婚約不履行の慰謝料・・・

婚約不履行の慰謝料・・・

婚約を正当な理由なく破棄した者は、相手方に対して損害賠償の責任があります。

正当な理由があるとは、将来、円満な夫婦生活を送ることができないような事情が生じている場合です。

今までの生活関係の重要な部分について隠していたり、嘘をついたりしているとき、相手方に不貞な行為があったり、ほかに愛人や子供があったとき、性的無能力がわかったとき、婚約後に乱暴、粗野、残酷な行為があり月給の額を大幅に水増しして話していたり、相容れることのない信仰を抱いていたり、また決定的な性格上の相違がわかったとか、また、婚約者に対する態度が不誠実で、結婚後の将来が期待されないときなどです。

賠償請求の対象となる損害には、婚約披露の費用、仲人への礼金、無駄になった支度金、結婚のために退職した場合の逸失利益などの物質的損害と、精神的損害になります。

慰謝料の額は、長期の婚約期間、貞操蹂躙、妊娠中絶を伴うなどの場合は高額になります。

一方的な婚約破棄によりショックを受け仕事も辞めざると得なくなった女性について、慰謝料300万円を認めた事例もあります。

結婚直前に一方的に婚約破棄を通告してきた場合で、慰謝料として400万円を認めた事例があります。

これは、肉体関係はなかったが、婚約後2ヶ月、結婚式の1週間前に突然男性から電話1本で婚約破棄を通告してきたものです。

結婚に備えて女性が仕事を辞めた場合は、仕事を辞めなければ得られたであろう逸失利益については、婚約と退職との間に相当因果関係が必要とされることになります。

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内縁の破棄の財産分与・・・

内縁とは、夫婦として共同生活をすることで、婚姻と異なる点は婚姻の届出がないことです。

内縁を不当に破棄された場合には、相手方に対して損害賠償である慰謝料を請求することができます。

内縁は婚姻届がなされていないわけですが、できる限り婚姻の準じた法的効果が与えられますから、離婚のときの財産分与の規定も準用されます。

(財産分与)
民法第768条 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
2 前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から2年を経過したときは、この限りでない。
3 前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。

財産分与とは、夫婦で築き上げた共通の財産を清算するというものです。

慰謝料は、内縁の解消が不当破棄といえない場合に請求はできません。

しかし、内縁の解消が合意による場合とか、不当な破棄とならない場合でも財産分与請求権は認められます。

財産分与、慰謝料の額・支払い方法について、相手方と話し合いがまとまらないときには、家庭裁判所に調停を申してます。

調停で話しがまとまらないときは、裁判を申し立てることになります。

財産分与・慰謝料の額・方法は、家庭裁判所が当事者双方の協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して決定されます。

内縁の存続期間、双方の資産、内縁の破綻などの事情などです。

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未成年者の結婚・・・

未成年者の結婚は、法律では、男は満18歳、女は満16歳になれば、結婚することができます。

しかし、婚姻届には親の同意書が必要になります。

(未成年者の婚姻についての父母の同意)
民法第737条 未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。
2 父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りる。父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、同様とする。

そして、未成年者が正式に婚姻すれば成人に達したものとみなされます。

(婚姻による成年擬制) 
民法第753条 未成年者が婚姻をしたときは、これによって成年に達したものとみなす。

ただし、公法上の選挙権などは与えられません。

結婚の適齢期に達しない者の婚姻届出は、受け付けないことになっています。

もし間違って受け付け、届出がされた場合には、取消すまではそのまま効力を認めることになっています。

ただし、取消の前に適齢に達した場合は、取消すことはできず、不適齢者本人の場合は適齢に達してから3ヶ月は取消ができます。

戸籍の届出も、20歳前であっても単独でできることになっています。

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