ローンの返済方式とは・・・
返済には、いくつかの種類があります。
この返済方式の違いによって金利負担が違ってきます。
基本的な返済方式は、元金均等償還方式、元利均等償還方式、アドオン方式の3つがあります。
<元金均等償還方式>
元金均等返済とも呼ばれ、毎回返済する返済額を金利部分と元金部分に分けた場合、元金部分の額が一定額になる返済方式です。
<元利金等償還方式>
元利金等返済とも呼ばれ、毎回返済する元利金両方の返済額が一定額となる返済方法です。
<アドオン方式>
利息を計算する際に、借入金の返済がすべて終わるまで、当初借り入れした金額を元本として利息計算を行います。
アドオン方式の場合は、当初の元本が減っている事を考慮しないで利息の計算をするので、実際に表示されている借り入れ利率よりも金利負担が重くなります。
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元金均等償還方式とは・・・
元金均等償還方式は、元金均等返済ともいわれます。
元金部分の返済額が一定で、元金を返済回数で割った数字が、毎回の元金部分の返済額となります。
借入金額 100万円
返済方法 元金均等返済 1年毎返済の10回払い
期間 10年
金利 3%
この条件で各回の返済額を求めてみます。
元金部分は常に一定なので、返済回数で割ることで計算できます。
元金の各回均等返済額=借入額÷返済回数
借入額100万円、返済回数10回で、各回元金返済分は10万円です。
次に利息部分です。
100万円を金利3%で借りていますから、1年後には3万円の利息がついて103万円になります。
返済日が来たら、利息3万円分と元金部分10万円を返済します。
借入残高は90万円になります。
次回はこの90万円に利息がつくというようになります。
各回の利息返済分=借入残高×利率÷100
初回の利息は、借り入れの残高100万円が丸々効いてきます。
3万円=100万円×3÷100
5回返済を終えた時、6回目の返済額を計算してみます。
各回元金返済部分は、10万円で変わりません。
変わるのは利息部分です。
6回目の返済なので、5回目までは返済が終わっています。
各回返済部分は10万円なので、5回分50万円が返済終了しています。
この50万円を当初借入額から引くと、借入金の残高が計算できます。
50万円×3÷100
=15,000
となります。
この元金均等返済予定表は下記になります。
回 | 元金 | 利息 | 合計返済額 |
1 | 100,000 | 30,000 | 130,000 |
2 | 100,000 | 27,000 | 127,000 |
3 | 100,000 | 24,000 | 124,000 |
4 | 100,000 | 21,000 | 121,000 |
5 | 100,000 | 18,000 | 118,000 |
6 | 100,000 | 15,000 | 115,000 |
7 | 100,000 | 12,000 | 112,000 |
8 | 100,000 | 9,000 | 109,000 |
9 | 100,000 | 6,000 | 106,000 |
10 | 100,000 | 3,000 | 103,000 |
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元利均等償還方式とは・・・
元利均等償還方式は、元利均等返済といわれます。
元利均等返済は、ローン総額が大きく、返済期間も長期にわたるようなローンの時に多く使用されます。
元利均等償還方式での各回の返済額は、前回返済時点の借入金残高に対する、前回返済時点から今回返済時点までの利息に、元本返済分として元本の一部を加えたものになります。
借り入れ 100万円
返済 元利金等返済 1年毎返済の10回払い
期間 10年
金利 3%
この場合に元利均等返済を考えます。
100万円を金利3%で借りているわけですから、1年後には3万円の利息がついて103万円になります。
1回目の返済が行われると、返済後の残高は、元金100万円に3万円の利息がついた103万円から、均等返済額を引いた金額になります。
100万円×1、03-返済額
2回目の返済では、前回返済後残高である103万円-返済額に3%の利息がつきます。
(100万円×1、03-返済額)×1、03
ここから返済分を返済するので、返済後の借入金の残高は、
(100万円×1、03-返済額)×1、03-返済額
となり、3回目の返済後の借入金残高は、
{(100万円×1、03-返済額)×1、03-返済額}×1、03-返済額
となります。
この計算を最終返済回まで繰り返します。
そして、最終に借入金残高が0になるような返済額が、各回の返済額になります。
元利均等返済は、均等返済額は一定ですが、元金と利息部分の内訳が変動します。
その利息部分は、前回返済後の借入金残高に対する利息なので、均等返済額が一定な分、借入金残高は元金均等返済方式に比べて減りません。
回 | 元金 | 利息 | 合計返済額 |
1 | 87,231 | 30,000 | 117,231 |
2 | 89,848 | 27,383 | 117,231 |
3 | 92,543 | 24,688 | 117,231 |
4 | 95,319 | 21,911 | 117,231 |
5 | 98,179 | 19,052 | 117,231 |
6 | 101,124 | 16,106 | 117,231 |
7 | 104,158 | 13,073 | 117,231 |
8 | 107,283 | 9,948 | 117,231 |
9 | 110,501 | 6,730 | 117,231 |
10 | 113,816 | 3,414 | 117,231 |
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アドオン返済方式とは・・・
アドオン返済方式とは、元利均等返済方式と同じく、各回返済額が同じになります。
例えば、100万円を借り入れします。
アドオン方式で返済するものとし、借り入れの期間は10年、1年毎返済の10回払いで、金利は3%とします。
金利3%の100万円のローンに対して、1年後には3万円の利息がついて103万円になります。
返済日が来たら、利息3万円と元金部分10万円、合計13万円を返済します。
すると、借入金残高90万円になります。
ここまでは、元金均等返済方式と変わりません。
違うのはここからの利息計算です。
アドオン方式では、借入金残高が返済によって減少しても、利息計算は当初の借入金残高で行います。
ということは、借入金残高が90万円になっても次回利息が2万7,000円になるわけではなく、あくまでも当初の100万円に対する利息である3万円なのです。
この計算方法が最終回まで続きます。
アドオン方式の金利計算は、返済を続けている期間、当初借入金の額に対する金利がかかり続けるのです。