公示催告の手続とは・・・

公示催告の手続とは・・・

公示催告と除権判決とは、盗まれたり紛失した手形が善意取得されるのを防ぎ、なくした手形の権利を行使する手段です。

公示催告の申立は、支払地を管轄する簡易裁判所に行います。

これを受けた裁判所は「これこれの手形を所持している者は平成23年2月12日までに裁判所に届け出ること。もし届け出ない場合は、その手形は無効になる」ことを、官報とその裁判所の掲示板で公示します。

独自に新聞などに無効公告を掲載しても何の効力もありません。

6ヶ月の公示催告期間中に手形の所持人から届出がない場合には、さらに除権判決の申立をします。

この判決が出るとその手形は無効となり、以後は善意取得が認められなくなり、正規の所持人は手形がなくても判決正本によって振出人に手形金を請求できます。

公示催告の申立をしてから除権判決を得るまでには、8ヶ月ほどかかります。

公示催告中に手形の所持人から届出があった場合には、公示催告は中止されます。

そして、申立人は、届出人が善意取得したのかどうかを裁判で争う事になります。

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手形・小切手の時効期間とは・・・

手形や小切手を支払呈示期間中に呈示しなかったからといって、振出人に対する請求権が失われるわけではありません。

ただし、裏書人への遡求権・再遡求権は、呈示しないと消滅します。

また、不渡りになっても振出人に対する請求権が失われる事はありません。

しかし、これらの権利も時効期間を過ぎると消滅してしまいます。

約束手形の時効期間は次になります。

①所持人の振出人に対する手形上の請求権

支払期日から3年。

振出人の保証人や無権代理人に対する請求権もこれと同じ。

②所持人の裏書人に対する遡求権

支払期日から1年。

ただし、「拒絶証書不要」の文句が抹消されていてそれを作成する場合は作成日から1年。

裏書人の保証人や裏書した無権代理人に対する遡求権もこれと同じ。

③受け戻した裏書人の、自分より前の裏書人に対する再遡求権

遡求を受けた者が手形金を支払って手形を受け戻した日から6ヶ月。

償還の訴えを受けた場合は、訴状を送付された日から6ヶ月。

保証人や無権代理人もこれと同じ。

為替手形の時効期間は次になります。

①所持人の振出人・参加引受人・裏書人の、ほかの裏書人などに対する遡求権

手形を受け戻した日から6ヶ月。

償還の訴えを受けた場合は訴状を送付された日から6ヶ月。

小切手の時効期間は次になります。

①所持人の、振出人・裏書人・保証人に対する遡求権

呈示期間経過後6ヶ月。

②受け戻した裏書人の、自分より前の裏書人に対する再遡求権

小切手を受け戻した日から6ヶ月。

償還の訴えを受けた場合は訴状を送付された日から6ヶ月。

③支払い保証をした支払人に対する請求権

呈示期間経過後1年。

ただし、確定判決によって手形上の権利や小切手上の権利が確定した場合は、これらの時効期間は適用されず、すべて時効期間は10年となります。

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手形・小切手の時効起算日と満了日とは・・・

手形は、支払期日の翌日を起算日とし、その応答日の前日の終了をもって時効が満了します。

支払期日が休日かどうかは問われません。

例えば、支払期日が平成23年3月31日の約束手形の振出人に対する請求権は、4月1日を起算日として、3年後の応答日である平成26年4月1日の前日、つまり3月31日の午後12時をもって時効が満了します。

小切手は、呈示期間(振出日の翌日から10日間。最終日が休日の場合は翌営業日まで)の最終日の翌々日を起算日とし、6ヶ月後の応答日の前日で時効が満了します。

例えば、平成23年3月1日振り出しの小切手の振出人への遡求権は、呈示期間の最終日が3月11日ですので、その翌々日13日が起算日となり(初日不算入)、6ヶ月後の応答日である平成23年9月13日の前日、つまり9月12日の午後12時をもって時効が満了します。

時効が満了すると手形債権は消滅しますが、手形の振り出しや裏書の原因となった債権まで消滅するわけではなく、手形債権が消滅しても原因債権の消滅前なら支払いを求める事ができます。

<約束手形>

振出人・保証人への請求権 支払期日の翌日 3年
裏書人への遡求権 支払期日の翌日 1年
ほかの裏書人への再遡求権 受け戻した日又は訴訟を受けた日の各翌日 6ヶ月

<為替手形>

引受人への請求権 支払期日の翌日 3年
振出人・参加引受人・裏書人への遡求権 支払期日の翌日 1年
ほかの裏書人への再遡求権 受け戻した日又は訴訟を受けた日の各翌日 6ヶ月

<小切手>

振出人・裏書人・保証人への遡求権 呈示期間最終日の翌々日 6ヶ月
ほかの裏書人への再遡求権 受け戻した日又は訴訟を受けた日の各翌々日 6ヶ月
支払い保証人への請求権 呈示期間最終日の翌々日 1年

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手形・小切手の時効更新・・・

手形・小切手の遡求権や再遡求権は、6ヶ月とか1年という短い期間で時効が満了するので、不渡りになった場合には、時効の進行を止めておく必要があります。

これを時効の更新といいその手続は次になります。

①裁判上の請求

手形訴訟の提訴、支払い命令の申立をする。

②仮差押、差押、仮処分

③催告

債務者に支払を請求する。

その際、証拠を残すために内容証明郵便で送付します。

6ヶ月しか更新効果がないので、この間に①が②の手続をとる必要があります。

この方法は、時効の完成が間近で、完成前に①や②の手続をとる時間的余裕がない場合の引き伸ばし策といえます。

④債務の承認

債務者から確定日付のある債務承認書をもらいます。

なお、債務者から手形金・小切手金の一部の弁済、支払猶予の依頼状、利息の支払いのいずれかがあれば、債務の承認になります。

これらの手続で時効が更新すると、それまでの時効期間は消え、更新した日を起算日として、改めて時効が進行していきます。

時効の更新は、これらの更新手続をした相手にしか効力がありません。

また、保証人だけを相手に訴訟を起こし、その裁判期間内に振出人の時効が完成してしまうと、保証人に対する請求もできなくなります。

利得償還請求権とは・・・

手形・小切手法は、権利が手続の欠陥や時効によって消滅しても、振出人や為替手形の引受人、又は裏書人に対して、所持人がその利得の限度において弁済請求できる権利を認めています。

これを利得償還請求権といいます。

この権利を行使できるのは、手形・小切手の権利消滅時の正当な所持人、つまり手形・小切手の所持している最後の被裏書人、及び遡求義務を果たして手形・小切手を受け戻した所持人です。

そして、利得償還の義務者は、振出人、為替手形の引受人、裏書人、支配保証をした保証人だけです。

利得償還請求が認められるには、次の条件が必要です。

①手形・小切手上の権利が、手続の欠陥や時効により消滅した場合。

所持人の過失によって消滅した場合でも構いません。

②利得償還の義務者に利得があること。

手形・小切手上の債務を免れただけでなく、例えば結果的に代金を支払わずに商品を得たというように、現実に財産上の利益を得た事。

利得償還請求権は手形上の権利ではないので、手形訴訟は起こせません。

通常の訴訟を起こして勝訴する必要があります。

裁判の際には、手形上の権利の消滅時に、手形・小切手を所持していた事を立証する必要があるので、時効が満了したからといって破棄しないことです。

利得償還請求権は5年で満了します。

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