戸籍とは・・・
戸籍とは、自分や自分の本籍地、家族の関係を記載した公の帳簿で、自分自身を証明したものです。
この戸籍がなければ、自分が実在していても、社会的に法的に存在していないことになります。
戸籍は、夫婦とその子で、一戸籍を作成し、その子が成長して結婚すると、新夫婦の戸籍が新たに作成されます。
戸籍は、戸籍法によって定められており、必ず届出をしなければなりません。
戸籍には、戸籍原本、戸籍抄本、戸籍謄本と種類があります。
戸籍原本とは、最初に作成した戸籍のことで、これには、自分の氏名、生年月日、本籍、父と母の氏名、続柄、自分が死亡した場合には、死亡年月日などが記載されます。
これらの戸籍の作成は、市区町村長が行ないます。
本籍とは、戸籍簿に記載された戸籍の所在地で、地名・地番で表示され、住所とは関係ありません。
戸籍抄本とは、戸籍原本中、特定の人の身分関係だけを証明したものです。
戸籍謄本とは、戸籍原本の全部を謄写したものです。
戸籍抄本、戸籍謄本は、本籍の所在地の市区町村役場で請求して交付を受けます。
戸籍は、届出によって作成され、次のことが記載されています。
①本籍
②氏名
③出生の年月日
④戸籍に入った原因と年月日
⑤実父母の氏名と実父母との続柄
⑥養子であるときは、養親の氏名と養親との関係
⑦夫婦については、夫又は妻である旨
⑧他の戸籍から入った者については、その戸籍の表示
⑨その他命令で定める事項
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戸籍の届出とは・・・
戸籍の届出は、届出事件の本人の本籍地又は届出人の所在地で行ない、届出に期間の定めがるときは、正当な理由なくその期間内に届出又は申請をしないときは、3万円以下の過料に処せられます。
①出生届
出生の届出は、14日以内にしなければなりません。
出生届は、出生地でもできます。
この場合、医師などによって作成された出生証明書が必要です。
嫡出子なら父、父が届け出られないときは母がし、嫡出子でない子は、母がします。
これらの者が届けられないときは、同居者、医師、助産婦、その他の者が届出をします。
②死亡届
死亡届は、死亡の事実を知った日又は死亡に気づいた日から7日以内に届け出なければなりません。
この届出は、同居の親族、その他の同居者、家主、地主、管理人らがします。
③認知、後見の開始・更迭、相続人の廃除の届出
これらの届出のなかで、裁判で決まるものは、裁判の確定後10日以内に届け出なければなりません。
④氏と名の変更の届出
戸籍法には、氏と名の変更について定められています。
氏を変更したい者は、家庭裁判所の許可を受けて、その許可審判書を添えて届け出ます。
氏を変更許可を得るためには、「やむを得ない事由」が必要とされます。
家庭裁判所は、「仁後(にご)」という氏は、「二号」を連想させるものとして、これを「山田」に変更することを許可した事例があります。
このほか、読みにくい、まぎらわしい、社会生活上困る、などが理由とされる場合には、「やむを得ない事由」となります。
名の変更についても、家庭裁判所の許可を受けて、届出をしなければなりません。
名の変更許可を得るためには、「正当な事由」が必要になります。
「正当な事由」とは、珍奇な名、難解難読、襲名の必要性、社会生活上困る、異性と間違えやすい、長い間通称としてきたなどが正当な事由になります。
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戸籍の除籍・転籍・就籍・訂正・・・
戸籍の除籍とは、従来からあった戸籍を除くことをいい、次のような場合に戸籍を除籍します。
①新戸籍が編製されるとき。
例えば、婚姻した者が婚姻届をする場合には、従来の父母の戸籍から除かれます。
②他の戸籍に入るとき。
例えば、養子縁組のときの養子は、従来の戸籍から除籍されます。
③死亡・失踪宣告、国籍喪失者も、従来の戸籍から除籍されます。
除籍された者は、従来の戸籍から抹消されます。
死亡などによって従来の戸籍から全員除籍されたときは、戸籍簿からはずされ、除籍簿として保存されることになります。
この除籍簿は、除籍された人の身分関係や家族関係を明らかにします。
転籍とは、本籍をその本籍のあった従来の市区町村から、他の市区町村に移すことをいいます。
この場合、従来の戸籍は除籍簿に移され、代わって転籍先で戸籍簿が編製されます。
就籍とは、本籍がない者、あるいは本籍が明らかでない者が、家庭裁判所の許可を受けて新しく本籍を設けることをいいます。
また、戸籍は、届出本人や利害関係人などによって、訂正することができます。
ただし、家庭裁判所の許可が必要になります。
戸籍の訂正は、次の場合にできます。
①記載に法律上許されないものがあるとき
②記載に錯誤や遺漏があったとき
③記載に無効な行為の記載があったとき
また、裁判所の確定判決によって、戸籍が訂正されることもあります。
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