小切手の流通・決済とは・・・
A社は300万円の商品代金をB社に小切手で支払うことにします。
A社は取引銀行(Y銀行)から交付を受けた小切手用紙に必要事項を記入して記名・押印し、B社に渡しました。
これを小切手の振り出しといいます。
B社はこの小切手を自社の取引銀行(Z銀行)に持っていって当座勘定に入金します。
Z銀行は、この小切手を手形交換所に持ち込んで、支払銀行であるY銀行から300万円を取り立てます。
Y銀行は振出人A社の当座勘定口座から300万円を引き落として、これをZ銀行に支払います。
これで小切手の決済は完了です。
小切手には支払期日がありませんから、原則、持ち込んだその日に300万円は資金として利用できます。
小切手も流通しますので、銀行に取立依頼をせず、借金や商品代金に充当してもよいのです。
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マル専手形とは・・・
個人が高額な商品を分割で購入する際に使用する手形にマル専手形というのがあります。
例えば、20ヶ月の分割払いで200万円の商品を購入し、それをマル専手形で支払うとします。
販売会社から販売条件などを記載した「割賦販売通知書」を受け取ります。
この通知書は、この支払のためだけの手形専用当座勘定(マル専口座)の開設と、マル専手形用紙交付依頼書を兼ねています。
この書類を銀行に持っていくと、マル専口座が開設され、銀行は、割賦回数分のマル専手形用紙を交付してくれます。
その際、銀行が個人信用情報センターに照会して購入者の信用状態を確認します。
この手形用紙を使って、支払期日を20回に分けた額面10万円のマル専手形20枚を一括で振り出して販売業者に渡します。
販売業者がマル専手形での支払いを求めるのは、集金の手間が省ける上に、回収漏れが少なくなります。
振出人は、毎月の支払期日までに必要な金額を当座勘定口座に入金しなければなりません。
マル専手形であろうと、手形と同じように2回の不渡りを出すと、銀行取引停止処分を受けます。
サラリーマンなどが銀行取引停止処分を受けても支障はないように見えます。
しかし、個人が取引停止処分を受けると、個人信用情報センターに登録されます。
ブラックリストに登録されるのです。
そうなると、住宅ローンや消費者ローンなどの借り入れができなくなります。
また、建設中のゴルフ場やスポーツクラブの会員権を割賦購入し、それをマル専手形で支払い、オープン前に会社が倒産してしまった場合、振り出したマル専手形は無効でしょうか?
裏書譲渡されていなければ、それを返してもらえば良いのですが、裏書譲渡されて流通してしまうと、手形は有効なのです。
原因関係と手形関係の分離の原則にしたがって、手形の受取人に手形代金を支払わなければなりません。
また、マル専口座では、ほかの手形や小切手を振り出すことはできません。
割賦支払いが全て終了すると、マル専口座は自動的に閉鎖されます。
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手形交換所の機能とは・・・
当座勘定取引契約を結んでいる顧客から、手形・小切手の取立を依頼された取立銀行は、これらの顧客が振り出した手形・小切手の支払を委託されている支払銀行でもあります。
このため、銀行同士で取立と支払いを個別に行うのは頻雑ですから、各銀行は手持ちの手形・小切手を持ち寄って、集中的に決済しています。
これが手形交換の制度であり、その場所が手形交換所なのです。
手形交換所において、各銀行は、取り立てる手形・小切手を受け取ります。
その差額を交換じりといいますが、各銀行はこれを日本銀行に持っている当座勘定口座の振替で決済します。
顧客から手形・小切手の取立を依頼された銀行を受け入れ銀行といいます。
これは、手形交換所に持っていくことを、持出ということから、持出銀行ともいわれます。
各銀行が手形・小切手を交換するためにそれらを提出することを交換呈示といい、呈示され支払銀行は、それらを持ち帰ることから、持帰銀行ともいわれます。
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