外国人と婚姻した戸籍の記載・・・
外国人と結婚した人が、配偶者の氏を称したい場合には、結婚の日から6ヶ月以内に限り、家庭裁判所の許可を得なくても、市区町村長に届出をすれば、配偶者の氏に変更することができます。
戸籍法第107条 やむを得ない事由によつて氏を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。
2 外国人と婚姻をした者がその氏を配偶者の称している氏に変更しようとするときは、その者は、その婚姻の日から6箇月以内に限り、家庭裁判所の許可を得ないで、その旨を届け出ることができる。
3 前項の規定によつて氏を変更した者が離婚、婚姻の取消し又は配偶者の死亡の日以後にその氏を変更の際に称していた氏に変更しようとするときは、その者は、その日から3箇月以内に限り、家庭裁判所の許可を得ないで、その旨を届け出ることができる。
4 第1項の規定は、父又は母が外国人である者(戸籍の筆頭に記載した者又はその配偶者を除く。)でその氏をその父又は母の称している氏に変更しようとするものに準用する。
この届出がなされた場合、その人が戸籍筆頭者でない限り、その人について新戸籍が編製されます。
その戸籍に記載される外国人の氏は、漢字を使わない国の場合は、カタカナで記載されます。
外国人である配偶者については外国人登録がなされますから、夫婦が同じ戸籍に登録されることはありません。
戸籍の身分事項に誰と結婚しているかが記載されます。
離婚や配偶者の死亡、婚姻の取消があった場合、氏を元の氏に変更したい人は、3ヶ月以内に限り、家庭裁判所の許可を得なくても、市区町村長に届出をすれば元の氏に変更することができます。
外国人と日本人の間に生まれた子供については、父母のどちらかが日本人であれば、その子供は日本国籍を持ち、日本人の父又は母の戸籍に登録され、その氏を名乗ります。
子供の父母欄には父母の氏名が記載されます。
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氏や名を変更したい・・・
最高裁は、氏名について次のように述べてます。
氏名は、その人を他人と区別するための「個人の呼称」であり、その上にその人の個人としての尊厳が築かれ、他の人はその成果を象徴するものとしてその人の氏名を尊重するのです。
その意味で、氏名は人格の象徴として人格権の内容を成すものです。
として、その変更はみだりに許されるべきではないとされます。
しかし、本人がその氏名を不都合と感じ、そのことが社会的にも是認されるならば、他の氏名に変更することも認めるとしています。
戸籍筆頭者及びその配偶者は、氏の変更の許可を求めて家庭裁判所に申立をします。
戸籍法第107条 やむを得ない事由によつて氏を変更しようとするときは、戸籍の筆頭に記載した者及びその配偶者は、家庭裁判所の許可を得て、その旨を届け出なければならない。
2 外国人と婚姻をした者がその氏を配偶者の称している氏に変更しようとするときは、その者は、その婚姻の日から6箇月以内に限り、家庭裁判所の許可を得ないで、その旨を届け出ることができる。
3 前項の規定によつて氏を変更した者が離婚、婚姻の取消し又は配偶者の死亡の日以後にその氏を変更の際に称していた氏に変更しようとするときは、その者は、その日から3箇月以内に限り、家庭裁判所の許可を得ないで、その旨を届け出ることができる。
4 第1項の規定は、父又は母が外国人である者(戸籍の筆頭に記載した者又はその配偶者を除く。)でその氏をその父又は母の称している氏に変更しようとするものに準用する。
家庭裁判所は、同じ戸籍に登録された15歳以上の人の意見を聴かなければなりません。
氏の変更は、その戸籍に登録された全員に及ぶからです。
家庭裁判所の許可が得られた場合、戸籍筆頭者及びその配偶者が市区町村長に届出をすれば、そのときから氏が変更されます。
名の変更については、それを希望する本人が家庭裁判所の許可を得て、市区町村長に届出をすれば、そのときから名が変更されます。
家庭裁判所の許可は、氏の変更については「やむを得ない事由」があると認められた場合、名の変更については「正当な事由」があると認められた場合になされます。
氏の変更は、極端に難しい、奇妙である、読みにくいなどの社会生活上支障がある場合に認められることが多く、長年のあいだ通称を使用していた場合にも認められる事例があります。
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祭祀財産の承継方法・・・
祭祀財産の所有者が死亡した場合には、その人の指定、慣習、家庭裁判所の調停・審判、の順に従って、祖先祭祀主催者を決定し、その主催者が祭祀財産を承継します。
(祭祀に関する権利の承継)
民法第897条 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。
祭祀財産承継者が、離婚、婚姻の取消、養子の離縁、縁組の取消によって元の氏に復した場合、あるいは配偶者の死後、元の氏に復したり、姻族関係終了によって配偶者の血族との姻族関係を断った場合には、当事者や利害関係者の協議によって、新たな承継者を決定します。
それで決まらない場合は、家庭裁判所の調停・審判によって新たな承継者を決定することになっています。
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祭祀主宰者指定の判例・・・
太郎は死亡した妻花子との間に4人の子供を、後妻和子との間に1人の子をもうけました。
太郎は理容業を営んでいましたが、花子の子は家を出てしまったので、太郎は和子との子を可愛がり、大学進学をあきらめさせて理容業の修行をしてもらって後継ぎとし、設備も改装し、生前に名義も変更しました。
祖先祭祀もこの子に託し、一緒に祖先祭祀をしていました。
太郎がなくなったとき、花子との子の長男が祖先祭祀をすると主張したの対し、和子との子は前々から太郎と一緒に祖先祭祀をしていたのだから、自分が祭祀の主宰者だと主張しました。
一審の裁判所は、長男が祖先祭祀者であるとしました。
これに対して高等裁判所は、太郎が理容業の後継ぎとして店を譲った子を、祖先祭祀の主宰者として指定したものとしました。
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