婚姻できない婚姻障害・・・

婚姻できない婚姻障害・・・

婚姻の合意がなされても、次の婚姻障害にあたるときは、婚姻届は受理されません。

①重婚

重婚とは、二重に結婚することをいいます。

婚姻届は二重に受理されることはないので、例えば、夫婦の一方が勝手に離婚届を出し、戸籍上独身ということにして、他の人との婚姻届を出した場合には、受理されます。

これは悪質な重婚で、その重婚の事情を知っていた両者は、刑法上「重婚罪」に問われ、2年以下の懲役に処せられます。

その他、文書偽造、公正証書原本不実記載などの刑事上の責任が問われることになります。

②再婚禁止期間

女は、前婚の解消又は取消しの日から6ヶ月経過した後でなければ、再婚することができず、これを再婚禁止期間といいます。

再婚禁止期間は、子供の父親をはっきりさせるために設けられ、女性が、前夫と別れて、すぐ他の男と再婚し、妊娠してしまうと、その子がどちらの子であるかがわからなくなります。

そのため、法律で区切りをつけたわけです。

③近親婚の制限

直系血族又は三親等なの傍系血族の間では、婚姻することができません。

直系血族の間とは、親と子、祖父母と孫のことです。

三親等内の傍系血族の間とは、兄と妹、叔父と姪、伯母と甥のことです。

直系姻族の間では、婚姻することができません。

姻族関係が終了してもできません。

直系姻族とは、自己の配偶者の直系血族および自己の直系血族の配偶者をいいます。

例えば、妻からみて夫の父母・祖父母、自己からみて子・孫の夫や妻をいいます。

養子、その配偶者、直系卑属又はその配偶者と養親又はその直系尊属との間では、親族関係が終了しても、婚姻することができません。

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婚姻の無効と取消し・・・

婚姻は、次の場合に無効となります。

①人違いその他によって、当事者間に婚姻の意思がないとき。

当事者に婚姻の意思がないときは、たとえ婚姻の届出があっても、その婚姻は無効となります。

最高裁は、婚姻の届出があっても、その届出が「単に子の嫡出化を達するための便法として仮託されたものにすぎないときは、婚姻は効力が生じない」としています。

人違いの中には、本人の知らない間に婚姻届が出された場合も、含まれます。

その他、心裡留保、虚偽表示による婚姻も無効となります。

②当事者が、婚姻の届出をしないとき。

婚姻が無効である場合、家庭裁判所に調停の申立てをします。

婚姻が無効であることの確定審判が出た場合には、戸籍の訂正を行うことになります。

婚姻は、次の場合に取消すことができます。

①不適齢者の婚姻

②重婚

③再婚禁止期間中の女の婚姻

④近親婚

⑤詐欺・強迫による婚姻

婚姻の取消しは、裁判所に対する訴訟によってなされます。

婚姻の取消権者は、原則として各当事者で、その他、親族、検察官も取消権者になります。

婚姻が取消されても、その効力は遡らず、その間に生まれた子は、嫡出子として取り扱われます。

ただし、当事者間の財産関係については、遡ります。

婚姻当時、取消の原因があることを知らなかった当事者が、婚姻によって財産を得たときは、現に利益を受ける限度において、それを返還しなければなりません。

また、婚姻の当時、取消の原因があることを知っていた当事者は、婚姻によって得た利益の全部を返還しなければなりません。

この場合、相手方が知らなかったときは、これに対し損害賠償の責任を負います。

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離婚の方法・・・

離婚とは、婚姻を解消することをいいます。

民法や家事審判法によって、4つの離婚方法が定められており、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚があります。

①協議離婚

夫婦は、協議によって離婚することができます。

夫婦が話し合って、納得して離婚するわけですから、離婚に当たっての理由は問われません。

2人の間で、協議離婚が成立したときは、離婚届を市区町村役場に届出します。

離婚届は、必ず夫と妻が自署して、押印しなければなりません。

協議離婚である旨を明示します。

離婚後、氏を婚姻前に戻すか、婚姻後の氏にするかを明示します。

未成年者の子があるときは、その子の親権者を誰にするかを明示します。

離婚届に当たって、2人以上の証人の署名と押印が必要です。

②調停離婚

夫婦で離婚の協議が調わないときは、家庭裁判所へ調停を申し立てます。

調停離婚とは、当事者が家庭裁判所に調停を申し立てて、そこで離婚の話し合いをすることです。

家事審判法では、離婚などの人事に関する訴訟については、家庭裁判所に調停で行なうものとしています。

離婚について、いきなり訴訟を申し立てることはできず、まずは調停を経なければならない調停前置主義をとっています。

離婚を直接裁判所に訴えた場合には、裁判所は職権で、その事件を調停にまわさなければなりません。

調停離婚の申立てがなされますと、家庭裁判所は、非公開で調停を進めます。

当事者と家事調停委員会の人たちのみで話し合いがもたれ、傍聴人は入れません。

調停委員会の人は、判事1人と調停委員2人以上です。

調停離婚で、離婚の合意ができると、調停調書が作られ、調停が成立し、離婚が確定します。

調停調書に、離婚の合意が記載されますと、確定判決と同一の効力が生じます。

調停離婚が不成立に終わったときは、当事者が、なお離婚を争う場合には、調停不成立後2週間以内に訴訟を起こします。

そうすると、調停申立をした日に訴訟を起こしたものとして扱われます。

③審判離婚

家庭裁判所が独自の判断で、離婚を審判することがあり、これを審判離婚といいます。

家庭裁判所は、調停委員会の調停が成立しなかった場合、相当と認めるときは、当事者双方の衡平、その他一切の事情を考えて、当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で、職権を持って、離婚の審判をすることができます。

離婚の審判について、当事者が異議の申立てがないときは、審判が確定し、これは確定判決と同一の効力をもちます。

④裁判離婚

協議離婚も調停離婚もまとまらないときは、裁判によって解決します。

裁判所に、離婚訴訟を起こすには、法定の離婚原因がなければなりません。

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