根抵当権の性質・・・
根保証の主たる債務とは、例えば、銀行と商人との間の当座貸越契約とか、手形割引契約のような、継続的な信用取引関係から生ずる不特定の債務です。
継続的な取引から発生する債務ですから、増減変動があり、これを包括的に保証し、将来のある一定の時期に債務額が確定したところで、その確定した債務額について、保証人が保証債務の責を負います。
根保証の契約を結ぶときは、債権者と保証人との間で、主債務者が債権者に対して負担する債務につき、極度額を決めて契約します。
根保証で、保証期間の定めがあるときは、その期間満了前に発生した債務についてだけ保証人は責任を負担すればよく、期間満了後に発生した債務については責任を負わなくてよいとされます。
継続的取引によって生じる債務を根保証した者が、同一の債務について根抵当権を設定していた場合、根保証契約の文言上の限度額が明示されていなかったとしても、その限度額は根抵当権の極度額と同額と解するのが合理的であり、両者が併せて右同額の範囲内で債務の支払を保証又は担保する趣旨であると認定された判例があります。
(貸金等根保証契約の保証人の責任等)
民法第465条の2 一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約(以下「根保証契約」という。)であってその債務の範囲に金銭の貸渡し又は手形の割引を受けることによって負担する債務(以下「貸金等債務」という。)が含まれるもの(保証人が法人であるものを除く。以下「貸金等根保証契約」という。)の保証人は、主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たるすべてのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額について、その全部に係る極度額を限度として、その履行をする責任を負う。
2 貸金等根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。
3 第446条第2項及び第3項の規定は、貸金等根保証契約における第1項に規定する極度額の定めについて準用する。
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連帯保証の性質・・・
連帯保証では、連帯保証人が債権者に対して主債務者と連帯して債務を履行する義務を負います。
普通の保証では、保証債務に補充性が認められていましたが、連帯保証にはこの補充性がなく、連帯保証人には催告の抗弁権も検索の抗弁権も認められません。
保証債務の補充性とは、主たる債務がなければ成立せず、主たる債務より重い債務となることはなく、また主たる債務が消滅すればともに消滅することをいいます。
(催告の抗弁)
民法第452条 債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。
(検索の抗弁)
民法第453条 債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。
(連帯保証の場合の特則)
民法第454条 保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前2条の権利を有しない。
債権者は主たる債務者に請求することなく、いきなり連帯保証人に請求することができます。
また、数人の保証人が主債務者のために保証している場合を共同保証といいますが、この場合は、原則として、それぞれの保証人は債権者に対して主たる債務の金額を保証人の頭数で割った額についてだけ支払えばよいことになっており、これを分別の利益といいます。
しかし、連帯保証人が数人いる場合は、これらの連帯保証人にはこの分別の利益は認められません。
それぞれの連帯保証人は、各々、債務の全額についてこれを弁済する責任があります。
連帯保証は、保証契約において特に連帯である旨を約定している場合に成立します。
商法では、主たる債務が債務者の商行為によって生じたものであるときと保証が商行為であるときは、当然に連帯保証となる旨が定められています。
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連帯保証の金銭消費貸借契約書書式・・・
金銭消費貸借契約書
貸主山田太郎を甲、借主田中五郎を乙、乙の連帯保証人斉藤一郎を丙とし、甲乙丙は本日次の内容による契約を締結する。
第1条 甲は乙に対し本日金***円を貸し渡し、乙は現金でこれを借り受けた。
第2条 甲乙は前条の貸金の利息を年**%とすることを約した。
第3条 乙は本件借受金の元金を平成**年**月末日限り、また利息は毎月限り、いずれも甲の住所に持参して支払うものとする。
第4条 乙が利息の支払を*か月分以上怠ったときは、乙は期限の利益を失い、直ちに甲に対し、元利金を一時に支払わなければならない。
第5条 連帯保証人丙は甲に対し乙の甲に対する本契約に基づく債務につき、これを保証し乙と連帯して履行の責に任ずる旨を約し、甲はこれを承諾する。
上記契約の成立を証するため本書3通を作成し、署名押印の上、各1通を所持するものとする。
平成**年**月**日
(甲)東京都*********
山田太郎 印
(乙)東京都*********
田中五郎 印
(丙)東京都*********
斉藤一郎 印
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