支払督促とは・・・

支払督促とは・・・

債務者はお金を借りていることを認めているが、支払がなく、訴訟にすれば証拠も揃っているので、勝つことはわかっているような場合に、支払督促が利用されます。

しかし、どんな場合にも支払督促が利用できるというわけではありません。

「金銭その他の代替物または有価証券の一定の数量の給付を目的」とする請求に利用できます。

家の明け渡しなどには利用できないのです。

支払督促を申し立てる裁判所は、相手方の住所地を管轄する簡易裁判所です。

また、手形・小切手の請求の場合は特則があります。

相手方から支払督促に異議があり訴訟に移行する場合は手形・小切手訴訟を希望することができますが、その趣旨を支払督促申立のとき、あらかじめ申立書に記載しておきます。

支払督促の申立があれば、裁判所は決定をするだけです。

訴訟のように法廷を開いて双方の言い分を聞き、判断することはありません。

証拠を提出する必要もありません。

すべて申立だけに基づいて、申立の内容自体に理由があれば、必ず支払督促を出します。

内容に理由がない場合は却下となります。

支払督促は申立人に通知され、支払督促正本が相手方に送達されます。

その支払督促には、相手方に支払を命ずる事項のほかに、2週間以内に異議の申立をしないときは、申立により仮執行の宣言を付することが記載されています。

スポンサードリンク

支払督促の異議申立てとは・・・

支払督促は、一方的に出されます。

もし債務者が支払督促について、不当だと思えば、支払督促正本が送達されてから2週間以内であれば裁判所に異議申立てができます。

この異議申立てがあるとき支払督促の効力は発生しません。

異議があれば、支払督促を申し立てた権利について、最初から訴えの提起があったものとして取り扱われ、審理が始まります。

争いがあることが分かれば訴訟になるのです。

訴訟の価額が140万円超であれば地方裁判所に送付されます。

審理の裁判所は、債権者に対し準備書面を提出するよう催促します。

この準備書面には、支払督促申立書の内容と同様のことを書きます。

また、支払督促が相手方に送達されてから2週間が経過しても異議の申立がないときは、債権者は先に決定された支払督促に仮執行の宣言を付してくれるよう裁判所に申立て、その決定が出れば強制執行ができます。

仮執行宣言を申立てができるようになった後、30日を経過してもこの申立てをしなかったときは支払督促の効力がなくなってしまうのです。

この仮執行宣言付の支払督促が債務者に送達されてから2週間が経過すると、異議申立てができなくなり、仮執行宣言付支払督促は確定し、判決と同様の効力を持つことになります。

スポンサードリンク

支払督促申立書ひな形・・・

支払督促申立書
貸金請求事件
当事者の表示    別紙当事者目録記載の通り
請求の趣旨及び原因 別紙記載の請求の趣旨及び原因記載の通り
債権者山田太郎は、債務者鈴木一郎に対し、請求の趣旨記載の金額を支払えとの支払督促を求める。
申立費用                 金***円
内訳       申立手数料        **円
支払督促発付通知費用   **円
申立書書記料       **円
書類の作成及び提出の費用 **円
債権者に対する書類の送達は当事者目録記載の債権者の住所に宛てて行ってください。
平成**年**月**日
債権者 山田太郎 印
**簡易裁判所 御中
価額   **円
貼用印紙 **円
添付郵券 **円
はがき   *枚

請求の趣旨及び原因
請求の趣旨
1、金***円
2、上記金額に対する金**円に対する平成**年**月**日から完済まで年*%の割合による遅延損害金
3、金***円(申立手続費用)
請求の原因
1、債権者は債務者に対し金***円を下記の通り貸し渡した、
(1)貸付日    平成**年**月**日
(2)弁済期    平成**年**月**日
(3)利息     年*%
(4)遅延損害金  年*%
2、債務者は上記貸金元金のうち金***円と弁済期までの利息を支払ったが、残金を支払わない。

当事者目録
〒***-**** 東京都**********
電話 03-****-****
FAX 03-****-****
債権者 山田太郎

〒***-**** 東京都**********
電話 03-****-****
FAX 03-****-****
債務者 鈴木一郎

支払督促に対する異議申立書ひな形・・・

支払督促に対する異議申立書

債権者  山田太郎

債務者  鈴木一郎

上記当事者間の貸金請求支払督促申立事件につき、御庁が平成**年**月**日付で決定された支払督促は債務者に同月*日に送達されましたが、不服なので異議を申し立てます。

平成**年**月**日
申立人(債務者) 鈴木一郎 印
**簡易裁判所 御中

スポンサードリンク

支払督促仮執行宣言の申立書ひな形・・・

仮執行宣言の申立書

債権者  山田太郎

債務者  鈴木一郎

上記当事者間の御庁が平成**年(ロ)第***号貸金請求支払督促申立事件につき、債務者は平成**年**月**日付支払督促に対し、法定期間内に異議の申立をなさず、また支払もしないので、下記の費用とともに仮執行の宣言を求めたく申請いたします。

仮執行宣言の手続費用        金***円
内訳 書類の作成及び提出の費用    **円
命令正本送達費用        **円

平成**年**月**日
申立人(債権者) 山田太郎 印
**簡易裁判所 御中

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする