保証人の保証意思の確認・・・

保証人の保証意思の確認・・・

保証契約を結ぶ方式として、連名保証、別札保証、手形保証があります。

連名保証は、債権者と債務者が締結して作成した契約書に、保証人も債務者と連署捺印して保証する方式です。

契約書の条項の末尾に、保証について規定されている方式です。

別札保証は、保証債務を発生させるもとになる契約書とは別に、保証人が債権者に差入れる方法で、根保証の場合に用いられます。

手形保証は、債務者が債権者に振出し、あるいは裏書した手形に、保証人として署名するか、裏書人として署名します。

この場合、手形保証とは別に原因関係についてまで保証する場合には、原因債務の保証として連名保証や別札保証をする必要があります。

保証契約の際に最も大切なことは、保証人本人の保証意思の確認です。

保証契約の当事者は、債権者と保証人ですから、債務者が保証人になる人を連れてきて、保証人になることを承諾してくれたと言って、保証人の印を持参したり、署名捺印をとってきても、必ず保証人本人に保証意思を確認しなければなりません。

保証契約の種類も、連帯保証、共同保証、根保証、信用保証、身元保証などあります。

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連帯保証人の責任・・・

債権者である山田さんが、田中さんに300万円を貸すにあたって、斉藤さんに保証人になってもらいました。

この場合、田中さんを主たる債務者といい、田中さんの山田さんに対する債務を主たる債務、斉藤さんの山田さんに対する債務を保証債務といいます。

保証債務は主たる債務に対して付従性があり、主たる債務が無効、取消などによって効力を失うと、保証債務も消え、保証債務のほうが負担が大きいことはありません。

主たる債務が一部免除されて、300万円が200万円に減額されたときは、保証債務も200万円になります。

債権者である山田さんが、主たる債務者である田中さんの債務不履行によって、保証人である斉藤さんに請求してきたとき、普通の保証では、斉藤さんは山田さんに対して「まず田中さんに催促してくれ」と拒絶できます。

これを催告の抗弁権といいます。

さらに、山田さんが田中さんに催告した後でも、斉藤さんは、「田中さんには支払うだけの資力があり、田中さんに対する強制執行ができるから、田中さんに執行してくれ」と要求できます。

これを検索の抗弁権といいます。

連帯保証人にはこれら2つの抗弁権がありません。

つまり、連帯保証においては、田中さんの支払が遅れたら、山田さんは斉藤さんにいきなり請求し、斉藤さんの財産に強制執行をかけることができ、斉藤さんは2つの抗弁で抵抗することはできません。

また、普通の保証として、もう一人加藤さんが保証人になってくれる場合、特に取り決めがなければ、斉藤さんと加藤さんで150万円ずつ保証債務を負担します。

これを分別の利益といいます。

連帯保証人には、分別の利益は認められず、斉藤さんも加藤さんも300万円の保証債務を負担します。

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債務引受けの法律関係・・・

債務の引受けには、免責的債務引受けと、重畳的(ちょうじょうてき)債務引受けがあります。

免責的債務引き受けは、債務者が債権債務関係から離脱して、引受人が債務者の地位を単独で引き受けることをいい、債権者は引受人に対してだけ履行請求、強制執行することができます。

重畳的債務引き受けは、債務者はそのままで引受人も債務者として、2人の債務者になります。

この場合、判例では、特段の事情のない限り、債務者と引受人と間に連帯債務関係が生ずるとされています。

債権者は、債務者に対しても、引受人に対しても請求、執行することができます。

免責的か重畳的か明確でない場合は、判例では、重畳的とされます。

免責的債務引き受けの契約は、債権者・債務者・引受人の3者で行なわなければならず、債権者と引受人で契約するときも債務者の承諾が必要で、債務者と引受人で契約するときも債権者の承諾が必要とされます。

債務者の負担していた債務は、すべて引受人に移り、抗弁権も移りますが、債務者の債務を保証していた担保、保証印は、担保提供者や保証人の同意がないと当然には引受人の債務を保証しません。

ですので、債権者が債務者から取っていた担保・保証を、引受人に引き続き利用したいときは、別に同意書や承諾書を取る必要があるのです。

重畳的債務引き受けの契約は、3者でするのが好ましいのですが、その他、債権者と引受人の間で債務者の承諾がなくてもできます。

債務者と引受人との間だけで契約したときは、債権者に直接引受人に対する請求権を与える場合は、第三者に対する契約として、債権者が承諾すれば有効となります。

重畳的債務引き受けは、連帯債務となるので、担保や保証に影響はありません。

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