会社への貸付とは・・・

会社への貸付とは・・・

会社にお金を貸すときには、どのようなことに注意すれば良いでしょうか?

まず回収を一番に考えなければなりませんから、貸し付ける会社に支払い能力があること、社長に直接会って、その人柄を確かめることも重要です。

会社の資産として手っ取り早いのが、会社及び会社の社長所有の不動産の登記簿謄本を調べ、その不動産が担保に入っているか、入っているのであればどの程度の担保に入っているか、担保権者は誰かなどを調べることです。

また、規模の小さな会社ですと、会社の資産と社長の資産が名義のいかんにかかわらず、実質的には入り混じっていたり、一致していたりすることが多いです。

ですので、会社に貸し付けるとしても、その社長に連帯保証人になってもらうことも必要になってきます。

資産調査の上、不動産にその価格を超えて、いくつもの抵当権が設定してあったり、あるいは代物弁済の予約がしてあったりする場合には、貸付を考える必要があります。

実際に貸し付ける場合には、必ず、契約書、借用書などを作成してもらわなければなりません。

借用書を書いてもらうときは、金額、弁済期日、弁済方法、利息をもらおうと思えば利率、実際に金銭を貸し渡した日付などをはっきり書いてもらった上、署名押印をしてもらってください。

そして、貸し付ける前には、必ず交渉する大切なことがあります。

資産状態のしっかりしている人に連帯保証人になってもらう。

または、物的な担保を提供してもらう。

これが債権の保全につながります。

また、会社から支払期日を満期とし、支払期日までの利息を貸金にくわえた金額の約束手形を振り出してもらい、これに社長や保証人に裏書をしてもらうと、一つのプレッシャーにはなります。

また、金銭消費貸借契約を公正証書にしてもらい、会社が債務不履行したときに、直ちに強制執行できるようにしておく手もあります。

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売掛金を準消費貸借へ・・・

商取引で生じる売掛金の回収はどのようにしていけば良いのでしょうか?

消費貸借によらず売買などで金銭を給付する義務を負う人がある場合に、当事者がその売買代金をもって消費貸借の目的とすることを約束すると、それによって消費貸借が成立したものとみなされます。

これを準消費貸借といいます。

商品を掛けで売った場合には、売掛金ですよね。

その売掛金を一括で払えないような場合には、それを分割で支払うような契約に変えていくことを準消費貸借というわけです。

そして、準消費貸借では、当然、支払期日や利息、履行遅滞の損害金などを規定することができます。

この準消費貸借は、もともと商品を売った代金ですから、相手には商品があるわけですよね。

その商品が、工作機械など担保価値があるのであれば、その商品に譲渡担保を設定することで、保全ができます。

では、この商品販売という契約と、準消費貸借という契約が同一性を保つのか?と言う問題が出てきます。

というのは、準消費貸借をした場合に、従来の債務に付着していた抗弁権(例えば同時履行の抗弁権)や担保権(例えば抵当権)などが新たな消費貸借上に債務に及ぶかという問題があるからです。

それぞれの具体的な事情によって違ってくるのですが、特別な事情がなければ、消費貸借の性質に反しない抗弁権や担保権は消滅しません。

同一性を保つわけです。

しかし、当事者がとくに従来の債務を消滅させて新債務を成立させようと約束したらどうでしょうか?

これを更改といいます。

従来の債務に付着していた抗弁権や担保権は原則として消滅することになります。

それでは、準消費貸借をした場合、これによって生じた新債務の消滅時効期間は、どうなるのでしょうか?

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民法改正により短期消滅時効制度は廃止に・・・

旧民法では売掛金やツケなどの債権は短期消滅時効制度により、売掛金なら2年、ツケなら1年で消滅時効にかかりました。

しかし、民法改正により短期消滅時効制度は廃止になり、改正民法の規定が採用されます。

<改正後の民法の消滅時効の規定>

・債権者が権利を行使することができることを知った時から5年

又は

・債権者が権利を行使することができる時から10年

「債権者が権利を行使することができる時」とは客観的起算点といわれ、権利を行使するのに法律上の障害がなくなった時を指します。

法律上の障害とは、例えば、支払期限が定められている債権について、その期限が来ていない状態をいいます。

「債権者が権利を行使することができることを知った時」とは主観的起算点といわれます。

そうなると、売掛金やツケの消滅時効期間は業種を問わず、原則として5年となります。

それは、債権者は権利を行使することができることを知っているのは当たり前だからです。

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