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種類株式の無償交付・・・
株式の分割をするときは、その都度、株主総会の決議または取締役会設置会社では取締役会により、次の事項を定めることを要します。
≫株式の分割により増加する株式総数の分割前の発行済株式総数に対する割合及び株式の分割に係る基準日
≫株式の分割が効力を生ずる日
≫分割する株式の種類
株式の分割に応じて、発行可能株式総数を比例的に増大させる定款変更は、取締役の過半数による決定又は取締役会設置会社では取締役会の決議で決します。
株式の分割は株主の実質的な地位には変更を生じないため、株主総会の決議を要しません。
株券を発行するときは、株式を分割しても、株券全部を交換する必要はなく、株式の分割により増える分だけ株券を追加発行します。
株式会社は、株主に対して、新たに払い込みをさせないで、当該会社の株式の株主無償割当をすることができます。
会社法は、ある種類の株主にその有する株式数に応じて、異なる種類の株式を無償で割り当てる制度を設けました。
自己株式は無償割当の対象外になります。
株式無償割当は株式分割と異なり、同一又は異なる種類の株式が割り当てられ、会社が保有する自己株式を交付できます。
払込及び申し込みが不要になります。
自己株式自体には無償割当はできません。
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株式の併合・・・
株式の併合とは、株式をまとめて大きくすることをいいます。
株式の併合により発行済株式数は減りますが、減資手続をとらない限り資本の額は変わらず、会社資産も変動しない為、1株当たりの価値は大きくなります。
株式を併合する場合、その都度、株主総会の特別決議により、次の事項を定めることができます。
≫併合の割合
≫株式の併合が効力を生ずる日
≫併合する株式の種類
株主は、株式の併合が効力を生ずる日に、その日の前日に有する株式の数に併合割合を乗じて得た数の株式の株主となります。
株主総会において、その都度、特別決議及び取締役に説明義務を課します。
併合比率により株式の端数が生じ、既存株主が不利益を被る可能性があるためです。
端数処理は、競売または買取等による、株主に対する代金交付があります。
株式の併合の登記を行う場合、株券発行会社は株券提供公告をしたことを証する書面を添付し、株券不発行会社は株券を発行していないことを証する書面を添付しなければなりません。
株券発行会社は、株主及びその登録株式質権者に対し、株式の併合が効力を生ずる日までに、当該株式に係る株券を提出しなければならない旨を、当該日の1ヶ月前までに公告し、かつ格別に通知しなければなりません。
ただし、当該株式の全部について、株券を発行していなければ、株券提出の公告及び通知は不要です。
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端株制度の廃止・・・
会社法は、端株制度を廃止しました。
また、単元未満株式の株主は、議決権及び株主提案権などの議決権を前提とする権利を行使することはできませんが、原則として株主としての他の権利は全て有することになります。
しかし、定款により、株式交換または吸収合併などにより対価として株式又は金銭を受ける権利、単元未満株式の買取請求権、株式無償割当を受ける権利などを除き、株主権の全部または一部を行使できないと定めることができます。
株券発行会社は、単元未満株式に係る株券を発行しないことが出来る旨を定款で定めることができます。
端株制度を廃止して、単元未満株として統一的に規制する場合、その方法として、端株は1株の100分の1の整数倍の株式ですので、一定の期日を基準日として、1株を100株に分割するという取締役会の決議があったものとみなします。
0.001株の端株を1株として1単元を100株と設定する株主総会の決議があったものとみなします。
また、新株予約権の行使により1株に満たない端数が生ずる場合、次に掲げる区分に応じて、その定める額に端数を乗じて得た額に相当する金銭を交付しなければなりません。
1 当該株式が市場価格のある株式である場合、当該株式1株の市場価格として法務省令で定める方法により算定される額
2 当該株式が市場価格のない株式である場合、1株あたりの純資産額
1の法務省令で定める方法は、次に掲げる額のうち、いずれか高い額をもって株式の価格とします。
≫新株予約権の行使日における当該株式についての最終取引価格
≫行使日の属する週の前週の各日における当該株式についての最終取引価格の平均額
≫行使日において当該株式が公開買付等の対象であるときは、公開買付等に係る契約における当該株式の価格
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単元未満株主の権利・・・
会社法は、従来の商法における端株主が有する権利と単元未満株主が有する権利と実質的な内容を同一にしました。
利益配当請求権及び新株引受権などの自益権は、定款の定めによっても奪うことはできません。
1単元に満たない株式であったとして、端株と異なり、完全な株式のためです。
少数株主権は、議決権の割合および数が行使要件になっているため、単元未満株主が集まって、それら株式を合算しても、当該要件を満たすことはできません。
また、議決権と無関係な共益権である、代表訴訟提起権及び帳簿閲覧権などは、単元未満株主も行使することができます。
総会決議取消の訴えを提起することもできるとされています。
しかし、株主提案権などの議決権を前提とする権利は認められません。
単元未満株主は会社に自己の所有する単元未満株式を買い取ることを請求することができ、会社は義務として応じる必要があり、財源規制はありません。
当該請求の撤回は会社の承諾を得なければなりません。
定款を変更して、1単元の株式数を減らしたり、単元株制度を廃止することは取締役の決定又は取締役会決議で認められます。
また、定款規定がある場合、単元未満株主は、会社に単元未満株式数と併せて単元株式数となる数の株式の売渡請求ができます。
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単元未満株主の定款による制限・・・
単元未満株主の権利として、次に掲げる権利以外の全部または一部を行使することができない旨を定款で定めることができます。(会社法189条2項)
≫全部取得条項付種類株式を取得するのと引換えに金銭等の交付を受ける権利
≫株式会社による取得条項付株式の取得と引換えに金銭等の交付を受ける権利
≫株式無償割当を受ける権利
≫単元未満株式の買取請求権
≫残余財産の分配を受ける権利
≫これら以外に法務省令で定める権利
会社法189条2項6号に規定する法務省令で定める権利とは、次に掲げるものとします。
≫定款の閲覧、書面の謄本等の交付の請求権
≫株主名簿記載事項を記載した書面の交付の請求権
≫株主名簿の閲覧・謄写の請求権
≫株主名簿記載事項の記載の請求権
≫譲渡制限株式の譲渡承認の請求権
≫株券の発行の請求権
≫株券の不所持の申出をする権利
≫株式の併合・株式の分割・新株予約権無償割当・組織変更により金銭等の交付を受ける権利
≫吸収合併・新設合併・株式交換の完全親会社、株式移転の完全親会社から金銭等を受ける権利
また、定款で定める一単元の株式数は、1000株を上限とします。
株式の分割と同時に、一単元の株式の数を設定する場合、株式の分割後に株主が有する株式数を分割後の一単元の株式で除して得た数が、株式の分割前に株主が有していた株式数を下回らないときは、当該一単元の株式の数の設定に係る定款変更は、株主総会の決議によらないで行なうことができます。
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