児童の虐待に児童虐待防止法・・・
児童虐待する親からは、その親権を取り上げることができるようになりました。
児童虐待防止法は急増する児童虐待の現状を踏まえて制定されたもので、親権者など保護者からの児童に対する虐待を早期に発見して、その児童を虐待から保護し、また虐待行為を防止することを目的としています。
同法では、保護者らの虐待行為を禁じただけでなく、たとで親権の行使であってもしつけに名を借りた逸脱行為を許さず、また虐待行為については、例え親権者であっても暴行罪や傷害罪の刑事責任を負うことが明記されました。
従来の法律では、児童相談所などの施設が虐待を受けた児童を保護しても、その保護者から親権を根拠に引取りを要求されると、それを拒否してまで児童を保護することはできなかったのです。
しかし、同法により、児童相談所長などは、児童虐待を受けた児童を親権者などの保護者の意に反して児童相談所などの施設に入所させるなどの保護措置を取った場合には、保護者に対し、児童との面会や通信を制限することもできるなど、事実上親権の一時停止を含む措置を行なう必要な権限が与えられました。
児童虐待の恐れがある場合には、児童委員などが児童の住居に立ち入り調査ができるようになり、また必要があれば、警察官の援助も求められるような規定も設けられています。
厚生労働省では「里親制度」を充実させ、親の死亡や行方不明の場合には、祖父母や叔父伯母といった親族が里親になる親族里親にも、国が生活費を支給できるようになり、また虐待児童対象の専門里親の制度も創設し、虐待児童の養育は、児童施設の職員や小児科が2年以内の範囲で担当することができます。
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親子と養子の法律の規定・・・
生まれた子供は、次の場合には、その夫婦の嫡出子と推定されます。
①妻が婚姻中に妊娠した場合
②結婚後200日以降に生まれた場合
③離婚後300日以内に生まれた場合
夫婦と出生児の間には、原則として法律上の親子関係が成立します。
親子関係を否認するには、夫は子供の出生を知った時から1年以内に、嫡出否認の訴えを起こす必要があります。
夫婦以外の男女間又は婚姻届を出さない事実婚の夫婦に生まれた子供を非嫡出子といい、法律上の親子関係の成立には認知手続きが必要です。
父母が認知をしない場合でも、子供は父又は母を相手取り、認知の訴えを起すことができ、その訴えは父母の死後3年以内なら可能です。
また、父母は、遺言により子供を認知することもできます。
認知の効力は原則子供の出生のときまで遡って生じますが、非嫡出子なので、遺産相続では、嫡出子の2分の1しか父母の遺産をもらうことができません。
また、法律上、子供には実子と養子の区別があります。
実子とは、その親との血のつながりがある者をいい、養子は法の定める手続により養子縁組をした子供をいいます。
法律上、相続人から排除できる場合を除けば、実子は親子関係を切れませんが、養子は養子縁組を解消すれば、互いの親子関係はなくなります。
また、特別養子縁組という制度もあり、この制度は、原則として満25歳以上の夫婦が満6歳未満の子供を養子にする場合に利用することができ、家庭裁判所の許可を得て特別養子とすると、その子供と実父母との親子関係が終了します。
ただし、特別養子縁組の解消は原則としてできません。
ただ、この離婚後300日問題は改正される予定で、予定案は次の通りです。(2024年夏までに施行予定)
(嫡出の推定)
第 772 条 妻が婚姻中に懐胎した子は,当該婚姻における夫の子と推定する。
女が婚姻前に懐胎した子であって,婚姻が成立した後に生まれたものも,同様とする。
2、前項の場合において,婚姻の成立の日から200 日以内に生まれた子は,婚姻前に懐胎したものと推定し,婚姻の成立の日から 200 日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から 300 日以内に生まれた子は,婚姻中に懐胎したものと推定する。
3、第1項の場合において,女が子を懐胎した時から子の出生の時までの間に二以上の婚姻をしていたときは,その子は,その出生の直近の婚姻における夫の子と推定する。
4、前3項の規定により父が定められた子について,第 774 条の規定によりその父の嫡出であることが否認された場合における前項の規定の適用については,同項中 「直近の婚姻」とあるのは,「直近の婚姻(第 774 条の規定により子がその嫡出であることが否認された夫との間の婚姻を除く。)」とする。
民法改正案では、婚姻日から200日以内に生まれた子であっても、婚姻後に生まれた子であれば、その婚姻における夫の子と推定される規定への見直しが予定されています。
また、この規定を根拠に嫡出推定が前の夫と新たな夫の双方に及びうる場合には、新たな夫のみに嫡出推定が及ぶ規定への見直しが予定されています。
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女子高生との援助交際の罰則・・・
児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律は、満18歳未満の児童を性的搾取や性的虐待から保護することを目的とするもので、とくに買春行為においては、周旋や勧誘をした者だけでなく、対価を支払って児童とセックスを行なった客も処罰対象になります。
客そのものは処罰されない売春防止法とは異なります。
そして、法定刑は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金で、相手が満18歳とは知らなかったという言い訳は通用しません。
(児童買春)
第四条 児童買春をした者は、五年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。
(児童買春周旋)
第五条 児童買春の周旋をした者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 児童買春の周旋をすることを業とした者は、七年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。
(児童買春勧誘)
第六条 児童買春の周旋をする目的で、人に児童買春をするように勧誘した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の目的で、人に児童買春をするように勧誘することを業とした者は、七年以下の懲役及び千万円以下の罰金に処する。
(児童ポルノ提供等)
第七条 児童ポルノを提供した者は、三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金に処する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を提供した者も、同様とする。
2 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
3 前項に規定するもののほか、児童に第二条第三項各号のいずれかに掲げる姿態をとらせ、これを写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第一項と同様とする。
4 児童ポルノを不特定若しくは多数の者に提供し、又は公然と陳列した者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。電気通信回線を通じて第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写した情報を記録した電磁的記録その他の記録を不特定又は多数の者に提供した者も、同様とする。
5 前項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを製造し、所持し、運搬し、本邦に輸入し、又は本邦から輸出した者も、同項と同様とする。同項に掲げる行為の目的で、同項の電磁的記録を保管した者も、同様とする。
6 第四項に掲げる行為の目的で、児童ポルノを外国に輸入し、又は外国から輸出した日本国民も、同項と同様とする。
(児童買春等目的人身売買等)
第八条 児童を児童買春における性交等の相手方とさせ又は第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を描写して児童ポルノを製造する目的で、当該児童を売買した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。
2 前項の目的で、外国に居住する児童で略取され、誘拐され、又は売買されたものをその居住国外に移送した日本国民は、二年以上の有期懲役に処する。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。
(児童の年齢の知情)
第九条 児童を使用する者は、児童の年齢を知らないことを理由として、第五条から前条までの規定による処罰を免れることができない。ただし、過失がないときは、この限りでない。
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