債務者をつかまえることが大切・・・
請求の本筋は、債務者のところに出向いていき、こちらの主張を述べ、相手の言い分を聞いて、いつ払ってくれるかを確認する事です。
しかし、いつ伺いますと電話して行っても、急に用事ができたとか、あるいは代理の者に話を聞くよう言って出かけたなど、はぐらかされることが多いものです。
また、電話をして行く事を予告すると、居留守を使われる事もよくあります。
こんな事を防ぐためには、何も予告しないで当然行く事が一番効果的です。
債権回収をするために債務者の自宅や債務会社に出向くのは当然の権利行使ですから問題はありません。
ただし、貸金業者は、多人数で押しかけたり、正当な理由無く午後9時から午前8時までの間は訪問を禁止されています。
また、日中でも正当な理由のない執拗な取立て行為は禁止されています。
では、貸金業者でなければ、深夜1時ごろに出向いていっても良いかといわれると一概には言えません。
債務者の自宅が住宅街にあり、深夜1時にドアを激しくノックするなどの行為は、嫌がらせと見られ、脅迫罪になる恐れもあります。
しかし、周りがにぎやかな商店街でバーや飲み屋も多く、深夜1時に終業する債務者であれば、その時間が問題になる事はまず無いと思われます。
また、債務者からもらっていた手形が不渡りとなった日の深夜に、切羽詰った債権者が債務者の自宅へ怒鳴り込んでいったとしても、手形の買戻しや資金繰りの急迫性を考えれば、しょうがいないこととされるでしょう。
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債務確認書を取るべき・・・
債権の回収が困難であればあるほど、債務者のところへ行って、債務者に請求することが必要です。
そして、債務者をつかまえたら、何らかの約束を取り付けることが大切です。
その際には、債務確認書を取るべきです。
貸金や売掛金などの債権があれば、請求すれば良いのですから、別に債務確認書を取る必要はないのではと、思われるかもしれません。
確かに債権者と債務者との関係が、請求すれば支払うという関係にあれば、債務確認書など必要ありません。
しかし、両者の関係がこじれればこじれるほど、いつ債権の有無をめぐって争いが起こるかもしれません。
商品の受け渡しがあった、あるいは金の貸し借りがあったという前提の下での債務確認書ですから、裁判上の立派な証拠となります。
さらに、債務者の債務確認書は、債務を承認する行為ですから、時効を更新させる効果があります。
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支払いの延期を申入れた時がチャンス・・・
債権を回収するための請求をし、債務者が支払期日までに支払えず、支払い延期を申し入れてきた場合、すんなりとそれを受けてはいけません。
この段階で、債権者は債務者との力関係が変わり、優位に立てます。
その際には、この債権をより強い力を持った債権に変更するために債務者に交渉をするべきです。
債権に担保がついていなければ、要求します。
抵当権、根抵当権、代物弁済の予約などの物的担保でも良いし、相手の会社の代表個人の連帯保証でも良いと思われます。
債務者も支払期日をどうしても延期してもらいたければ、この申し出をむげに拒む事はできないはずです。
手形を差し入れてもらう事もよく行われます。
支払期日に手形が落ちなければ不渡りとなり、会社の信用にもかかわるからです。
譲渡担保として、不動産や債務会社の機械などを担保に取る方法もあります。
また、契約に違約金の定めがなければ、契約条項にこれを入れる方法もあります。
売買代金にこれまでの利息を含めたものを貸金として契約を結び直し、公正証書にする方法もあります。
支払い延期を認める時、契約書を書き換える必要が出てきます。
契約書を書き換える場合、支払期日だけを訂正するだけでは不十分といえます。
別紙等で訂正の事実関係を記録して念書や覚書として取っておくのも一つの方法です。
新たに作成する契約書には、訂正した期日の不払いに備えて、過怠約款の定め、遅延損害金の定めも入れ、この内容を公正証書または即決和解調書にしておくと効果的です。
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