同棲が婚約の成立になるか・・・
男女の交際は自由で、正式に婚姻していない男女が同棲することも珍しくありません。
数ヶ月同棲したことを理由に、そのことだけで結婚しなければならない義務を負わされることはありません。
法律的にみて、将来夫婦となるべき義務を発生させるのは婚約といい、この婚約は将来夫婦となろうという当事者の真面目で、確実な合意によって成立します。
婚約が成立すると、双方は結婚を実現させるため努力をする義務を負います。
婚約が成立したのに、正当な理由なしに破棄すると、相手方の被った物的、精神的損害を賠償しなくてはならなくなります。
このような婚約は、当事者の合意だけで成立すると考えられ、特に形式や儀式は必要とされていないのです。
男女の間で将来夫婦になろうという約束がなされていたとすれば、同棲の事実がなくても婚約は成立していますし、この約束がなければ、同棲したとしても婚約が成立したとはいえません。
例えば、結婚する気がないのに、同棲していた相手方から婚約の不当破棄を理由に損害賠償の請求をしてきた場合、相手方は当然婚約が成立していたと主張してきます。
この判断は、裁判所がするのですが、裁判所はいろいろな事情を調べて婚約の成否を判断します。
数ヶ月同棲したという事実も一つの事情として考慮され、特に、相手方が真面目な人で、同棲するにはそれなりに結婚が前提となっていたのではないかと推測されることもありそうです。
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婚約者の浮気の噂・・・
婚約期間中に、婚約した相手方が職場の同僚と付き合っていると、友人から聞かされたのですが。
婚約とは、将来、夫婦になろうという確実な約束のことをいい、婚約をした男女は約束を真面目に実行しなければなりません。
婚約が成立すると、当事者双方に結婚を目指して誠心誠意をもって交際し、夫婦としての共同生活を実現させ、婚姻の届出をなすべき義務が生じます。
友人の話が本当であり、結婚をあきらめきれないというような場合であっても、法律的には相手方がその同僚と付き合うことを禁止することはできません。
婚約をしている以上、法律上の義務はあるのですが、夫婦としての同居や、婚姻の届出を法律的に強制することまではできないのです。
しかし、婚約が成立してると、これを正当な理由なしに一方的に解消すれば、婚約の解消により被った相手方の物的・精神的損害を賠償しなければならないという責任を負います。
婚約の不当破棄によって損害賠償の責任を負うものは、破棄した本人ですが、第三者の不当な行為によって婚約が履行されなくなったような場合には、不法行為としてその第三者も責任を負わされることがあります。
相手に婚約者がいるの知っていながら肉体関係を結んで、その結果、相手が婚約を一方的に破棄したような場合、その職場の同僚にも法律的な責任が生じます。
まずは、その交際が本当であるのかどうかを確かめる必要があり、それからどうするかを考える必要がありそうです。
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婚約破棄の正当な事由とは・・・
婚約とは、法律上男女が、将来夫婦となろうと約束することをいい、結納まで取り交わした男女の場合には、当然に法律上の婚約が有効に成立しています。
婚約が成立した以上、当事者はこの約束を誠実に履行しなければならない法律上の義務があることになるのですが、逆に、結婚は男女双方の自由な意思に基づかなければなりませんので、夫婦生活の開始や、戸籍への届出を相手方の意思に反して強制することはできません。
婚約が成立しているからといって、嫌がる相手に結婚を強制することはできないのです。
婚約を不当に破棄した相手方に対しては、慰謝料その他損害の賠償請求をして解決するしかないのです。
この慰謝料などを請求できるのは、相手方が婚約を不当に破棄した場合だけであり、正当な事由のあるときは、その支払いを請求できません。
正当な事由とは、相手方に不貞な行為があった、相手方から虐待や侮辱を受けた場合があります。
また、婚約後に、相手方が精神病にかかったとか、自己などで不具になった場合なども正当な事由であると考えられ、この場合には相手方に責任があるわけではないのですが、客観的に普通の結婚生活ができないことが確実であると考えられるからです。
単に気に入らなくなったとか、相性が悪いとか、家柄が気に入らないとか、親が反対しているからをいったことでは正当な事由にはなりません。
このような婚約の不当破棄に対しては、他の一方は慰謝料の支払など損害の賠償を請求できることになります。
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