元恋人の嫌がらせ・・・

元恋人の嫌がらせ・・・

無言電話や嫌がらせの手紙、ファックスは度を越すと脅迫罪になります。

また、会社宛に特定の人を中傷する手紙を送ると名誉毀損になります。

元恋人のこのような嫌がらせがあった場合には、まずは直接話し合い、止めるよう伝えることが必要です。

ただ、それでも止めないようなら、法的な手段に訴える必要があり、その場合には証拠をとる必要があります。

無言電話がかかってきた日時をメモしたり、録音したり、手紙やファックスの文書を保管しておくなどの証拠をとっておきます。

その証拠をもって、警察に相談に行くことになります。

無言電話の回数が多く、ノイローゼになるような状態になれば、刑法222条の脅迫罪にあたります。

(脅迫)
刑法第222条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

また、会社宛に個人を中傷する内容の手紙を送りつけ、上司をはじめ社内中にうわさが広まれば、それがたとえ真実であっても、刑法230条の名誉毀損罪にあたります。

(名誉毀損)
刑法第230条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
2 死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。

但し、名誉毀損罪は親告罪で本人が告訴をしなければ法廷で争えない罪ですので、本人の告訴が必要です。

また、嫌がらせの手紙やファックスの文面中に、こうした事を会社や親、親戚に知らせるとして、金銭を要求していれば、刑法149条の恐喝罪にあたります。

(恐喝)
刑法第249条 人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

嫌がらせがエスカレートして、仕事中に無言電話や、中傷する内容のファックスが頻繁に入り、業務に支障がでるような事態になれば、刑法233条の信用毀損及び業務妨害罪になる可能性もあります。

(信用毀損及び業務妨害)
刑法第233条 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

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離婚後の子供の連れ去り・・・

離婚後、親権(監護権)を持たない一方の親が実力で子供を連れ去ることがあります。

子供の親権者(監護権者)は、まず相手と話し合い返してもらい、2度としない旨を伝える必要があります。

それでも、駄目なら、法的手段を取ることになります。

法的手段として、家庭裁判所に子供の引渡しを求める調停を申し立てる方法があります。

この場合には、申し立てた後に裁判官や調停委員が事実関係を確かめた上で、相手方を呼んで子供を返すよう説得します。

この説得に応じない場合には、地方裁判所に引渡しの訴えを起こし、判決によって子供を返してもらうことになります。

しかし、この方法では時間がかかりすぎますので、子供が不健全な状態が長期間続く可能性があります。

そのため、他の手段として、人身保護法による引渡し請求があります。

人身保護法による引渡し請求は、請求者が住む地域を管轄する地方裁判所もしくは、高等裁判所に請求します。

この請求が受理されれば、裁判所は優先的にこの問題を集中審議して、短期間のうちに判決が言渡されます。

この判決には強制力があって、引渡し命令に従わない場合には、2年以下の懲役又は5万円以下の罰金に処せられます。

人身保護法第二十六条  被拘束者を移動、蔵匿、隠避しその他この法律による救済を妨げる行為をした者若しくは第十二条第二項の答弁書に、ことさら虚偽の記載をした者は、二年以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。

ただし、人身保護法による引渡し請求手続は、原則として弁護士を代理人として行なうことになっています。

人身保護法第三条  前条の請求は、弁護士を代理人として、これをしなければならない。但し、特別の事情がある場合には、請求者がみずからすることを妨げない。

人身保護法は、憲法で保障されている基本的人権を守るために、「現に不当に奪われている人身の自由を、司法裁判によって迅速かつ、容易に回復させること」を目的にした法律です。

人身保護法第一条  この法律は、基本的人権を保障する日本国憲法 の精神に従い、国民をして、現に、不当に奪われている人身の自由を、司法裁判により、迅速、且つ、容易に回復せしめることを目的とする。

人身保護法に基づく引渡し請求は、誰に対してもできることになっています。

人身保護法第二条  法律上正当な手続によらないで、身体の自由を拘束されている者は、この法律の定めるところにより、その救済を請求することができる。
2  何人も被拘束者のために、前項の請求をすることができる。

親権者はもちろん、親権のない親や祖母、祖父さらに第三者であっても請求できます。

判決までの期間が短いので引渡しが迅速に行なわれます。

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離婚と親権の問題・・・

未成年者の子供がいる場合には、夫婦のいずれかを親権者に決めなければなりません。

親権とは、未成年の子供を養育・監護し子供に財産があれば代わって管理する義務と権利をいいます。

(監護及び教育の権利義務)
民法第820条 親権を行う者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。

(居所の指定)
民法第821条 子は、親権を行う者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。

(懲戒)
民法第822条 親権を行う者は、必要な範囲内で自らその子を懲戒し、又は家庭裁判所の許可を得て、これを懲戒場に入れることができる。
2 子を懲戒場に入れる期間は、6箇月以下の範囲内で、家庭裁判所が定める。ただし、この期間は、親権を行う者の請求によって、いつでも短縮することができる。

(職業の許可)
民法第823条 子は、親権を行う者の許可を得なければ、職業を営むことができない。
2 親権を行う者は、第6条第2項の場合には、前項の許可を取り消し、又はこれを制限することができる。

(財産の管理及び代表)
民法第824条 親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。

また、親権を行使する人を親権者といいます。

(親権者)
民法第818条 成年に達しない子は、父母の親権に服する。
2 子が養子であるときは、養親の親権に服する。
3 親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他の一方が行う。

結婚生活では、親権は夫婦双方が共同で行使しますが、離婚する場合には夫婦いずれかを親権者に決めなければなりません。

親権は、子供を養育・監護する義務と権利と、子供の財産を管理する義務と権利から成り立っています。

そのため、親権から監護権を切り離すことができます。

親権者になれなかった一方の親は、監護権者になることができます。

監護権とは、実際に子供を手元において育てることですので、実際に子供を手元において育てることですので、監護者になれば子供を引き取り、手元におくことができます。

監護者になっても親権者に対して、子供の養育費を請求することができます。

家庭裁判所が扱った離婚事件の統計をみると、父親が親権者になる割合は約2割、母親が約8割のようです。

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