手付金と内金の違い・・・

手付金と内金の違い・・・

手付金は不動産の売買に多く行われており、民法では、手付金に解約手付けとしての性質を認めています。

(手付)
民法第557条 買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
2 第545条第3項の規定は、前項の場合には、適用しない。

(解除の効果)
民法第545条 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。
2 前項本文の場合において、金銭を返還するときは、その受領の時から利息を付さなければならない。
3 解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げない。

買主は売主に支払った手付金を放棄し、売主は手付金の倍額を返還して、契約を解除することができます。

ただし、これにによる解除は、時期の制限があり、当事者の一方が契約履行に着手した後では、解除権の行使は認められません。

履行に着手するということは、契約によって定められた債務を履行することに手をつけ始めたことをいいます。

内金は代金の一部のことですから、手付金と違って、当事者が契約解除権を保留するための手付金とは違います。

不動産売買の手付金については、5%から20%ぐらいの範囲で行われているようです。

不動産売買契約の中には、「買主において不履行のときは手付金は売主が没収し、売主において不履行のときは、手付金の倍額を償還して損害賠償とする」という規定をおいている場合があり、手付金は損害賠償の予定額とされます。

手付金に基づいて契約解除した場合は、当事者双方に不履行がない場合ですから、別途損害賠償の請求をすることはできません。

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印紙を貼らない契約書の有効性・・・

契約書その他取引上作成される文書に貼る印紙は、税金の納入の一方法として貼るものです。

印紙を貼る義務は、印紙税法によって規定されています。

契約書に印紙を貼らなかった場合に、その契約書の効力に影響があるかどうかについては、契約書の効力には影響はありません。

印紙を貼る義務は、契約書に押印した当事者が、国に対して税金を納付するという義務に過ぎませんから、契約の成立や内容とは無関係です。

裁判所に、証拠として提出された契約書に印紙が貼ってなかった場合にも、契約の成立や内容の有効性を問われることはありません。

ただし、両当事者ともに契約書に記名押印はしたが、最終的に意思の合致が見られないため、印紙を貼らなかったという特別の事情がある場合には、その契約書の効力が問題にされます。

印紙税法では、契約書等に相当の金額の印紙を貼り、文書と印紙の彩紋にまたがって消し印しなければなりません。

不足していた場合などは、不足額の3倍相当の過怠税を支払わなければなりません。

故意に免れた場合には、1年以下の懲役、20万円以下の罰金という刑罰が定められています。

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基本契約と個別契約・・・

基本契約は、継続的取引契約として、一定の期間行われる商品売買等の契約の基本方針を定めるものです。

個別契約は、注文書等で契約の申込がなされ、それに対して請書で承諾されるという形式で行われています。

基本契約の内容は、商品の製造元、発売元等が、代理店、特約店に対して課する義務がその主なるものです。

基本契約は単に商品売買に限られず、下請業者に対する委託加工取引についても、継続して加工を請け負ってもらうことを主目的として基本契約締結されます。

銀行から継続的に手形取引、あるいは証書貸付等の方法で金融を受ける時も、銀行取引契約という名の基本契約が締結されます。

基本契約には、連帯保証の条項、担保の条項が付加され、この場合は、すべて根保証、根担保、根抵当というように、現在及び将来にわたって発生する債務を担保、若しくは保証するという契約になります。

基本契約の大部分は、製造元、総発売元等の力の強い企業が代理店、特約店管理のために作るものです。

そのため、これらの基本契約の解除条項も、商品の供給者側に都合のよいように規定されています。

しかし、商品供給者側に商品供給義務がありますから、一方的な理由で解除はできません。

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