手形決済を受けた場合にできることとは・・・

手形決済を受けた場合にできることとは・・・

◇代金支払いに代えて手形をもらった場合に、所持人は下記の方法で手形を利用できます。

①手形割引

手形割引とは、受け取った手形を裏書して、取引銀行に買ってもらうこといいます。

期日までの金利相当分と銀行の手数料分を差し引いて買ってもらうことになります。

所持人が裏書をするということは、その手形を保証するという意味があり、所持人の信用が低下すると、銀行は割引の申出を拒否して割引をしない場合もあります。

②回し手形

回し手形とは、商品等を買い入れた場合に、他から以前に代金支払いに代えて受け取った手形で裏書譲渡をして支払うことをいいます。

③取り立て

受け取った手形を銀行に取立委任すると、銀行が呈示期間内に手形交換所に呈示してくれます。

手形割引や回し手形をした場合、手形が決済されないときは裏書責任を追及されますが、取立委任の場合には裏書をする必要がなく、裏書責任はありません。

スポンサードリンク

手形を受け取るときの注意点とは・・・

①真実の振出人が振り出したものか?

印影が届出印と同一のものかに注意します。

届出印は手形、小切手発行銀行で確認できます。

②記載事項に白地がないか?

金融機関は当座勘定規定により、振出日や受取人等の記載の無い手形が呈示されたときは決済できる、として補充せずに白地のまま交換に回しますが、不渡りになったときは有効な支払呈示にならないため、所持人は裏書人に責任追及できないことになります。

③振出日は、満期の日より早い日付でなければ手形は無効になります。

④法人の振出については、会社名と代表者を付した署名または記名押印がないと署名がないものとされ、手形が無効となります。

⑤手形金額が複数記載されている場合は、記載されている場所に関わらず、文字のほうの金額が手形、小切手の金額になります。

金額が文字複記、数字複記されている場合は、最も少ない金額が手形、小切手金額とされます。

金融機関が支払場所として支払う場合は、当座勘定規定により金額欄記載の金額で支払うことになってます。

⑥盗難手形でないか?

上場会社のような一流企業の振り出した手形は裏書人間を流通するものではないと考えられています。

それまで面識がない譲渡人から手形を譲受ける場合、譲渡人の業種から受け取ることが不自然な場合、手形金額が高額な場合、などは注意が必要です。

そのような疑いがある場合には、振出人および裏書人に照会して、振出および裏書の事情を調査する必要性も出てきます。

この調査をしない場合には、裁判で盗難手形を善意取得したと主張しても、重過失で善意取得が認められないこともあり得ます。

⑦裏書の連続の確認

裏書人は連続していないと、手形交換所で受け付けてもらえず、所持人はそのままで取立に回すことはできません。

⑧裏書目的の確認

自分の裏書人が記載されている裏書の「目的欄」に下記の文言が記載されている約束手形は、債権回収上問題が出てくる可能性があります。

取立委任、回収、代理、担保のため、質入、裏書禁止、支払を担保しない、等。

ただし、回り手形で債権を回収するときは、所持人から遡及される裏書人になることを避けるために「取立委任」「代理のため」「回収のため」と記載する場合があります。

⑨訂正があるときの訂正印の確認

スポンサードリンク

手形取立の注意点とは・・・

①取立ての際に白地であっても支払担当者である銀行は支払をします。

ただし、白地手形の取立は、裏書人への遡及するための有効な呈示が無いとされます。

支払呈示期間を経過して、手形が不渡りになったとき、裏書人に遡及できなくなりますので、手形を取立に回すときには、白地を補充する必要があります。

②支払期日を含む3日間である支払呈示期間を経過すると銀行に取立委任を依頼できないので、直接振出人に手形を呈示しなければなりません。

その際支払いを拒絶されても振出人は不渡り処分を受けません。

③支払いのために振出日白地の小切手を受領している場合、振出人が他の手形、小切手で不渡りを出した場合、満期前遡及により不渡りの付箋をつける必要があるときは、振出日はその日から10日以内の日付にしなければなりません。

10日以前の日を振出日とした場合は適法な提示が無いということで振出人に遡及できなくなります。

④手形の裏書人に満期前遡及を行なう場合は、振出人に呈示した証明が必要となりますが、これは公証人と振出人が本人にであること確認したうえ、支払いの意思が無いことについて事実実験公正証書を作成してもらい、それにより証明することになります。

(*)手形の決済方法とは

手形の支払場所として手形に銀行店舗名が記載されていますが、銀行はその直接取立に応じないので、手形所持人は、自己の取引銀行へ取立委任をし、取引銀行がこの手形を呈示期間内に手形交換所に持ち出します。

支払場所として指定されている銀行が交換所から手形を持ち帰り、振出人の当座預金口座から手形金額を落とすことにより決済します。

スポンサードリンク