取締役の期末填補責任・・・

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取締役の期末填補責任・・・

会社法は、事業年度に係る計算書類につき、欠損が生じた場合、業務執行者が負う填補責任を任務懈怠責任とは異なるものとし、次の場合には填補責任を課さないものとしています。

≫定時総会の決議に基づく株主に対する金銭等の分配

≫資本金・準備金の減少の際に併せて剰余金を分配する場合において、分配額が減少額以下のとき

定時株主総会の決議に基づく株主に対する金銭等の分配とは、利益の配当、定時総会の決議による自己株式の買受け、資本金・準備金の減少に伴う払戻などを指します。

業務執行者は、その職務を行なうについて注意を怠らなかったことを証明した場合、当該超過額についての支払い義務は課されません。

また、総株主の同意があれば、免責されます。

期末の填補責任が課される対象となる剰余金分配の範囲および算定は、次のように規定されています。

≫期末の填補責任が課される対象となる剰余金分配の範囲は、当該行為をした日の属する事業年度に係る計算書類につき承認を受けた時を規準とします。

≫欠損の判定は、最終の決算期後当該決算の確定時までの剰余金分配限度額の増減をも反映させるものとします。

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資本金・準備金の減少・・・

株式会社は、次の事項を株主総会の特別決議で定め、資本金の額を減少することができます。

≫減少する資本金の額

≫減少する資本金の額の全部または一部を準備金とするときは、その旨および準備金とする額

≫資本金の額の減少がその効力を生ずる日

減資は株主総会の特別決議および会社債権者保護手続(公告・催告)を要します。

しかし、新株発行と同時に減資をする場合、減資効力日の資本金の額が、従前の資本金の額を下回らないときは、総会決議は不要です。

減資が株主総会の普通決議でよい場合としては、定時株主総会で、かつ減資後も配当可能な剰余金が生じないときになります。

減少する資本金の額は、その効力を生ずる日の資本金の額を超えることはできません。

減少資本額を準備金に計上することができ、準備金とすることおよび減資の効力日が、株主総会の決議事項となりました。

欠損填補および払戻の目的等は、決議事項ではありません。

株式会社の成立後、最終的に減少することができる資本金・準備金の額については、制限を設けないものとします。

資本金の減少と株数の減少は無関係で、資本金は0円まで減少が可能です。

また、株式会社は原則として、株主総会の普通決議により、資本の部の計数を変動させることができます。

準備金の資本組入れは、準備金の減少として規制されます。

効力発行日も株主総会の決議事項です。

準備金を減少させる場合、株主総会の決議により、次の事項を定めることを要します。

取締役会設置会社では、これらは取締役会の決議によります。

≫減少する準備金の額

≫減少する準備金の額の全部または一部を資本金とするときは、その旨および資本金とする額

≫準備金の額の減少がその効力を生ずる日

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減資に係る施行規則・・・

株式会社は、資本金の額を減少する場合、株主総会の特別決議によります。

しかし、定時株主総会で、かつ、減少する資本金の額が定時株主総会の日における欠損の額として、法務省令で定める方法により算定を超えない場合、株主総会の普通決議です。

定時株主総会の日は、計算書類を取締役会で確定する場合、取締役会の承認があった日になります。

会社法309条2項9号が規定する法務省令で定める方法とは、次のいずれか大きい額をもって欠損の額とします。

1号 零

2号 零から分配可能額を減じて得た額

また、減少する資本金の額は、その効力を生ずる日の資本金の額を超えてはなりません。

しかし、株式会社の成立後、最終的に減少することができる資本金の額については下限規制がありません。

資本金が0円ということも可能です。

資本金の額は登記事項であり、資本金が0円の場合、不存在という表示ではなく、0円という記載になります。

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資本組入れと準備金・・・

資本金の額は、設立または株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込または給付をした財産の額(金銭又は現物出資)とします。

株式の発行時における資本金に組み入れるべき額は、発行価額ではなく、払込額基準により算定します。

払込または給付に係る額の2分の1を超えない額は、資本金として計上しないとすることができます。

しかし、当該計上しないこととした額は、資本準備金として計上することを要します。

株式会社設立時の資本金は払込額基準によりますが、定款の認証手数料、払込取引機関への手数料・報酬、設立登記の登録免許税は資本金または資本準備金から減じます。

会社法は、資本準備金および利益準備金の扱いは、次のようにします。

1 資本準備金および利益準備金は、準備金として規制する。

2 会社の設立または株式発行に際して、株主となる者が払込または給付に係る額の2分の1を超えない額は、資本金として計上しないことができる。

3 2の資本金として計上しないこととした額は、資本準備金として計上しなければならない。

4 剰余金の配当をする場合、当該剰余金の配当により減少する剰余金の額に10分の1を乗じて得た額を資本準備金または利益準備金として計上しなければならない。

合併、吸収分割、新設分割、株式交換、株式移転に際して資本金または準備金として計上すべき額は、法務省令が定めます。

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株主総会の時期・承認・開示書類・・・

会社法は、監査役・会計監査人に計算書類を提出してから一定期間を経過しなければ、定時総会を開催することができないとする従来の期間規制を削除しています。

定時総会の開示書類として、株式会社は貸借対照表、損益計算書および事業報告ならびにこれらの附属明細書に加え、株式会社の財産および損益の状況を示す為に必要かつ適当なものとして法務省令で定めるものを作成する義務があります。

法務省令で定めるものとは、株主資本等変動計算書および注記表です。

事業報告は、計算書類ではなく、会計監査人の監査の対象ではありません。

事業報告には、主要な事業内容、事業年度の事業経緯と成果、過去3年以上の営業成績と財産状況など、会社の状況に係る重要事項を記載します。

また、内部統制システムに関する事項を決定・決議した場合、その概要を事業報告書の内容とする必要があります。

取締役会設置会社では、附属明細書を除き、計算書類および事業報告を定時総会の招集の通知に添付し、株主に送付しなければなりません。

取締役非設置会社では、総会の招集の通知に計算書類の添付は不要です。

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