譲渡担保設定等契約書書式・・・

譲渡担保設定等契約書書式・・・

譲渡担保設定等契約書

債権者株式会社山田工業を甲、債務者田中商会株式会社を乙とし、甲乙は以下の内容による契約を締結する。

第1条 乙は甲に対し、甲乙間の平成**年**月**日付金銭消費貸借契約に基づく借受金債務が元金***円、利息**万円、合計***万円であること及び残元金に対する平成**年**月**日から支払済みに至るまで年**%の割合による遅延損害金債務のあることを確認する。

第2条 乙は甲に対し、前条の金員全部を平成**年**月**日限り、甲の本社に持参又は送金して支払う。

第3条 乙は前条の債務の支払を担保するため、次条以下の約定により、その所有する末尾記載の***機*台及びその付属設備、**機械器具一式(以下「本件物件」という。)を甲に譲渡し、甲は占有改定の方法によって本件物件の引渡しを受けた。

第4条 甲は乙に対し、第2条記載の弁済期日まで、本件物件を無償で使用せしめるものとし、乙はこれを借り受けた。乙は本件物件の修理費用等、本件物件を使用することによって生ずる一切の費用を負担するものとする。

第5条 甲は、本件物件を担保の目的以外に使用しないものとする。
二 乙は、本件物件について、他の第三者のために譲渡、質入、貸与その他の処分をしてはならない。
三 乙は、本件物件の使用、保管に善良なる管理者の注意を用い、本件物件について甲の所有権を害する第三者の行為があった場合は、それが差押、仮差押、仮処分その他いかなる事故であっても、これを直ちに甲に通知しなければならない。

第6条 乙が第3条の債務を履行したときは、本件物件の所有権は当然に乙に復帰し、甲は乙に対し、直ちに本件物件を簡易の引渡しによって引き渡す。

第7条 甲は、何時でも本件物件を乙が設置する場所に赴いて、その点検をすることができ、乙はこれに協力しなければならない。

第8条 乙について次の事由が発生したときは、乙は第2条記載の期限の利益を失い、本件物件についての使用貸借も当然に終了するものとする。
(1)乙が第三者より仮差押、仮処分、競売、強制執行を受け、もしくは乙に対し破産の申立があったとき
(2)乙が本契約のいずれかの条項に違反したとき

第9条 乙が、第3条の金員の支払を怠ったときは、第4条の使用貸借は当然に解除され、その時点における適正な評価額をもって、本件物件の所有権は甲に帰属する。

第10条 前条の場合、評価額が第1条の債務額に満たないときは、乙は甲に対し、直ちにその不足額を支払わなければならない。
二 前条の場合、評価額が第1条の債務額を超過するときは、甲は乙に対し、本件物件の引渡しを受けるのと引換に、その超過額を支払わなければならない。

第11条 前条1項の場合、乙は甲に対し、直ちに本件物件を現実に引き渡さなければならない。
二 前条2項の場合、乙は甲に対し、超過額の支払を受けるのと引換に、本件物件を現実に引き渡さなければならない。

(物件の表示)
1 **機 *台
2 上記付属設備
3 **機械器具一式

この契約の成立を証するため、本契約書2通を作成し、甲乙各1通を所持する。

平成**年**月**日

債権者(甲)東京都*********
株式会社山田工業
代表取締役 山田太郎 印

債務者兼担保設定者
(乙)東京都*********
代表取締役 田中五郎 印

譲渡担保設定等契約書書式WORD

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譲渡担保実行の清算・・・

被担保債権について債務の弁済が行なわれないときは、債権者として譲渡担保を実行することになります。

この場合、普通の清算型譲渡担保では、被担保債権につき弁済期に債務の弁済が行われないときには目的物件を時価で評価、又は他に処分して換価し、その価額と債権額との間に差額があるときはこれを担保提供者に返還して清算を行います。

また、非清算型譲渡担保では、目的物件の価額と債権額との間に差額があっても清算することなく、債務の弁済がなされない場合には目的物件の所有権は当然に債権者に帰属すると解されていました。

しかし、判例では、貸金債権担保のため債務者所有の不動産につき譲渡担保契約を締結し、債務者が弁済期に債務を弁済しないときは右不動産を債務の弁済にかえて確定的に債権者の所有に帰せしめるとの合意のもとに所有権移転登記が経由されている場合において、債務者が弁済期に債務の弁済をしないときは、債権者は目的不動産を換価処分するか又はこれを適正に評価することによって具体化する価額から債権額を差し引き、残額を清算金として債務者に支払うことを要し、清算金の支払と引換でなければ目的物の引渡しを請求することができないとしました。

また、判例は、帰属清算型の譲渡担保における清算金の有無及びその額の確定時期については、債権者が債務者に対し清算金の支払若しくはその提供をした時若しくは目的不動産の適正評価額が債務額を上回らない旨の通知をした時、又は債権者において目的不動産を第三者に売却等をした時を基準として、確定されるべきであるとしています。

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代理受領の第三債務者の責任・・・

代理受領とは、債権者が債務者の第三者に対して有する債権について、債務者から受領権限の授与を受け、第三債務者からその弁済を受けて、これを債務者の債権者に対して負担する債務の弁済に充てることをいいます。

その方法としては、次の方法があります。

①債務者が債権者に対し、例えば、第三債務者から代金を受領する権限を与えるという趣旨の委任状を交付してする方法

②債権者、債務者、第三債務者の三当事者の間の契約によって、債権者に債務者の第三債務者に対する債権について弁済を受ける権限を与え、これを第三債務者も承諾するという方法

どちらにしても、代理受領というのは、債権者が債務者に代って弁済を受領し、それを債務者に対する債権の回収に充てるにとどまります。

第三債務者が三者間の約定によって債権者の代理受領をあらかじめ承諾していながら、債務者に直接支払ってしまった場合、第三債務者は代理受領たる債権者に対し、支払の責を負うとする考えと、負わないとする考えがありました。

最高裁では、債権者の債務者に対する手形金債権を担保する目的で、債務者が第三債務者に対して有する請負代金債権の代理受領を債権者に委任し、第三債務者が債権者に対し、この代理受領を承認していながら、請負代金を直接債務者に支払ったような場合、第三債務者が請負代金を債務者に支払ったため、債権者が手形金債権の満足を受けられなくなったときは、第三債務者の承認は単に代理受領を承認するというにとどまらず、代理受領によって得られる債権者の利益を承認し、正当の理由がなく右利益を侵害しないという趣旨をも当然含んでいるものと解すべきであるから、第三債務者は、受任者たる債権者に対し、過失による不法行為責任を負う、としました。

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