離婚原因のある者への慰謝料請求・・・

離婚原因のある者への慰謝料請求・・・

離婚原因が、配偶者の一方の責任によるときは、慰謝料の請求ができます。

慰謝料とは、精神的苦痛に対する損害をいいます。

民法は、他人の身体、自由又は名誉を害した場合と、財産を害した場合とを問わず、不法行為により損害賠償の責任のある者は、財産以外の損害に対しても賠償責任があると定めています。

この財産以外の損害には、精神的苦痛に対する損害である慰謝料が含まれます。

不法行為というのは、故意又は過失により他人の権利を侵害することであり、これを行なった者は、相手方に対して損害賠償の責任があります。

(不法行為による損害賠償)
民法第709条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

(財産以外の損害の賠償)
民法第710条 他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず、前条の規定により損害賠償の責任を負う者は、財産以外の損害に対しても、その賠償をしなければならない。

慰謝料の請求には、不法行為が前提となっており、不法行為がない場合には、慰謝料の請求はできません。

不法行為は、必ずしも、単独で行なわれるとは限らず、複数で共同して、不法行為を行なう場合も考えられます。

その場合には、その複数の不法行為者が、連帯して責任を負うことになります。

例えば、夫とその愛人が、夫に妻があることを知りつつ肉体関係をもった場合、夫とその愛人は、妻に対して共同不法行為を行なったことになります。

夫とその愛人は、妻に対して、連帯して不法行為を負い、妻は、その両者に対して慰謝料を請求することができます。

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未成年者の結婚の父母の反対・・・

花子さんは19歳、太郎さんは20歳で、結婚しようと考えています。

花子さんは、両親に相談したところ、父は猛反対し、母は仕方がないと同意しています。

太郎さんの両親は、結婚に賛成していますが、法律的に結婚できるのでしょうか。

民法は、男が満18歳、女が満16歳になれば婚姻できるとし、ただし、未成年者の場合には、父母の同意が必要であると定めています。

太郎さんの方は、20歳ですから、父母の同意が必要ではありません。

しかし、花子さんの場合は、まだ未成年者ですから、ご両親の同意が必要ですが、父母の一方が結婚に同意しないときは、他の一方の同意で足りるとしています。

花子さんの場合、母が同意しているので、結婚することができます。

(未成年者の婚姻についての父母の同意)
民法第737条 未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。
2 父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りる。父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、同様とする。

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いとことの結婚はできるか・・・

太郎さんは、小さい頃から、いとこの家に遊びに行き、いとこの花子さんのことが大好きでした。

花子さんが大人になり、美しい女性になりました。

今では、2人とも心から愛し合い、結婚を誓いました。

いとこ同士で、結婚ができるのでしょうか?

民法は、近親婚について一定の制限を定めております。

直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻することができないとしております。

(近親者間の婚姻の禁止)
民法第734条 直系血族又は3親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。
2 第817条の9の規定により親族関係が終了した後も、前項と同様とする。

(直系姻族間の婚姻の禁止)
民法第735条 直系姻族の間では、婚姻をすることができない。第728条又は第817条の9の規定により姻族関係が終了した後も、同様とする。

(養親子等の間の婚姻の禁止)
民法第736条 養子若しくはその配偶者又は養子の直系卑属若しくはその配偶者と養親又はその直系尊属との間では、第729条の規定により親族関係が終了した後でも、婚姻をすることができない。

これは、倫理上と優生学上の理由によるものです。

いとこは、四親等の傍系血族になります。

ですので、いとこ同士の結婚は法律上許されるのです。

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