他の債権者から抵当権の実行・・・
担保に取っていた不動産を、抵当権設定していた他の債権者に競売の申立をされたのですが?
取っている担保が抵当権である場合には、その順位にしたがって、順に配当を受けることができます。
配当を受けるためには、裁判所から配当要求の終期に関する通知によって債権届の催告がなされますので、これに従って、債権を届け出ます。
この届出を怠ったり、事実と違う届出をすると、それによって損害が生じた場合には、賠償しなければならなくなります。
担保不動産が売却されますと、債権計算書提出の催告がなされますから、配当期日までの利息などを計算した上で届け出ます。
配当期日に裁判所に出頭して、配当表を確認して配当金を受領することになります。
取っている担保が根抵当権である場合には、手続き的には抵当権と同じです。
根抵当権固有のこととしては、当該不動産に対しての他者の申立による競売手続きの開始があったことを知ってから2週間が経過すると、担保すべき元本が確定します。
また、手形小切手債権を被担保債権としている場合であっても、競売申立があったことを知った後に取得した手形小切手については担保されません。
取っている担保が仮登記担保権である場合で、競売の申立が、仮登記担保権者に清算金の支払債務がある場合で、かつ、その弁済がなされる前になされた場合、清算金の支払債務がない場合で、かつ、清算期間の経過前になされた場合には、仮登記担保権の実行はできなくなり、仮登記担保は抵当権とみなされ、競売手続きに参加して、配当を受けることになります。
反対に、競売の申立が、清算金の弁済後、あるいは清算期間の経過後になされた場合には、仮登記担保権の実行のほうが優先し、所有権の取得を主張できます。
仮登記担保権と抵当権の両方を有している場合には、どちらの権利を実行するかは自由ですが、いったん抵当権の実行を選択すると、仮登記担保権の実行は許されなくなります。
被担保債権を特定しないでなされた仮登記担保は競売手続きにおいては、本登記請求権も優先弁済権も認められません。
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根保証契約の更新・・・
ある特定の債権についての保証は、当該債権が消滅するまで継続させるのが当事者の意思ですから、特に保証期間を定めません。
これに対し、ある一定の関係に基づいて継続的に発生する債権についての根保証の場合は、保証人の責任の範囲が過大となる可能性があるので、保証期間の定めがされます。
判例では、保証期間の定めがない根保証の場合であっても、相当期間が経過した場合や、債務者の資産状態の急激な悪化など、保証契約締結の当初に予想できなかった特別な事情がある場合などは、保証人が保証契約を解除することが認められています。
連帯保証契約に更新に関する合意がある場合には、契約の原則として連帯保証契約は継続しますが、更新が繰り返されて期間が長期になる場合や、債務者の資産状態が悪化しているのにもかかわらず継続的取引を続けた場合などは、更新条項の存在のみをもって連帯根保証契約の主張しても、制限される場合があります。
ですので、期間満了の都度、連帯保証契約を結ぶのが無難です。
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保証契約の相続性・・・
特定債権の保証債務については、相続人に相続されます。
これに対し、根保証債務については、判例は、保証限度額と期間の定めのない場合には、相続後に発生した債務に関しては、相続によって移転しないとしています。
相続前に既に発生していた債務についての保証債務は相続されることになりますし、保証債務の限度額が定められている場合には、相続性が必ずしも否定されるものではありません。
根保証債務については、その相続性が完全に認められるわけではありませんから、取引を継続するためには、主債務に対して、代わりの保証人を立てるように請求することが必要になります。
また、継続的な保証債務である身元保証については、原則として相続性は否定されるとされます。
例外的に、相続人と被用者間に、保証人と被用者間におけると同様の信頼関係がある場合に相続性が認められるとされます。
賃貸借契約における賃借人の債務の保証の相続性については、判例では、相続後に生じた賃料債務についても相続性を認めています。
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