強姦の告訴と慰謝料請求・・・

強姦の告訴と慰謝料請求・・・

強姦罪は被害者が告訴をしなければ犯人を処罰することができない親告罪です。

しかし、強姦された際に傷を負ったりあるいは殺されたりした場合には親告罪ではなくなります。

輪姦の場合も同じです。

強姦されたということは精神的、肉体的に苦痛が酷いものですが、警察に告訴しなければ犯人は処罰されないことになります。

刑事裁判も公開の法廷で行なわれますので、犯人が起訴されることになれば被害者の氏名を秘密にしてもらうわけにはいきません。

ただ、犯罪自体に争いがなければ、証人として法廷に呼ばれて証言させられることはありませんし、犯人が仮に争ったとしても警察や検察庁で述べた供述録取書で犯罪の立証ができる場合もあります。

また、証人尋問の際には証人を別室で待機させ、法廷の裁判官がテレビモニターを使って証人尋問をすることもできます。

民事の損害賠償請求については、裁判にかける必要はなく、加害者が事実を認め賠償金を任意に支払えばそれで実現します。

損害賠償については何らかの請求をしないでいると、3年で消滅時効にかかります。

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刑事上と民事上の正当防衛・・・

他人の不法な侵害行為に対してとっさに出る反撃を正当防衛といい、自己保存本能であり、復讐とは異なり現代社会においても違法な行為とはされていません。

刑法上正当防衛が認められているのと同様に民法上も正当防衛が認められており、不法行為における違法性を阻却されて損害賠償義務はないとされています。

(正当防衛及び緊急避難)
民法第720条 他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。
2 前項の規定は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合について準用する。

ただし、正当防衛ついて、刑法上と民法上は完全に一致しません。

ナイフを持って襲ってきた相手から逃げ、他人の家に逃げ込み、塀や植木鉢を壊した場合、刑法上は正当防衛ではなく、緊急避難といい、民法上は正当防衛とされます。

刑法上は侵害者に対する反撃のみを正当防衛とするのに対し、民法上は侵害者以外の第三者に対する防衛行為も正当防衛とされます。

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従業員の使い込みで身元保証人へ請求・・・

営業部から経理部へ転属させた従業員が、会社のお金を使い込んでいることが発覚したのですが、その従業員には貯金も何もなく、身元保証人に賠償してもらいたいのですが?

従業員を雇い入れる際に身元保証人を要求していますが、これは身元保証に関する法律に規定され、身元保証契約は期間の定めがない場合有効期間は原則として3年で、商工業見習い者については5年とし、特約があったも5年を超えることはできず、更新の場合にも5年を超えてはできないとされます。

使用者は、従業員に業務不適任又は不誠実な事跡があって保証人の責任が生じる恐れがあることを発見したときのほか、従業員の任務・任地の変更により保証人の責任が加重されるか、又は従業員の監督が困難となるときは保証人に通知しなければならないとされています。

この通知を受けてあるいは通知を受けないでも、このような事実を知ったとき保証人は将来に向かって身元保証契約を解除することが認められています。

任務変更について、身元保証人に通知していなければ、それについて、身元保証人の責任の有無及びその金額を定めるについて裁判所が判断する一切の事情の1つとして斟酌されることになります。

裁判所が斟酌すべき事情としては、他に使用者の監督の適否や身元保証人が保証人になるに至った事情がなどがあります。

従業員の使い込みについての身元保証人の責任を考えるに当たっては、部署の変更の通知の有無、使い込みが会社側でわからなかった原因等の使用者の監督の適否、身元保証人になったいきさつなどを総合的に判断しなければなりません。

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営業妨害の告訴と損害賠償・・・

当社の売っている駅弁が不衛生であると噂が広がっており、それは事実無根で、その噂の原因を調査会社に頼んで調べてもらうと、同じ駅で駅弁を売っているA社が噂を流していることが判明しました。

A社を告訴すると共に、損害賠償の請求をしたいのですが?

刑事事件として告訴する場合でも民事事件として損害賠償請求訴訟を起こす場合でも、A社が虚偽の噂を流しているという証拠が必要になります。

事実を調べずに告訴したり損害賠償請求訴訟を起こしたりしますと、誣告罪(ぶこくざい)として逆告訴されたり、不当な訴訟提起として相手方から損害賠償請求を起されることになります。

A社の営業業務妨害行為が間違いないならば、警察に業務妨害罪で告訴することができます。

警察の捜査が始まることによってA社の妨害行為がやむかもしれませんし、場合によっては、示談金を払うから告訴を取消して欲しいと申入れしてくる可能性もあります。

しかし、すでに営業に支障が生じており、緊急性がある場合には、「駅弁の衛生管理について虚偽の事実を口頭又は文書で第三者に言いふらしてはならない。」として仮処分命令を求めることができます。

本件の場合には、不正競争防止法に基づいて妨害行為の差止め請求や信用回復のための謝罪広告を求めることができます。

この差止め請求権に基づいて、仮処分命令が発令されます。

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