根質とは・・・

根質とは・・・

根質も根抵当と同じ根担保です。

普通の債権はすでに発生し、特定している、ある債権を担保します。

根質とは、継続的な取引関係から生ずる債権を担保するために、担保されるべき債権の枠を定めておき、この枠の範囲内で、ある時期に存在する債権を担保するものです。

継続的に取引をしている商人間では、取引は常に増減し、債権債務も増減を繰り返します。

ですので、一定の限度の枠内において、ある期間内に生ずる債権を担保するために根質を設定します。

根質設定契約では、特に根質であることを明確にする必要があります。

そうでないと、一つの取引から生ずる特定の質権と扱われる可能性が出てくるからです。

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転質とは・・・

転質とは、質権者が質権設定者から引渡しを受けて占有している質物に、自らの債務を担保するため、自らの債権者のために、更に質権を設定する事をいいます。

質権者は、この転質を質権設定者の承諾を得てなすこともできます。

これを承諾転質といいます。

また、質権設定者の承諾を得なくても、自らの責任においてすることもできます。

これを責任転質といいます。

転質の成立には、質権者から転質権者に対して、質物を引き渡す事が必要です。

転質権の被担保債権の額は、原質権の被担保債権額を超える事はできませんし、転質権の存続期間は原質権の存続期間内であることが必要です。

転質が成立すると、転質をなした者は転質をしなったら生じ得なかったであろう不可抗力による損害についても、賠償すべき責任を負います。

なお、転質権者が転質権を実行するためには、自分の被担保債権が弁済期に到達してるだけでなく、原質権の被担保債権も弁済期に達している事が前提として必要です。

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根質権設定契約書のひな形とは・・・

根質権設定契約書

債権者株式会社****を甲、債務者****株式会社を乙とし、甲乙は、本日、次の通り契約を締結する。

第1条 乙は、甲に対し、両当事者間の平成**年**月**日付****契約に基づいて、乙が甲に対し現に負担し、将来負担する一切の債務を担保するため、乙所有にかかる末尾記載の物件(以下、「本件担保物」という。)に根質権を設定し、乙は、本件担保物全部を甲に引き渡した。

第2条 本契約による根質権は、前条記載の債務の元金、遅延損害金、根質権実行の費用及び根質権保存の費用を負担するものとする。

第3条 甲が乙に対し、増担保又は代わり担保の提供を請求したときは、乙は、直ちにこれを提供しなければならない。

第4条 乙が弁済期に債務の支払いをしない場合には、甲は、法律の定める手続によることなく、本件担保物を任意に売却してその代金を債務の弁済に充当し、あるいは時価をもって換算した金額と同額の代物弁済として本件担保物を取得することができる。

物件の表示

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本契約成立の証として本書2通を作成し、甲乙各1通を保有する。

平成**年**月**日

住所 ************

債権者(甲) 株式会社****
代表取締役 **** 印

住所 ************

債務者兼担保提供者 ****株式会社
代表取締役 **** 印

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動産質とは・・・

質権には動産質、不動産質、権利質という種類があります。

目的物が動産、不動産、財産権のいずれかであるかによって、民法にそれぞれの特則がおかれていますので、質権設定や対抗要件をそなえるためには、動産質、不動産質、権利質の特則について、手続を進める必要があります。

動産質では、質権者は質物を継続して占有しておかなければ質権を第三者に対抗する事はできません。

弁済期に被担保債権について債務の弁済がない場合は、質権者は民事執行法の定めるところにより、質物を競売して優先的に弁済を受ける事ができます。

しかし、動産質については、この方法だと費用倒れになる可能性があります。

そこで、動産質については特に裁判所に請求して鑑定人に評価してもらい、質物をもって直ちに弁済に充当する簡易な換価方法も認められています。

不動産質とは・・・

質権には動産質、不動産質、権利質という種類があります。

目的物が動産、不動産、財産権のいずれかであるかによって、民法にそれぞれの特則がおかれていますので、質権設定や対抗要件をそなえるためには、動産質、不動産質、権利質の特則について、手続を進める必要があります。

不動産質権設定契約で不動産の引渡しとは、質権者がその不動産を支配しうる状態に置くことをいいます。

不動産質の第三者に対する対抗要件は登記です。

不動産質では、質権者は質権の目的たる不動産について使用や収益をすることができ、その代わり管理費用など負担をし、被担保債権について利息を請求することはできません。

これらの点は強行規定ではなく、当事者がこれと異なる定めをすれば、それに従う事もできます。

不動産質の存続期間は10年を超える事はできません。

もし、10年より長い期間を定めた時は、10年に短縮されます。

更新も可能ですが、更新の時から10年を超える事はできません。

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