担保実行の必要性とは・・・

担保実行の必要性とは・・・

債権確保のために担保をとっていても、債権者はその担保を常に実行しなければならものではありません。

担保というのは、それによって債権を回収するための法的なテクニックなのです。

ですので、債権さえ回収できればよいわけです。

担保を実行するとなると、そのために時間も費用もかかります。

例えば、抵当権を実行するということになれば、申立のためのいろいろな書類を作り、公課証明書や登記事項証明書などを取り寄せた上で、裁判所に申し立てなければならない。

申立に要する費用や予納金も必要になり、競売申立の登記をしてもらうための登録免許税や、送達のための費用も必要になります。

できれば、債務者の任意の弁済という方法で回収するほうが楽なのです。

担保をとることによって、心理的強制となって、債務者に自発的に弁済させるにこしたことはないわけです。

状況を的確に判断して、これは担保を実行する以外に策なしと判断した場合には、担保実行の手続に着手すべきです。

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担保の交渉は・・・

債権者は、自己の有する債権について、常に保全を考え、担保を取ることを考えなければなりません。

しかし、債務の履行に不安をもたれるような債務者に限って、債権者が取得しうる担保物件などあまり持っていません。

逆に担保をとらなくても債務の履行が全く心配ないような債務者には、担保となる財産があるものです。

しかしながら、常に担保を取る努力はすべきで、債務者に何か担保にする事ができそうな資産があることを知ったら、それについて債務者と交渉し、担保設定の合意をつけることが必要です。

こういう場合に担保実務の知識として心得ておかなければならないのは、何が担保に取れるか、その資産を担保に取るとすれば、どのような担保設定の方法によればよいか、などになります。

具体的に、債務者からの担保の取り付けの場にのぞんで的確に判断した上で、担保取り付けの交渉をすることが必要です。

そして、何か財産を担保に取るということは、その財産の上に法律上のなんらかの権利を設定する事をいいます。

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抵当権の設定とは・・・

債権者と(*)抵当権設定者との間の抵当権契約によりますが、抵当権者においてこの抵当権を第三者に対抗するためには抵当権設定登記をしなければなりません。

抵当権を設定しても、抵当権設定の登記をしなければ、債権者はその抵当権設定を第三者に対抗する事ができないということです。

抵当権設定に先立って、債権者としては、土地、建物の現状を調査し、借地人、借家人がいないか、現状を前提に評価すれば、その目的物はどのくらいの価額なのかを見極め、あわせて登記簿も調査し、先順位の抵当権やその他の権利の登記の有無を調べる必要があります。

(*)抵当権設定者とは債務者本人である事もあり、第三者であることもあります。

この第三者を物上保証人といいます。

例えば、子供の借金のために、親の不動産を担保にするときなどです。

抵当権は、債務者等が不動産や一定の権利を債務の引き当てとして提供し、債務不履行が生じたなら債権者がこれを競売にかけ、その代金から優先的に債権を回収するというしくみです。

担保に供した不動産等が競売に付されるまでは、債務者は担保提供者は担保物を自分で使用したり、賃貸する事もできます。

なお、抵当権は、登記をしておかなければ、抵当物の賃借人などの第三者に対抗できません。

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質権の設定とは・・・

不動産質権の設定契約も債権者と質権設定者との間で結びます。

質権設定者は、債務者本人でなくても第三者が質権設定者になることもできます。

質権設定者は、債権者へ質物の引渡しがなされなければならないとされています。

この引渡しがあってはじめて質権設定契約は効力を生ずる事になります。

債権者が不動産質権を第三者に対抗するためには、質権設定登記をする必要があります。

質権では、債務者等から債権者に担保物を引き渡します。

債権を質に入れたときは、証書を交付する事になります。

質権の担保物は、抵当権では認められない宝飾品などの動産(動産質)、売掛金や保険金請求権などの債権(債権質)が主なものです。

債務不履行があれば、債権者は担保物を競売に付したり、債権質では直接自分で取り立てたりして優先弁済を受けます。

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