親族の権利義務・・・

親族の権利義務・・・

①配偶者と四親等内の親族は、被後見人、被保佐人の宣告の申請及び取り消しをする権利があります。

②直系血族及び同居の親族は、互いに扶けあわなければなりません。

③直系血族及び三親等内の傍系血族間の結婚は禁止されております。

④親族は、婚姻、縁組の取消しを請求する権利をもっています。

⑤親族は、後見人、後見監督人、後見補佐人の選任、解任の請求権をもっています。

⑥親族は、親権、管理権の喪失又はその取消しを請求する権利をもっています。

⑦直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務があります。

⑧直系血族、兄弟姉妹及び配偶者は、相続の権利をもっています。

⑨犯人を隠したり、証拠をもみ消したりしても、それが親族である犯人の利益のためであるなら、刑が免除されます。

⑩自己又は配偶者の直系尊属を殺し、傷害し、または遺棄、逮捕、監禁すると、一般の人より刑が重くなります。

⑪直系血族、配偶者、同居の親族の間の窃盗、詐欺、恐喝、横領の罪は、刑が免除されたり、親告罪にされます。

⑫直系血族、配偶者、同居の親族及びこれらの者の配偶者の間で、臓物を収受しても刑が免除されます。

⑬配偶者、三親等内の血族、又は二親等内の姻族は、証人として呼び出されても、証言を拒むことができます。

⑭配偶者、直系の親族、兄弟姉妹は、保釈の請求ができます。

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法律上の扶養義務とは・・・

扶養とは、自活できない者の生活を扶助し、その生活を保障することです。

未成熟の子や、身体障害・病気その他の理由で生活能力を欠く者、あるいは老齢者は、一人では生活できません。

憲法は、全ての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利があるとして、生存権を宣言しています。

これに基づく社会制度として、生活保護法、母子福祉法、児童福祉法など制定されています。

これらの公的扶助は、国民に十分に行き渡っていないため、民法は扶養について定めをすることにより、私的扶養を優先させ、その補足として公的扶助を行なうものとしました。

これを、私的扶養の優先、公的扶養の補足性の原則といいます。

民法が定める私的扶養は、次の3つに分けられます。

①夫婦相互の扶助の義務

②未成年者の子に対する親の扶助義務

③その他親族間の扶助義務

①②はその身分に基づき、当然要請される扶養関係で、これを生活保持の義務といいます。

③は近親間で生活に余裕がある場合に行われるもので、これを生活扶助の義務といいます。

夫婦相互の扶助義務については、夫婦の同居・扶助の義務、婚姻費用の分担などで、直接・間接に定められています。

(同居、協力及び扶助の義務)
民法第752条 夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。

(婚姻費用の分担)
民法第760条 夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。

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扶養義務者の扶養方法・・・

民法は、直接血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養する義務があると定めています。

(扶養義務者)
民法第877条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
2 家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、3親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。
3 前項の規定による審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その審判を取り消すことができる。

民法は、これと関連して、直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならないと定めています。

(親族間の扶け合い)
民法第730条 直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならない。

扶養義務者は、原則として、直系血族と兄弟姉妹です。

直系の血族とは、血のつながりがある者はもちろん、養子縁組によってこれと同じに取り扱われる者も含まれ、親と子、孫、祖父母がこれに当たります。

民法は、この例外として、家庭裁判所は、特別の事情があるときは、三親等内の親族間に扶助義務を負わせることができると定めています。

親子など直系血族や兄弟姉妹は、扶養する能力がない場合、これを特別事情として、この場合には三親等内の親族に扶養義務を負わせようとするもので、三親等内の親族とは、叔父伯母甥姪です。

民法は、扶養義務者の扶養の順位について、まず、扶養義務者の間の協議で決めるものとし、もし、協議が調わないときは、家庭裁判所で決めるとしています。

この扶養義務の発生の条件として、要扶養者に、自分の資産又は労力によって、生活ができないという事実があること、扶養義務者の扶養は、自分の生活を維持した上で、なお余裕がある場合にのみ発生します。

民法は、扶養の程度・方法については扶養義務者の間の協議により決めるとし、協議が調わないときは家庭裁判所で決めると定めています。

家庭裁判所が、扶養の程度・方法を決めるにあたっては、扶養権利者の需要、扶養義務者の資力その他一切の事情を考慮して決めるとされています。

扶養義務者の需要とは、その者の需要とは、その者の地位、健康、最低生活を維持するに必要な全費用から、扶養権利者自らの資産又は労力からの収入によってまかなうことができない部分を控除した残余のことです。

医療費や身分に応じた教育費用なども含まれますが、扶養権利者自身が負う債務、その他の生活費などは含まれません。

扶養義務者の資力とは、扶養義務者の資産又は労力から生ずる収入によって、他を扶養する経済的余力をいいます。

扶養の方法については、扶養義務者が扶養権利者の身柄を引き取って養う引取扶養と、身柄を引き取ることなく、扶養権利者に金銭や現物を支給して養う給与扶養があります。

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