかった場合には、自賠責保険の損害査定で利用される休業損害額1日5500円かあるいはその年齢の女子平均賃金を前提として、家事労働できなかった日数の休業損害額を計算します。

傷跡が後遺症になるかについて、一般に醜状痕が顔、頭、首などの日常露出されている部分にできた場合は男子と女子とでは後遺症の等級に差異があります。

同じ程度の醜状痕であっても女子の方が後遺症の等級が重く、慰謝料も高くなります。

日常露出する部分に手のひら大の大きさの醜状痕が残った場合に14級という後遺症に該当するとされます。

日常露出しない部分については、そのほとんど全域にわたるような醜状痕が残った場合に14級に該当するとされます。

醜状痕の後遺症の場合、慰謝料は請求できますが、逸失利益は請求できないものとされております。

労働能力に影響がないからです。

ただし、モデルや俳優などの職にある者が醜状痕の後遺症を受けた場合には、逸失利益を認めているようです。

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