夫婦喧嘩で傷害罪・・・
夫婦喧嘩で妻を殴ってしまい、顔面に痣ができ、妻に警察に行くと言われましたが、犯罪となるのでしょうか。
人の身体を傷害した場合、傷害罪として15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
夫婦喧嘩というのは、他人同士の喧嘩と異なり、正常な夫婦関係を破壊しない程度であれば、法で罰しなければならないほどではないとされます。
夫婦喧嘩で加療3日の障害を加えた事例では、夫婦喧嘩に基づく軽微な傷害行為の可罰性には一定の限界があり、それが強暴な暴行に基づくものではなく、正常な夫婦関係が維持され、夫婦関係の破壊を伴わない以上、当事者の自律に委ねられ、国家の刑罰権より放任された行為として、可罰的違法性を欠き、罪とはならないとしています。
本件の場合、妻の顔に痣ができ、通常は傷害罪にあたるのですが、これは夫婦喧嘩によって作られた傷で、傷が軽微である限り、法は関知しないのです。
この考え方は、あくまでも正常な夫婦関係を前提としていますから、例えば、離婚話があって別居しているような夫婦の場合には、これと同じに考えることはできません。
また、夫婦喧嘩による傷害は第三者にはわからない場合が多く、警察も関与しないので、どうしても罰して欲しい場合には、告訴をすることになります。
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肉体関係後の婚約破棄で強姦・・・
結婚を前提に交際しており、結婚前に肉体関係を結んでしまったのですが、その後、いろいろあり結婚をする気がなくなり、その旨を彼女に話すと強姦罪で訴えると言っているのですが。
強姦罪が成立するためには、男性が女性に対して、暴行又は脅迫を手段として肉体関係を結ぶことをいい、暴行又は脅迫という手段を使わない、ムードでお互いに合意のもとそうなるのは、強姦罪になりません。
(強姦)
刑法第177条 暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、3年以上の有期懲役に処する。13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。
この暴行、脅迫は、必ずしも女性の反抗が完全にできなくなるほど強いものでなくとも、著しく反抗することが困難という程度でもよいとされています。
例えば、知っている者同士がラブホテルに入り、肉体関係を結んだとしても、それが多少の女性の抵抗があったものとしても、強姦罪とはされません。
強姦罪は親告罪で、被害者女性から警察や検察官に告訴しなければ起訴されないものですから、本件の場合、警察などで事情をありのまま話すのであれば、強姦罪にはなりません。
相手の女性に暴行や脅迫を加えないで、「結婚するから」といって肉体関係を結んだ場合には、刑法では、嘘を言ったり、相手を同情させて、その結果、肉体関係を結んだ場合は処罰の対象としていません。
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夫の暴力を刑事罰にする・・・
夫から酷い暴力を受けているので助けて欲しい、と友人から言われたのですが。
被害女性が夫や恋人に、刑事罰を受けさせたいとして告訴する場合、夫婦あるいは恋人同士の関係を維持することは不可能と考えられます。
つまり、離婚や別れる決心がつかないが、ちょっと懲らしめて反省してから、また一緒にやり直したいという気持ちでは刑事告訴はできません。
また、民事手続では、加害者の暴力が頻繁ではなく、女性の側が夫婦関係を維持したいと思う場合には、家庭裁判所の円満調整調停があり、これを利用することもできますが、話し合いで暴力が止むとは考えにくいのです。
暴力を受ける女性が、相手の暴力をこれ以上我慢しないで自分を救いたいと思えば、離婚や内縁関係解消をするしかなくなります。
結婚という形をとっていれば、妻が暴力を受けたと訴えても刑事事件になりにくいのです。
離婚して、他人同士になれば、被害者が刑事告訴すれば単に普通の刑事事件として取り上げられることになります。
夫婦の問題でも痴話喧嘩でもなく、他人への暴力として、普通に刑事事件になれば暴力行為を止めることになります。
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