法的な債権回収とは・・・

法的な債権回収とは・・・

債権回収の最後の手段は訴訟です。

ただ、訴訟になりますと、時間もお金もかかります。

ですので、本当は債務者との交渉で解決するのが一番なわけです。

交渉できるのであれば、利息を下げるなど、分割払いにするなどの条件で話がつけば、簡易裁判所に和解の申立をして、和解調書を作成してもらうと判決と同じ効力を持つことになります。

<訴訟手続による債権回収>

①裁判所に訴状を出し、審理を受ける。

②判決を得る。

③強制執行で相手の資産を差し押さえる。

④差し押さえた資産の競売代金から支払を受ける。

<その他の法的手段による債権回収>

①公正証書による債権回収

債務者が債権の存在を争わなければ、執行認諾約款の入った公正証書を作成すると、強制執行ができるようになります。

②支払督促による債権回収

相手が債務の存在は認めているものの、支払をして来ない場合は、裁判所に支払督促を申し立て、債務者が争わなければ支払督促は確定し、判決と同じ効力が生じます。

③仮差押による債権回収

裁判所に申し立て、債権者が提出した証拠だけで仮差押ができます。

債務者が資産を隠す前に押さえてしまい、この後訴訟を起こすことになります。

債務者が支払をしないからといって、勝手に債務者の財産を差し押さえることはできません。

差押ができるためには、次の「債務名義」が必要です。

①確定判決

②仮執行を付した判決

③抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判

④仮執行の宣言を付した支払督促

⑤調停調書または和解調書

⑥金銭の一定の額の支払またはその他代替物もしくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの

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債務者以外から債権回収とは・・・

債務者本人が貸金などを支払わない場合、契約により保証人を立てている場合は、保証人から債務者に代わって支払を受けることができます。

ただ、保証には単なる保証人と連帯保証人があります。

単なる保証人の場合、債権者が保証人に請求しても、保証人は「まず、債務者本人に請求せよ」と言って、請求を拒むことができます。

これを催告の抗弁権といいます。

また、債務者本人に催告をした後に保証人に請求しても、保証人が主たる債務者に弁済の資力があり、かつ執行が容易であることを証明したときは、「まず、債務者本人の財産を執行せよ」と言って、拒むことができます。

これを検索の抗弁権といいます。

この2つの抗弁権は、連帯保証人にはありません。

債務者本人に支払能力が無い場合は、単なる保証人でも支払ってもらえますが、債権者側では保証人は連帯保証人にすべきです。

また、保証人に請求した場合に「自分は保証人になった覚えはない」と主張する場合がありますので、債権者としては、直接連帯保証契約の場に立ち会うことが安全です。

保証契約書が債務者の偽造であれば、保証人や債権者は保証契約書が私文書偽造で債務者を告訴することができます。

また、弁済は債務者や保証人以外からもできます。

これを法的には、第三者の弁済といいます。

子供の借金を親が支払うような場合です。

これは親に返済の法的な拘束力があるからではありません。

ですので、直接、親へ子供の借金を請求することは、保証人にでもなっていない限りできません。

その他に連帯債務があります。

連帯債務の場合、同一内容の給付について、2人以上の債務者が各自独立して全部の弁済をする義務を負担しています。

債権者は、連帯債務者の誰に対しても債務の一部または全部を請求できます。

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担保権の実行とは・・・

目的物を債権の担保に供する権利を担保物権といいます。

担保物権には、債権者と債務者があらかじめ約束によって成立させる約定担保物権と、特殊な債権について法律で与えられる法定担保物権などがあります。

①約定担保物権

質権・抵当権

②法定担保物権

留置権・先取特権

これらの担保物権は、債務者が弁済をしない場合に、債権者が担保物を競売してその代金から優先的に弁済を受けるもので、これには質権・抵当権・先取特権があります。

また、担保物を債権者の手許において、債務者が債務の弁済をした場合に返却するというもので、留置権と質権があります。

①質権

債権者が担保として債務者または第三者から受け取った物を留置し、債務の弁済を間接的に強制し、弁済されない場合には、その物を換金して優先的に弁済を受ける事ができます。

②抵当権

担保に供した目的物の占有を抵当権設定者から債権者に移さずに使用させたまま、債務の弁済がなされないときに、その抵当物件から他の債権者に優先して弁済を受ける事ができます。

③譲渡担保

債務者および第三者の有する権利を債務者に占有を残したまま債権者に移転し、債務が返済されたとき返還するというもので、譲渡担保の登記等をします。

譲渡担保については、株式、手形、社債、倉荷証券といった有価証券も利用されています。

譲渡担保として取るには、譲渡担保契約を結び「担保のために**の有価証券を譲渡する」旨を定めておくこと、それに証券の引渡を受けておく事です。

約束の期限までに債務が支払われれば、その有価証券は債務者に返還し、支払ができないときは有価証券を処分して自分の債権の支払に充て、残余部分は債務者に返還します。

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