根保証とは・・・

根保証とは・・・

根保証に取る主たる債務とは、たとえば銀行と商人との間の当座貸越契約とか、手形割引契約のような、継続的な信用取引関係から生ずる不特定の債務になります。

このような場合に、根保証人は主たる債務者と銀行との間の継続的な取引関係から発生する一団の不特定の債務を保証する事になります。

継続的な取引から発生する債務ですから、増減変動がありますが、これを包括的に保証し、将来ある一定の時期に債務額が確定したところで、その確定した債務額について根保証人が保証債務の責を負うことになります。

根保証の契約を結ぶ時は、債権者と根保証人との間で、主債務者が債権者に対して負担する債務につき、金いくらを極度として、根保証人は保証する旨の取り決めをします。

この上限の極度額を保証極度額といいます。

根保証で、保証期間の定めがしてあるときは、その期間満了前に発生した債務についてだけ根保証人は責任を負担すればよく、期間満了後に発生した債務については責任を負わなくてもよいとされています。

一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする根保証契約のうち、その債務の範囲に金銭の貸し渡しまたは手形の割引を受ける事によって負担する貸金等債務が含まれるものの保証人は、極度額の限度でしか履行責任は負いません。

このような貸金等根保証契約を締結するには、極度額の定めをしないと無効とされています。

貸金等根保証契約において元本確定期日の定めがない場合には、貸金等根保証契約の締結の日から3年を経過する日に元本が確定されます。

元本確定日の定めがある場合でも、元本確定日がその契約締結日から5年を経過する日より後の日と定められている時には、その元本確定期日の定めは無効であり、3年の経過日に確定します。

次のような事由が生じたときも、元本が確定します。

①強制執行や担保権実行の手続が開始される

②主債務者又は保証人が破産手続開始の決定を受ける

③主債務者又は保証人が死亡する

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連帯保証とは・・・

連帯保証とは、連帯保証人が債権者に対して主債務者と連帯して債務を履行する義務を負う保証をいいます。

普通の保証では、保証債務に補充性が認められています。

補充性とは、主債務が履行されない場合に限って、保証債務の履行を請求することができる事をいいます。

連帯保証には、この補充性がなく、連帯保証人には催告の抗弁権も検索の抗弁権も認められません。

債権者は主たる債務者に請求することなく、いきなり連帯保証人に請求する事ができます。

また、数人の保証人が、ある債務者のために保証している場合を共同保証といいますが、この場合は、原則として、それぞれの保証人は債権者に対して、主たる債務の金額を保証人の頭数で割った額についてだけ支払えばよいことになっています。

これを分別の利益といいます。

しかし、連帯保証人が数人いる場合は、これら連帯保証人にはこの分別の利益が与えられません。

その場合は、それぞれの連帯保証人は、各々、債務の全額についてこれを弁済する責任があります。

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連帯保証契約書を作成する・・・

連帯保証は、保証契約において特に連帯である旨を約定している場合に成立します。

そのほか法律の規定により、当然に連帯保証となる場合もあります。

主たる債務が債務者の商行為によって生じたものであるときと、保証が商行為である時は、当然に連帯保証となる旨が定められています。

連帯保証契約を結ぶ場合には、連帯保証契約だけの独立した契約書や連帯保証人からの連帯保証書差し入れの形式で連帯保証の契約を結ぶ場合があります。

これを別札保証といいます。

金銭消費貸借契約書とか銀行取引約定書に保証条項を盛り込んで、被担保債務を生じさせる契約の契約書と一本にして連帯保証の契約を結ぶ場合もあります。

これを連名保証といいます。

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連帯保証条項のある金銭消費貸借契約書ひな形・・・

金銭消費貸借契約書

貸主****を甲、借主****を乙、乙の連帯保証人****を丙とし、甲乙丙は、本日、次の内容による契約を締結する。

第1条 甲は、乙に対し、本日、金***万円を貸し渡し、乙は、現金でこれを借り受けた。

第2条 甲乙は、前条の貸金の利息を年*%とすることを約した。

第3条 乙は、本件借受金の元金を平成**年**月末日限り、また利息は毎月末日限り、いずれも甲の住所に持参して支払うものとする。

第4条 乙が利息の支払を2か月分以上怠ったときは、乙は、期限の利益を失い、ただちに甲に対し、元利金全部を一時に支払わなければならない。

第5条 連帯保証人丙は、甲に対し、乙の甲に対する本契約に基づく債務につき、これを保証し、乙と連帯して履行の責に任ずる旨を約し、甲は、これを承諾する。

上記契約の成立を証するため本書3通を作成し、署名押印の上、各その1通を所持するものとする。

平成**年**月**日

住所 ***********

(甲) **** 印

住所 ***********

(乙) **** 印

住所 ***********

(丙) **** 印

連帯保証書ひな形・・・

連帯保証書

****株式会社
代表取締役 **** 殿

債務者****が同人と貴社との間の平成**年**月**日付**契約に基づいて、貴社に対して負担する下記債務については、私が貴社に対し、連帯保証人として債務者と連帯して履行の責に任じます。

債務の種類、内容   *********

金額   金**万円

弁済期日   平成**年**月**日

弁済方法   *************

損害金   年*%

後日のため、本連帯保証書を差し入れます。

平成**年**月**日

住所 **********

連帯保証人 **** 印

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