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会計監査人の設置範囲・・・
会社法は、会計監査人の設置範囲を次のようにしました。
≫公開会社の大会社は、会計監査人および監査役会の設置が義務
≫非公開会社の大会社は、会計監査人の設置が義務
≫大会社以外の会社は、公開会社か非公開会社かにかかわらず、定款で会計監査人を任意に設置可能
≫委員会設置会社は、会計監査人の設置が義務
≫会計監査人設置会社(委員会設置会社を除く)は、監査役設置が義務
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会計監査人の選任・・・
会計監査人は、株主総会の決議により選任されます。
監査役は、会計監査人の選任手続に一定の影響を及ぼします。
監査役設置会社では、取締役は、会計監査人に関し、選任議案を株主総会に提出する場合、解任または再任しないことを株主総会の目的とする場合には、監査役の同意を要します。
監査役が2人以上ある場合には、その過半数によります。
また、監査役は、取締役に対して、会計監査人の選任に関する議案を株主総会に提出すること、選任または解任を株主総会の目的とすること、再任しないことを株主総会の目的とすることを請求することができます。
監査役会設置会社では、監査役会がこれらを請求できます。
監査委員会は、株主総会に提出する会計監査人の選任及び解任、再任しないことに関する議案の内容を決定することができます。
会計監査人が欠けた場合、または定款で定めた会計監査人の員数を欠いた場合、遅滞なく会計監査人が選任されないときは、監査役は、一時会計監査人の職務を行なうべき者を選任しなければなりません。
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会計監査人の欠格事由・・・
会社法は、旧商法特例法に規定する会計監査人の欠格事由のうち、旧商法特例法4条2項1合、3号および4号を削除しました。
業務停止処分を受けた公認会計士など、公認会計士法の規定により計算書類について監査をすることができない者は、会計監査人として監査業務を行うことができませんが、問題となった公認会計士を除く、監査法人自体は会計監査人としての欠格事由には該当しないとしました。
また、会計監査人の公正性を確保する為、公認会計士法において、次の規定が設けられています。
≫監査業務とコンサルテイング業務等の制限
≫公認会計士交代制度
≫共同監査・補助者制度
≫会社役員への就任制限
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会計監査人の報酬・・・
会計監査人は、監査業務の公正性および正確性を確保しなければなりません。
会社法は、会計監査人の報酬の決定に関し、監査役の関与を規定しています。
取締役は、会計監査人または一時会計監査人の職務を行なうべき者の報酬を定める場合、監査役の同意を要します。
監査役が2人以上ある場合にあっては、その過半数になります。
監査役会設置会社では監査役会、委員会設置会社では監査委員会が、会計監査人の報酬の決定に関する同意権を有します。
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会計監査人の独立性・・・
会計監査人の独立性を強化し、その役割および責任を明確にするため、会計監査人は、監査役等に対し、会計監査報告の内容を通知するに際して、次の事項を開示しなければなりません。
1 独立性に関する事項その他監査に関する法令および規程の遵守に関する事項
2 監査、監査に準ずる業務等の契約の受託・継続の方針に関する事項
3 監査に従事する者の選任その他の人事の方針に関する事項
4 審査体制その他の業務の実施に関する事項
5 4の体制を維持するための日常的な監視活動の方針に関する事項
6 1~5までの事項についての責任者に関する事項
7 会計監査人の職務遂行が適正に行なわれることを確保する体制等の事項
会計監査人設置会社の監査役は、会計監査人の職務遂行が適正に行なわれることを確保する為の体制に関する事項を内容とした監査報告を作成する必要があります。
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会計監査人の責任・・・
会計監査人は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負います。
大会社か否かにかかわらず、全ての会計監査人設置会社に適用されます。
会計監査人の会社に対する責任は、株主代表訴訟の対象となります。
会計監査人がその任務を怠ったことに対する対会社責任は、総株主の同意がある場合、免責することができます。
会計監査人が職務を行なうにつき善意でかつ重大な過失がないときは、責任の一部を免除することができます。
これは株主総会の特別決議によります。
一部免除額の算定は、賠償の責任を負う額から、職務執行の対価として受けた2年間の報酬額の差額を限度とします。
対会社責任について、会計監査人が職務を行なうにつき善意でかつ重大な過失がないときは、定款で定めた額の範囲内で、あらかじめ会社が定めた額と最低責任限度額とのいづれか高い額を限度とする旨の契約を締結することができます。
これを責任限定契約といいます。
当該契約の締結について定款の定めがあるときは、その定めは登記事項となります。
また、会計監査人は、計算書類が法令および定款に従い株式会社の財産および損益計算書の状況を正しく表示しているかどうかにつき、監査役と意見を異にするときは、定時株主総会において、意見を述べることができます。
会計監査人は定時株主総会において、会計監査人の出席を求める決議があったときは、出席して意見を述べる義務があります。
また、株主は、会計監査人を株主総会の普通決議により、いつでも解任することができます。
会計監査人は、解任について正当な理由がない場合、解任によって生じた損害の賠償を請求できます。
会計監査人が会計監査報告に記載・記録すべき重要な事項について虚偽の記載・記録により第三者に損害を被らせた場合、損害賠償責任を負います。
ただし、当該行為をすることについて、注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りではありません。
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会計監査人の登記・・・
会計監査人を設置した場合、その旨および当該会計監査人の氏名または名称を、株式会社では登記する必要があります。
会計監査人または監査役が負う対会社責任について、定款に免除の定めがあるときは、その定めを登記しなければなりません。
会計監査人または社外監査役が負う対会社責任について、定款に責任の限度に関する責任限定契約が締結されている場合、その定めを登記しなければなりません。
当該定款の定めが社外監査役に関するものであるときは、監査役のうち社外監査役である旨を登記しなければなりません。
監査役設置会社であるときは、その旨及び監査役のうち、社外監査役であるものについては、社外監査役である旨を登記しなければなりません。
登記すべき事項は次のようになります。
株式会社が会計監査人を会社とする場合、あらたにその旨および会計監査人の氏名(監査法人の場合は、その名称)を登記しなければなりません。
≫オンライン未指定庁での登記
設置年月日、会計監査人設置
会計監査人の氏名または名称
計算書類等の備置の場所
≫オンライン指定庁での登記
会計監査人設置
設置年月日
資格 会計監査人
計算書類等の備置の場所
会計監査人の氏名または名称
オンライン庁とは、コンピューターのオンラインに基づく登記を指し、オンライン未指定庁とは、コンピューターのオンライン登記がなされていない登記所での登記を指します。
会計監査人の就任登記には、選任に係る株主総会議事録、会計監査人の就任承諾書に加え、次の添付書類を必要とします。
会計監査人が監査法人である場合、当該法人の登記事項証明書、会計監査人が法人でなく個人の公認会計士である場合、その資格を証明する書類になります。
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