仮装離婚で不動産の財産分与・・・

仮装離婚で不動産の財産分与・・・

夫の経営している会社が業績が悪くなり、今のうちに夫名義の不動産を、離婚届出をして財産分与として私がもらったことにしようと思っているのですが。

離婚する際に、夫婦の協力によって得た財産を離婚後の扶養や夫婦の実質的共有であった財産を清算し、一定の財産を分与することを財産分与といいます。

財産分与の価値が、夫婦の協力程度や一切の事情を考慮して妥当な価額である場合には、仮にその不動産を分与することによって第三者である債権者を害する場合でも、財産分与は有効です。

しかし、婚姻の実質関係を解消する意思をもって協議離婚したのではなく、債権者からの強制執行を受けることを免れること、それにより夫の財産を確保しようとして、形式的に法律上の婚姻関係のみを解消させる目的で不動産の所有権移転登記をするわけですから、このような譲渡は仮装譲渡であり、法律的には通謀虚偽表示とされて無効です。

また、真意に基づいて離婚がなされた場合でも、不相当な多額の財産分与が行われる場合には、第三者たる債権者は、不相当部分についての分与を詐害行為として裁判所へ取消しの申立をすることができます。

ただし、この場合の離婚の効力について判例は、「かかる協議離婚も直ちに無効とすべきではない」としています。

仮装の離婚であっても、当事者に離婚届をする意思があることは相違ないことからだとされています。

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愛人と別居した夫からの離婚請求・・・

山田さんは10年以上愛人と同棲し、妻と別居しているのですが、妻と正式に別れて愛人と結婚したいのですが、離婚を請求することができるのでしょうか。

この場合、離婚の原因を作った山田さんからの離婚請求が認められるかという問題と、別居期間が10年以上という期間で離婚請求が認められるかが問題となります。

山田さんから妻に離婚を求めることを有責配偶者からの離婚請求といいます。

婚姻関係が破綻した場合、その破綻原因を作った者は、自ら離婚の請求をなし得ないとされていました。

しかし、その後の判例では、別居期間38年の有責配偶者からされた離婚請求であっても、夫婦の別居期間が「相当の長期間」で、未成熟子がいない場合、相手方に極めて苛酷な状況におかれる等の事情のない限り、離婚を認めてもよいとされました。

その後の判例では、別居期間が23年、16年、13年、10年の有責配偶者からの離婚請求を認めています。

別居8年では、「相当の長期間」に及んでいないとして棄却した判例もあります。

本件の場合、未成熟な子の養育や、相手方配偶者のことを考え、妻と話し合って協議離婚を試みる必要があります。

協議が成立しないときは、家庭裁判所で調停手続を利用し、それでも話し合いができないようなら、裁判となります。

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離婚後の同じ姓で子供と同じ籍・・・

離婚した後も、夫の姓で働き、また子供の籍を夫から抜いて自分の籍に入れたいのですが。

夫婦が離婚すれば、結婚するときに姓を改めた夫又は妻は、離婚前の姓に戻らなければならず、これを離婚による復氏といいます。

配偶者の一方が死亡した場合と違って、離婚による復氏は当然に行われ、復氏をするという特別の意思表示は必要ではありません。

離婚の場合には、とりあえず婚姻の際に姓を改めた夫又は妻は、婚姻前の姓に戻らなければなりませんが、離婚により婚姻前の姓に戻った夫又は妻は、離婚の日から3ヶ月以内に届出をすることによって、離婚の際に称していた姓を称することができると定めました。

ですので、いったん旧姓に戻っても自分の意思で旧姓を名乗ることも、離婚の際の姓を名乗ることもでき、それには離婚後3ヶ月以内に手続をとる必要があり、夫の承諾は必要ありません。

離婚の場合以外でも姓を変更することはできますが、家庭裁判所に氏の変更許可の申立を行い、やむを得ない事由があるときには、許可を得ることになります。

また、夫婦は離婚することによって旧姓に戻りますが、子供は離婚によって、当然、籍が変わるわけではありません。

子供は15歳に達すれば、家庭裁判所の許可を得て父母のどちらかの姓を名乗れますが、15歳になるまでは、法定代理人が子に代わって家庭裁判所の許可を得て、父又は母の姓を名乗ることができます。

問題は、夫婦のどちらが親権者となるかで、親権者でなければ法定代理人となれないのです。

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