代物弁済予約の仮登記担保・・・

代物弁済予約の仮登記担保・・・

代物弁済とは、本来の給付に代えて、他の物を給付することによって債務を弁済することをいいます。

例えば、金銭を支払うことに代えて、不動産、動産、債権などを登記、引渡し、譲渡することをいいます。

期日に支払をしなかったときというように、ある一定の事実が生ずることにしたものを停止条件付代物弁済といいます。

一定の事実が発生したときに予約を本契約にする意思表示をして代物弁済を成立させることのできるものを代物弁済の予約といいます。

停止条件付代物弁済契約、あるいは代物弁済の予約が結ばれたときは、債権者は所有権移転請求権を保全するための仮登記をします。

所有権移転の仮登記をしても、本来債権者はその不動産を取得するのが目的ではなく、債権を回収することが目的で仮登記するもので、これを仮登記担保といいます。

抵当権という制度があるのに仮登記がされるのは、抵当権は競売に時間と費用がかかり、競売すると価格が低くなって有利ではなく、それに対して仮登記は費用も安いし、それ以後にその不動産になされた登記に勝てるなどの利点があります。

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代物弁済予約の仮登記担保の実行・・・

代物弁済予約の仮登記担保があり、債務不履行があった場合の債権回収の手順は次になります。

①予約完結の意思表示をします。

②精算金の見積額の通知をする。

見積額は、2ヶ月後の不動産の価額と債権額です。

③後順位の担保権者、利害関係者にも右の通知をしたことと、その内容を通知する。

④清算期間経過の時点で所有権が移転するので、本登記申請に必要な書類と引換に精算金を支払います。

清算期間は債務者に対する見積額通知到達から2ヶ月です。

⑤本登記をする。

債務者としては、支払期日を徒過しても、2ヶ月の清算期間内に金策ができれば不動産を取られないで済みますし、2ヶ月過ぎても債権者が精算金を支払うまでは、受戻権といって所有権を取り戻す方法があります。

また、実行通知の見積額が不満なら、本登記を拒んで訴訟に持ち込んで適正価格を争えますから、債権者としては、不動産価格の見積もりは慎重に行なう必要があります。

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仮登記担保と競売の優劣・・・

代物弁済予約などの仮登記担保が抵当権と併用して設定されている場合、どちらの権利を実行するかは債権者の自由で、選択することになります。

抵当権実行を選んで競売手続きを選択したときは、競売手続きの進行中に仮登記担保権を実行することはできません。

また、他の債権者が目的不動産の競売を申し立てたときの優劣は、仮登記担保権者の精算金支払債務がないときは清算期間の経過前か後か、精算金の支払義務があるときはその弁済の前か後によって異なります。

競売開始の決定が清算期間の経過前又は精算金の弁済前の競売申立によるものであれば、競売手続きの方が優先し、仮登記権利者は本登記の請求ができなくなり、競売手続きに参加して配当金にもらうしかなくなります。

その場合、担保仮登記の権利を抵当権とみなし、順位も仮登記のされたときに抵当権設定登記がなされたものとみなします。

競売実行により売却競落されると、担保仮登記にかかる権利は消滅します。

競売開始の決定が、清算期間経過後又は清算金弁済後の申立によるものであるときは、仮登記担保権実行手続きの方が優先し、所有権の取得を主張できます。

仮登記のままで第三者異議の訴えにより競売手続きを排除できるとされています。

仮登記権利者は、設定者、後順位担保権者に精算金見積額を提示通知して、清算期間中における後順位権利者の決定を待つことになります。

いきなりの本登記の請求はできず、通知をしないで精算金の弁済もできず、これを行なうための特約も無効とされます。

後順位担保権者は、通知を受けた精算金見積額に納得できなければ、清算期間内に自ら競売を申し立てて仮登記担保の実行を阻止できます。

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