民事調停の流れとは・・・
民事調停の申立は、書面または口頭ですることができます。
原則として、相手方の住所、居所、営業所もしくは事務所の所在地を管轄する簡易裁判所です。
また、当事者が事前に合意すれば、どこの地方裁判所でも簡易裁判所でも可能です。
これを合意管轄といいます。
申立は、申立書を裁判所の受付窓口に提出します。
裁判所が用意している調停申立書式の交付を受け、必要事項を記入する方法もありますし、調停申立調書を作成してもらうこともできます。
申し立てるときには、請求の価額に応じて、収入印紙を納付し、証拠書類を提出します。
調停が申し立てられ、これが受け付けられた場合には、調停委員が調停に当たることになります。
調停委員の構成は、調停主任1人(裁判官)、民事調停委員2人以上です。
調停委員の役割は、事件の進行など、受任調停の一切に関与するほか、専門的知識や経験にもとづいての意見を述べて、調停が成立するよう手助けしてくれます。
調停委員以外が調停に参加する場合があります。
調停の結果について利害関係を持つ者は、調停委員会の許可を受けて参加人となり、調停手続に参加する事ができますし、また、調停委員会の方で紛争解決のため、利害関係人に対して参加を命じる場合もあります。
また、民法では、民事調停法による調停の申立は時効の中断事由になります。
ただし、相手方が調停に出頭しなかったり、調停が不成立の場合には、一ヶ月以内に訴訟を提起しなければ、時効中断の効力が生じません。
和解申立の場合も同様の効力が認められています。
民事調停法1条(目的)
この法律は、民事に関する紛争につき、当事者の互譲により、条理にかない実情に即した解決を図ることを目的とする。
民事調停法2条(管轄)
調停事件は、特別の定めがある場合を除いて、相手方の住所、居所、営業所若しくは事務所の所在地を管轄する簡易裁判所又は当事者が合意で定める地方裁判所若しくは簡易裁判所の管轄とする。
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民事調停の申立手続とは・・・
調停の申立は口頭でもできることになっていますが、通常は調停申立書に、次の事を記載して、相手方の住所、居所、営業所もしくは事務所の所在地を管轄する簡易裁判所に提出します。
①当事者の住所・氏名
②申立の趣旨
③紛争の要点又は争いの実情
④申立年月日
⑤申立人の署名又は記名押印
⑥裁判所の表示
⑦申立書に印紙を貼る
⑧送達用郵券
申立書は正本1通と相手方の数に応じた副本を添えます。
証拠となる書類があれば申立書に添付します。
民事調停規則2条(調停の申立)
調停の申立をするには、その趣旨及び紛争の要点を明らかにし、証拠書類がある場合には、同時にその原本又は写しを差し出さなければならない。
民事調停規則3条(申述の方式)
一 申立その他の申述は、書面又は口頭ですることができる。
二 口頭で申述するには、裁判所書記官の面前で陳述しなければならない。
この場合には、裁判所書記官は、調書を作らなければならない。
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民事調停の申立書作成のポイントとは・・・
①当事者の表示
申立人と相手方の住所・氏名を記載します。
当事者が法人の場合には、本店及び営業所の所在地、法人の名称、代表者の氏名を記載します。
代理人が申立をする場合には、代理人の住所・氏名も記載します。
当事者が訴訟無能力者の場合には、法定代理人の住所・氏名を記載します。
②申立の趣旨
申立の趣旨の欄には、申立人が紛争となっている事件について、どのような解決を望んでいるかを記載します。
③紛争の要点
どのような事情で紛争が起こり、どのような解決を望むかを記載します。
④申立人の署名または記名押印
申立人(または代理人)は署名または記名押印をします。
押印する印鑑は認印でもかまいません。
申立書が数葉にわたるときは、各葉間に契印・割印をするか、または契印の代わりにページ数を付すなどして文書の連続性がわかるようにします。
また、申立の添付書類は、次の場合に必要となります。
①申立人あるいは相手方が法人の場合には、会社の登記簿謄本(抄本)または資格証明書
②代理人が申し立てる場合には、代理人許可申請書(上申書)
③未成年者が当事者の場合には、法定代理人が申立を行いますので、代理権証明するため戸籍謄本(抄本)
なお、証拠書類がある場合には、その原本または写しを差し出す事になっています。
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