下請会社の債務を元請会社へ請求・・・
工事の下請会社が侵した損害の賠償を、元請会社に請求できるかについたは、使用者責任が考えられます。
（使用者等の責任）
民法第715条 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。
２ 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
３ 前２項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。
請負契約における請負人は、注文者から独立して活動しますから、両者の間に雇用関係が生じないので、使用関係はなく、使用者責任の追及は認められないのが原則です。
しかし、元請会社が現場監督を派遣して、下請け会社に対して、工事に関する様々な指示をしたり、下請会社が元請会社所有の機械などを使用して工事を行うことがあります。
このように元請会社・下請会社間に指揮監督関係がある場合には、両者の間に使用関係があるとして、元請会社に使用者責任が認められることがあります。
元請会社がその工事において、自分の名義を下請会社に貸与している場合には、親会社は指揮監督をなすべき地位にあるとして使用者責任を負わなければなりません。
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内容証明郵便で債務支払請求・・・
内容証明郵便とは、郵送した文書の内容と発信した日付について後日疑義が生じたような場合に、郵便局が証明してくれるものです。
配達証明付で発送する場合が多く、この配達証明によってその文書が確かに相手方に送達されたことが証明できます。
例えば、契約を解除する場合には、相当期間を定めた履行の催告をすることが必要ですが、口頭で履行を催告しただけでは、証明できません。
内容証明郵便は書留郵便物として送達されるため、相手方が留守などで受領されない場合には返送されてきてしまいます、
相手方が悪質な場合には、送達することができないのです。
内容証明郵便を利用する場合には、一定の方式に従って文書を作成する必要があります。
１枚について、１行２０文字、２６行の範囲内で文章を作成する必要があります。
用紙が２枚以上になる場合には綴じて契印をし、文面の中の差出人、受取人と、封筒の差出人、受取人を一致させなければなりません。
支払催告のために内容証明郵便を書く場合には、請求内容を特定し、特に金額などを具体的に記載することが必要です。
内容証明郵便はこちら側の証拠となるだけでなく、相手方にとっても証拠となりえますから、内容が恐喝、脅迫に及ぶようなものにならないようにしなければなりません。
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支払督促で債権回収・・・
支払督促とは、金銭などの請求について、簡易迅速に債務名義を得ることができる手続きで、請求の内容が金銭その他の代替物又は有価証券の一定数量の給付を求める場合にのみ利用できます。
支払督促は、債務者の住所・事務所・営業所を管轄する簡易裁判所に対して申し立てます。
申立があると裁判所は、債務者に対して支払督促を発し、債権者の主張する債権の内容が示され、支払督促が送達されてから２週間以内に債務者が異議の申立をしなければ、債権者の申立により仮執行宣言が付されると警告されます。
その際、異議申立書の書式が同封されており、異議申立ての方法を知らない債務者でも異議申立てがしやすいようになっています。
異議申立期間内に債務者から異議の申立があると、支払督促は通常の訴訟に移行してしまい、債務名義を得るためには、通常訴訟で勝訴判決を取らなければならなくなります。
債務者から異議申立てがなければ、債権者は仮執行宣言の申立ができるようになり、この仮執行宣言の申立は、債務者の異議申立期間経過後、３０日以内にしなければなりません。
仮執行宣言の申立をすると、支払督促に仮執行宣言が付され、強制執行できるようになります。
支払督促に仮執行宣言が付されたものを仮執行宣言付支払督促といい、債務者は、これが送達されてから２週間以内に異議を申し立てることができます。
この異議申立期間期間内に債務者から異議の申立があると、通常の訴訟に移行してしまいますが、この場合には、債務者が執行停止の仮処分を申立て、かつ、それが認められない限り、債権者は強制執行することができます。
異議申立てがなくても、仮執行宣言付支払督促が確定し、債務名義となって強制執行できます。
支払督促は、債務者の住所、事業所、営業所などが不明な場合には利用できません。
債務者には２度の異議申立ての機会があり、また、異議申立てがしやすいように配慮されているので、債務者と争いがあるような場合には、結局、通常訴訟になりますので、２度手間になってしまうのです。
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