債務者の倒産とは・・・

債務者の倒産とは・・・

裁判所に破産の申立をすると、その会社は倒産したといわれます。

この破産の申立というのは、経済的に破綻した場合の法的処理手続である破産、民事再生、会社更生の申立がなされることをいい、これを倒産といいます。

また、6ヶ月間に2回手形の不渡りを出すと、銀行取引停止処分を受け銀行取引ができなくなることから、一般的には倒産したといわれます。

債務者が経済的に破綻し、法的処理手続を申し立てた場合、債権者の債権回収は制限されます。

この法的処理手続には、営業をやめ、全ての財産を処分して清算する清算型の手続と、営業を継続し、債権をカットするなどして会社の建て直しを図る再建型の手続があります。

清算型の手続には、破産法に基づく破産手続きと会社法に規定されている特別清算が、再建型の手続には民事再生法に基づく再生手続と会社更生法に基づく更生手続があります。

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破産手続の申立とは・・・

破産手続きは、債務者が支払不能または債務超過にある場合に、その財産を清算して、債権者などに適正かつ公平に分配する手続です。

債務者または債権者は、債務者が支払不能または債務超過がある場合、破産手続開始の申立をすることができます。

裁判所は、申立が相当な場合には破産手続開始の決定をします。

その結果、破産者が破産手続開始の時に有していた一切の財産は原則として破産財団となり、裁判所から選任された破産管財人が、破産者に破産財団を構成する財産があればそれをお金に換え、債権者に配当することになります。

申立の際に、手続の費用に充てる破産財団もない場合は、破産手続開始決定と同時に破産手続廃止の決定がなされます。

これを同時廃止といいます。

開始決定の後に、破産財団がないことがわかったときも、廃止の決定がなされます。

これを異時廃止といいます。

そして、破産手続は終了します。

債務者が破産すると、債務者に対する売掛金債権や貸金債権など破産手続開始前の原因によって発生した財産上の請求権は、破産債権として、破産手続によらなければ、債権の行使をすることができなくなります。

破産債権は、破産手続において、破産管財人が破産者の財産を換価処分した配当原資の中から、優先順位にしたがって配当されることになります。

配当される金額は、同じ順位の債権者の中では、債権額に応じて按分して計算された金額になります。

特別の先取特権、質権または抵当権は、別除件として、破産手続によらないで行使することができます。

破産手続の際に、これらの担保権を有する債権者は、担保権を実行して債権の回収を図ることができます。

担保権を実行しても債権の全額を回収することができなかった場合には、その回収できなかった部分の債権は破産債権となり、破産手続によらなければ行使することができません。

商事留置権は、破産財団に対しては特別の先取特権とみなされています。

ただし、民法その他の法律の規定による留置権は、他の特別の先取特権に後れた効力しか認められていません。

破産債権は、破産手続が開始すると個別的に権利執行することができなくなるので、破産手続開始決定後に破産者の財産に対して強制執行することができなくなります。

すでに開始決定前に開始されている執行も破産財団に対する関係ではその効力を失います。

破産手続開始の決定があった場合には、破産財団に属する財産に対する強制執行、仮差押、仮処分、一般の先取特権の実行または企業担保権の実行で、破産債権もしくは財団債権に基づくもの、または破産債権もしくは財団債権を被担保債権とするものは、行うことができません。

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民事再生の申立とは・・・

民事再生法によって、債務者が中心となって、債権者の権利の全部または一部を変更するなどして会社の再建を図るための再生計画を定める手続を再生手続といいます。

債務者に支払不能や債務超過などの破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれのあるとき、または事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないときには、債務者または債権者は再生手続開始の申立をすることができます。

裁判所は、申立について一定の場合を除き、再生手続開始決定をします。

債務者は、再生手続開始の後は、事業を継続しつつ再生計画を作成することになります。

通常は債務者による再生手続を監督する監督委員がつきます。

再生手続開始の申立がされた再生債務者に対して再生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権は、再生債権として、再生手続開始後は、再生手続で決まった再生計画に従わなければ、弁済を受けることができません。

再生債務者の財産の上にある特別の先取特権、質権、抵当権または商事留置権を有する債権者は、その目的である財産について、別除権が認められます。

別除権は、再生手続によらないで行使することができます。

民事再生では、事業が継続されるため商事留置権、民事留置権も留置的効力を失いません。

一般の先取特権その他一般の優先権がある債権は、一般優先権とされ、再生手続によらないで、弁済を受けることができます。

強制執行や仮差押・仮処分の手続により再生債権に先立って弁済を受けることもできます。

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