妹の子を姉夫婦の子として出生届・・・

妹の子を姉夫婦の子として出生届・・・

私たち夫婦には子供がおらず、独身の妹が妊娠したので、生まれた子を自分たちの子として届け出ようとしているのですが。

子供の出生届には、出産に立ち会った医師、助産婦の場合には助産婦、医師も助産婦も立ち会わなかった場合はその他の立ち会った人の作成した出生証明書を添付しなければなりません。

ですので、妹が生んだ子を自分の子として届け出るためには、自分が出産したことを医師に証明してもらわなければならないのです。

医師は自ら出産に立ち会わないで出生証明書を交付することは禁止され、これに違反すると医師法違反として5千円以下の罰金に処せられることになっています。

医師が役所に出す診断書、検案書、死亡証書に虚偽の記載をしたときは、虚偽診断書等作成罪として罰せられます。

診断書というのは医師が診察の結果に関する判断を表示して、人の健康上の状態を証明するために作成される文書と解されていますから、出生証明書に偽りを記載することは、医師が公立の病院などの医師のように公務員である場合は虚偽公文書作成罪になりますが、その他の医師の場合、公務所に提出する出生証明書い偽りを記載するということで虚偽診断書等作成罪となります。

また、出生届の父母欄に偽りのことを書いて役場に提出しますから、公務員に対して虚偽の申立をしたことになり、刑事罰となります。

この場合、自分の子とするためには特別養子制度があり、6歳未満の子に限られ、家庭裁判所の審判によって成立します。

特別養子は、養親の嫡出子として、戸籍上、長男、次女といった記載がなされ、実父母側との親子関係、それに伴う相続権、扶養義務も消滅することになります。

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胎児を堕胎させると刑事罪・・・

彼氏が結婚を約束してくれたので、体を許し、私は現在妊娠3ヶ月になるのですが、結婚してくれそうもなく、子供を堕胎したいのですが、堕胎は何ヶ月までなら犯罪にならないですか。

堕胎とは、自然の分娩期に先立って人為的に胎児を母体外に排出することをいいます。

刑法は、胎児の生命を保護するために、婦女が薬を用いたり、その他の方法で堕胎した場合は堕胎罪として1年以下の懲役に処すと定めています。

(堕胎)
刑法第212条 妊娠中の女子が薬物を用い、又はその他の方法により、堕胎したときは、1年以下の懲役に処する。

懐胎の事実があればたとえ妊娠1ヶ月であっても堕胎罪として罰せられるのです。

胎児を堕ろす行為は、刑法では犯罪となるのです。

母体保護法で、堕胎が許されるのは、都道府県にある、社団法人である医師会の指定医師が、次のいずれかに該当すると認め、本人及び配偶者の同意がある場合です。

①妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれがあるもの

②暴行若しくは強迫によって又は抵抗若しくは拒絶することのできない間に姦淫されて妊娠したもの

これらに当てはまった上で、胎児が母体外において生命を保続することができない時期に限って、人工的に胎児及びその付属物を母体外に排出することが許されます。

本件の場合、男が結婚してくれると約束したので体を許したのですから、騙されたために拒絶しなかったので、抵抗又は拒絶することができない間に姦淫されたともいえます。

これらの規定にあてはまるかどうかは指定医師の認定となります。

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女性を強姦し示談後の罰則・・・

女性を強姦し告訴されたのですが、その後、その女性に許してもらい示談も成立したのですが罰せられますか。

刑法180条は、強姦罪については「告訴がなければ公訴を提起することができない」と定めており、これを親告罪といいます。

(親告罪)
刑法第180条 第176条から第178条までの罪及びこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
2 前項の規定は、2人以上の者が現場において共同して犯した第176条若しくは第178条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪については、適用しない。

親告罪の場合は告訴がなければ公訴が提起できず、間違って告訴がないのに公訴が提起されれば、公訴棄却の判決が言渡されることになります。

告訴というのは犯罪の被害者が捜査機関に対して犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示をいい、親告罪だけに限られません。

告訴のできる者は、被害者、被害者の法定代理人、被害者が死亡したときはその配偶者、直系の親族又は兄弟姉妹です。

親告罪の告訴は、犯人を知った日から6ヶ月を経過したときには告訴できないとされています。

本件の場合、既に告訴されていますから、捜査が完了すれば公訴の提起が可能で処罰されます。

ただし、検察官の判断で起訴猶予にして公訴を提起しないこともあり、公訴が提起されないためには、告訴人から告訴の取消をしてもらわなければなりません。

告訴は、公訴が提起されるまでは取消すことができることになっているので、被害者の女性に手続してもらえば処罰されることはありません。

しかし、他の者と一緒に被害者を強姦した場合は、親告罪とされません。

また、被害者の女性が処女であったとすれば、強姦罪でなく、処女膜裂傷を伴うので強姦致傷罪となり、親告罪となりません。

(強制わいせつ等致死傷)
刑法第181条 第176条若しくは第178条第1項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は3年以上の懲役に処する。
2 第177条若しくは第178条第2項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は5年以上の懲役に処する。
3 第178条の2の罪又はその未遂罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、無期又は6年以上の懲役に処する。

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