訴訟の流れとは・・・

訴訟の流れとは・・・

債権の有無、金額について争いがあり、話し合いもつかず、調停も成立しなければ、訴訟をするしか債権回収の手段がなくなります。

金銭債権は相手の持参債務です。

履行地は債権者の住所になりますから、債権者の裁判所の管轄になります。

ただし、裁判所へ何度か出頭したり書面を作ったりしなければならず、労力を使う事になりますが、納得が行かないようなら、思い切って訴訟を起こしてみるのも一つの方法です。

訴訟ということになれば、債務者が嫌がって、債権を支払ってくれる可能性もあります。

もし、訴えられた相手方が第1回法廷の期日呼出状を受け取りながら、答弁書も出さずに出頭しないと、欠席裁判になり勝訴することもあります。

また、訴訟を起こしたからといって、疲れ果てるほど闘う必要もありません。

証拠調べなどが終われば、大体判決の見通しはつきます。

その段階で、訴訟の相手方と話し合って、和解によって解決する方法もあります。

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訴訟のメリット・デメリットとは・・・

訴訟により金銭の支払の勝訴判決を得れば、相手の財産に対し強制執行をすることができます。

土地建物の明け渡しや物の引渡しもできます。

不動産の登記も、判決で強制執行することができます。

判決で債権が認められれば、消滅時効の期間はそれ以後5年となります。

しかし、訴訟を起こすとなると、労力と費用がかかります。

また、訴訟で敗訴になりますと、その債権は存在しないことになり、債務者から債権回収をできなくなってしまいます。

訴訟では、自分に有利な点だけを意識して都合の悪いことを無視したり、裁判所に隠したりすると、意図に反して敗訴する事もあるのです。

また、訴訟を起こすとなると、裁判所は主張を裏付ける証拠を詳しく調べて、その上で判決を下します。

ですから、時間もかかりますし、手続も難しく、素人では手に負えない場合も出てきます。

これに対し、和解ならば、話し合いさえつけばよく、法的な主張も証拠も、代理人もいらず、簡易迅速に解決する可能性が高いかもしれません。

<メリット>

・勝訴判決が得られれば強制執行をして回収できる

・判決により消滅時効の期間が10年に延びる

・勝訴により相手が支払いに応じてくれる場合がある

・強制執行をせず、和解に持ち込む事ができる

<デメリット>

・訴訟費用のほかに弁護士に頼めば弁護士費用がかかる

・判決が出るまでに早くて半年、遅いと2年かかることもある

・弁護士との打ち合わせなど自分の時間をとられる

・敗訴の場合には債権の回収が完全に不能になる

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訴訟の手順とは・・・

訴訟は原告の訴状提出で始まります。

提出先は管轄を有する地方裁判所(訴額140万円超)または簡易裁判所(訴額140万円以下)です。

裁判所により法廷へ出頭する日時が定められて、原告・被告双方に通知と呼出の送達があり、訴訟が始まります。

訴状に対する被告の答弁書が出され、原告の訴訟上の請求と、その原因とする事実の主張に対する認否があります。

被告が原告の言い分を認めれば原告の勝訴判決、または被告の認諾調書作成で訴訟は終わります。

事案に争いがあれば、期日を重ね、原告被告双方の主張と抗弁を準備書面により出し合い、裁判所が争点を整理します。

この争点については証拠調べにより事実認定がされます。

証拠には、書証・人証・検証・鑑定などがあります。

事実認定により、裁判所が心証を得れば訴訟は終わり、判決期日が定められ判決が言い渡され、判決書が送達されます。

敗訴者は判決送達後14日以内に控訴、上告をし、1、2審の判決を争うことができます。

また、裁判所は途中で和解を勧めることもあります。

この場合は和解期日が定められ、法廷ではなく裁判官室などで話し合いになります。

原告・被告同席ではなく、別々に意向を聞かれるようです。

和解が成立すれば和解調書が作成され、訴訟は終了します。

民事訴訟法133条(訴え提起の方式)

一 訴え提起は、訴状を裁判所に提出してしなければならない。

二 訴状には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

1、当事者及び法定代理人

2、請求の趣旨及び原因

民事訴訟法89条(和解の試み)

裁判所は、訴訟がいかなる程度にあるかを問わず、和解を試み、又は受命裁判官若しくは受託裁判官を試みさせることができる。

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