株式会社の特別清算と会社整理・・・

株式会社の特別清算と会社整理・・・

特別清算は、商法に規定された清算型の倒産手続きです。

解散して清算中にある株式会社にのみ適用され、清算の遂行に支障のある事情や債務超過の疑いがあるとき、債権者、清算人などの申立により、裁判所が特別清算開始決定をします。

これによって清算人が特別清算人となり、協定案を作成して債権者集会に申し出て、出席債権者の過半数かつ総債権額の4分の3以上の多数で同意すると可決します。

裁判所が、これを認可すると、協定の効力が発生し、反対債権者にもその効力が及ぶことになります。

会社整理は、商法に規定された再建型の倒産手続きで、株式会社のみを対象とします。

裁判所の監督の下で行う任意整理のような手続きであり、支払不能又は債務超過に陥るおそれないし疑いがあると認められるとき、取締役・監査役などの申立により、裁判所が会社整理の開始決定を出します。

裁判所は、開始決定前に、保全処分により会社財産を確保するとともに、検査役や監査委員を選任して、整理の見込などについて調査させます。

開始決定の後は、代表取締役又は裁判所によって選任された管理人が、会社再建のための整理計画案を作成し、全債権者の同意を取り付けます。

整理案が裁判所に提出され、問題がなければ、整理計画案の実行命令が発令されます。

整理が終結し、又はその必要がなくなったときは整理終結決定がなされますが、途中で再建不能が明らかになれば破産に移行します。

スポンサードリンク

会社更生法と債権回収・・・

会社更生法は、株式会社についてのみ適用され、大規模倒産に対処するために制定された倒産手続きです。

破産の原因となる事実が生ずるおそれがある場合、または弁済期のある債務を弁済するとすれば、その事業の継続に著しい支障を来すおそれがある場合に、会社又は一定の要件を満たす債権者、株主が裁判所に対し更正手続開始の申立をします。

裁判所は、調査委員を任命して更生の見込などを調査させ、これがあると判断したときは、更生手続開始決定を出しますが、申立から開始決定までの間、財産の散逸を防止するため、裁判所が包括的禁止命令を出し、また保全管財人を選任して、財産管理を行わせます。

更正手続の開始決定がなされると、同時に管財人が選任され、旧経営陣は一掃されて管財人が会社の業務及び財産の管理を行うことになります。

管財人は、更生計画案を立てて裁判所に提出し、裁判所は関係人集会で審理をさせ、更生計画案が、法定の手続きに従って可決されると、裁判所の認可決定を経てその効力が生じます。

更生計画の遂行は管財人が当たり、それが遂行された場合、更生計画の定めによって認められた金銭債権の総額の3分の2以上の額の弁済がされた時において、又は当該更生計画が遂行されることが確実であると認められる場合に、裁判所が更正手続終結決定をすることになります。

開始決定後の債務弁済について、更正債権は、更生計画に従って弁済されますが、80%を切り捨て、20%についてのみ10年ないし15年で分割払いといった具合に、大幅な制約が加えられます。

更生担保権についても、破産の場合と異なり、手続きに参加しなければその行使が認められない上、その弁済も更生計画に従って受けるしかないのです。

スポンサードリンク

取引や不動産で資金繰りが危険・・・

取引面での危険な兆候の一つに、商品の購入料が著しく増大した場合があります。

ある製造業者に、原料を納入していた商社の担当者は、突然のその原料の大量発注があり、大喜びしました。

しかし、それも2ヶ月間で、売掛債権が2倍となり、取引先の製造業者は倒産してしてしまいました。

取引額が増えた理由は、同じく原料を納入していた他社が危険を察知して、納入をストップしたため、、その分だけ注文が増えたことが原因でした。

大して活況でもないのに、注文量が増え、取引額が増大した場合は、その理由を正確に知る必要があるのです。

また、仕入れた商品を、仕入額の70%、60%でバッタ売りに出しているような場合も要注意です。

また、会社が倒産前に、会社の資金繰りのために、本社ビルを売却するという話もよくあります。

また、取引会社の不動産について、担保設定状況を定期的に把握しておくことも危険を知ることができます。

定期的に土地建物の登記簿謄本をとって、不動産価値以上の担保がついているかどうかを確認します。

個人名義の債権者名や怪しげな貸金業の債権者名で、抵当権が設定されていたら、危険なのは言うまでもないことです。

その他の危険信号としては、次のような登記があります。

①所有権移転請求権の仮登記

②賃借権設定の仮登記

③抵当権設定の仮登記

これらは登録免許税も安く、金融業者がよく登記をするものです。

街の金融業者から借りているということは、利子も高く、返していくだけでも大変な状態であり、危険な兆候です。

スポンサードリンク