証拠となる催告の内容証明郵便・・・

証拠となる催告の内容証明郵便・・・

債務者の支払に遅延が起こった場合、まずは相手方に対して催告をして任意の支払を求めます。

保証人に対しても主債務者の履行が滞っているので保証人として支払をするように催告します。

契約書では、「分割金の返済を一度でも怠ったとき」には当然に解除できると規定しており、これは無催告解除といいます。

ただし、裁判では無催告解除の契約条項そのものの効力が争われることがありますので、契約書では無催告解除が認められていても、解除することの通知は出しておく必要があります。

相手方に支払い催告をする際には、内容証明郵便を使うと、郵便局がどのような内容の郵便を発送したのかについて証明してくれます。

また、配達証明をつけると、郵便局員が相手方へ配達したことを証明してくれます。

内容証明郵便は、催告の事実の有無が後日争われるのを防止する役割などがあり、また、次のような場合に効果があります。

種類 目的 説明
時効完成間近の催告 時効停止のため 時効完成が差し迫っているときに配達証明付内容証明郵便によって催告をし、6ヶ月の時効停止になることを明確にさせます。
相殺通知 優先弁済を主張するため 相殺する前に、反対債権が第三者によって差押えられるのを防止し、それに対抗するようにします。
代物弁済予約完結権行使通知 期間確定のため 仮登記担保法によって2ヶ月の清算期間を設けることが必要になるため、いつ通知をしたのかの確定も必要になります。
債権譲渡通知 他の債権譲受人に対抗するため 債権譲渡では確定日付のある通知、承諾がなければ、同じ債権を二重に譲り受けた第三者に対抗できません。

配達証明付の内容証明郵便で債務者に譲渡通知を発送します。

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抵当権の不動産の任意売却・・・

抵当不動産の任意売却では、売却代金の中から抵当権者や差押債権者に対して弁済をして、抵当権を抹消し、差押を解除させます。

通常は、売買代金の決済時に債権者は立ち会って、その場で代金の受領と引換に担保抹消書類を交付します。

競売決定がなされている場合には、競売の取下げも同時に行います。

任意売却では、競売手続で換価される金額より高く、もし競売より高くなければ意味がなく、そのような場合には不当廉売で陰で買い戻すという悪質な手段も考えられますので、注意が必要です。

任意売却の場合、他の担保権者や差押権者との調整が必要になり、差押権者などがいますと、事実上不動産の売却ができませんから、差押解除の承諾料などの必要が出てきます。

また、上位順位の抵当権者がいるときには満額回収できない場合もあり、担保抹消承諾料しか得られないような場合もあります。

これは、もともと抵当権を設定したときに十分な余剰価値がないのに設定したことが原因ですから、0円よりはましかもしれません。

また、後順位の抵当権者がいるときは、逆に後順位抵当権者の抵当権を抹消するために、一定額の後順位抵当権者の承諾料が必要になる可能性があります。

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私的実行としての質権と仮登記担保・・・

質権の私的実行について、動産質の場合には質入物を自ら売却処分してその代金を貸金の返済に充当し、債権質の場合には直接第三債務者に取立てをして、その支払代金を弁済に充当します。

ただし、これができるのは、あらかじめ質権設定契約において流質特約を締結している場合に限られます。

ですので、動産質権などを設定する契約をする場合には、流質特約は必ず規定しておきます。

債権質の場合、第三債務者に対して直接取立てをできますが、質権設定承諾書をとっておく必要があります。

債権質の場合の第三者への対抗要件は、債権譲渡と同じ、確定日付のある通知又は承諾が必要なのです。

これがなければ、第三債務者への取立てはできません。

次に、仮登記担保の私的実行について、仮登記担保では代物弁済によりその不動産の所有権を取得しますので、債務者に対して所有権移転の本登記をさせます。

このときには、清算義務があります。

仮登記をしておけば、その後に抵当権が設定され、第三者が所有権を取得しても、本登記すれば所有権を取得できます。

ただし、仮登記がなされているといっても、所有権移転登記手続きは一方的に行えるわけではありません。

本登記をするには改めて債務者に不動産登記済権利証と移転登記用委任状を提出させなければなりません。

債務者が本登記移転に応じないときは移転登記手続き請求訴訟を提起しなければなりません。

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